消防艇の運用(自治体消防)
消防艇の乗組員編成
消防艇は消防車と同様に船単位で1個小隊(舟艇隊)を編成する。
船長(隊長)は消防局によって若干異なるが、概ね消防司令補である。
東京消防庁
東京消防庁は3部交代制なので、消防車と同様に1隻に3クルーがいる。
臨港消防署の舟艇小隊
指揮艇小隊(しぶき小隊)、第1舟艇小隊(みやこどり小隊)、第2舟艇小隊(すみだ小隊)、第3舟艇小隊(はるみ小隊)、第4舟艇小隊(はやて小隊)があると推定。
消防艇「はるみ」は、水難救助隊指定になっていて、臨港第3舟艇小隊(水難救助隊:隊長(船長)は消防司令補)を編成している。
はるみ舟艇小隊、しぶき舟艇小隊は、通常2隻ペアで出動する。
両舟艇小隊は各船長2名を除く6名で臨港水難救助隊を編成している。
尚、臨港消防署は署として、第一消防方面本部の第6大隊で、敷地内の直属部隊は第1中隊である。
また、臨港消防署には水上本部もおかれている。
日本橋消防署浜町出張所の舟艇小隊
舟艇小隊(はまかぜ小隊)、救助艇小隊(きよす小隊)があると推定。
尚、日本橋消防署は、第一消防方面本部の第5大隊で、浜町出張所は第5中隊である?。
高輪消防署港南出張所の舟艇小隊
第1舟艇小隊(かちどき小隊)、第2舟艇小隊(ありあけ小隊)がある。
1個舟艇小隊は、船長、操舵員、機関長、甲板長、甲板員2名、の6名で構成される。
船長は4〜5級海技士(航海)、操舵員は5〜6級海技士(航海)、機関長は5級海技士(機関)、甲板長は2級海技士(無線)などの資格を持つ。
消防職員としての階級は、船長が消防士長、操舵員が消防司令補などと、逆転している場合もあり、船上での指揮と、陸上(現場)での指揮が異なったりする。
尚、第1舟艇小隊(かちどき小隊)は、陸上勤務も兼務しており、ポンプ車に4名、水槽車に2名が分乗し、出場する。
尚、高輪消防署は、第一消防方面本部の第10大隊で、港南出張所は第3中隊である。
神戸市消防局
神戸市消防局では、平成15年4月1日の消訓令第2号「消防艇運航管理規程」に規定されている。
(用語の定義)
第3条 この規程における用語の定義は,次のとおりとする。
(1) 消防艇とは,災害活動その他消防業務遂行のために使用する船舶をいう。
(2) 乗組員とは、水上消防署長(以下「署長」という。)が警防規程第27条に基づき部隊編成した消防艇小隊の構成員をいい、小隊長、船長、機関長、操舵員、通信員及び隊員のことをいう。
(統括責任者)
第4条 消防艇の運航及び管理に関する統括責任者は,署長とする。
(消防艇小隊の編成)
第6条 消防艇を運航するにあたり、署長は下記の者を指定して警防規程第27条に基づく消防艇小隊の編成を行うものとする。
(1) 小隊長を、消防艇小隊指揮者として、消防司令補の階級にある者から指定する。
(2) 船長を、運航責任者として、有資格者のうちから指定する。
(3) 機関長を、消防艇機関部の操作及び維持管理のため、有資格者のうちから指定する。
(4) 操舵員を、消防艇操船業務従事者として指定する。
(5) 通信員を、消防艇の積載無線操作業務従事者として、有資格者のうちから指定する。
(乗組員の資格)
第7条 船長は、船舶職員法施行令(昭和58年2月12日政令第13号)別表の2に基づき、六級海技士(航海)以上の資格を有する者でなければならない。
2 機関長は、船舶職員法施行令別表の3に基づき、五級海技士(機関)以上の資格を有する者でなければならない。
3 通信員は、電波法施行令(平成13年7月23日政令第245号)第3条に基づき、消防・救急無線の操作について第三級陸上特殊無線技士以上、船舶用無線の操作について第三級海上特殊無線技士以上の資格を有する者でなければならない。
(乗組員の任務)
第8条 乗組員の任務は次のとおりとする。
(1) 小隊長は、災害活動その他次条に掲げる消防業務において、消防艇小隊の指揮を行う。
(2) 船長は、消防艇の運航について乗組員を指揮監督し、消防艇乗船関係者は、安全運航に対する船長の指示に従わなければならない。
(3) 機関長は、船長の指揮を受け、消防艇機関部の操作及び維持管理を行う。
(4) 操舵員は、船長の指揮を受け、消防艇の操船業務を行う。
(5) 通信員は、小隊長又は船長の指揮を受け、無線交信を必要に応じて行う。
消防艇の乗組員養成
東京消防庁の船舶勤務者
東京消防庁の船舶勤務者は、海技免状授有者を採用する場合と、一般採用者より訓練要請する場合がある。一般採用者の場合、甲板員として乗船勤務することにより経験を積み、国家試験受験により、海技免状を取得し、上位の職務につく。
また、昇進に当たっては原則的に転勤を伴うため、消防艇の配備されている臨港消防署、高輪消防署、日本橋消防署の間を行き来することになる。
参考
消防関連
東京港の消防署
消防艇の運用(自治体消防)
消防船艇
新規作成日:2005年6月20日/最終更新日:2005年6月22日