ペイオフ制度

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ペイオフ制度


金融自由化、グローバル化に伴い、わが国でもペイオフ制度が開始された。
当初は、その影響度から、普通預金は除外されていたが、2005年4月からは、すべての預金に対してペイオフ制度が開始された。

これまでは、預金している金融機関が破綻した場合でも、その預金に対しては、預金保険機構その他の支援により、預金は全額保護されていた。
が、ペイオフ制度は、この保護の上限を、一人当たり1000万円とするものである。
細かく言えば、一金融機関における上限のため、複数に分散しておけば、保護される総額は1000万円を超える。
ただ、金融機関側は、合理化や経営体力強化を目的として合併が進み、当初は別々の金融機関のつもりでも、いつの間にかひとつになっていれば、保護総額は集約されてゆく。

かつてはわが国において、銀行が潰れるということは想定外の事態であったが、バブル崩壊後の経済低迷の結果、大手金融機関も含め、破綻が相次いだ。
そのため、ペイオフのリスクは現実味を帯びる形になってきた。

が、破綻によるペイオフにおいて、1000万円を超える部分が保護されないからと言って、その全額がゼロになるという誤解がまかり通っているのも問題だ。
オール・オア・ナッシングではないのだ。
確かに、保護はされない。
しかし、預金はもっとも明確な債権である。
破綻する金融機関も、経営が行きずまっただけで、一切の資産が消滅したわけではないし、貸付分に対する債権も持っている。
破綻清算の場合、まず、1000万円分の清算処理がなされる。
続いて、債権債務を集約し、預金分に対する清算処理となる。
従って、全額戻ってくることは難しいが、ゼロにもならないのである。
かつての金融機関破綻の場合も、預金は8割程度戻ったという実績もある。

ただ、破綻による問題は、実はペイオフによる損失だけではない。
金融機関が破綻した場合、債権債務が一旦凍結される。
この段階で、すべての預金の出し入れが出来なくなる。
このため、ATMの出金はもとより、公共料金の自動支払いすら停止されてしまう。

この対策として、決済用預金が作られた。
決済用預金は、利息をつけない預金で、代わりに金融機関が破綻しても、全額保護されると共に、入出金が制限を受けない。

現在、普通預金の利率は0.001%程度であり、無利息でも影響はない状態である。
ただ、本来のペイオフ制度は、金融機関といえども、一企業としての債権債務体制に移行するはずのもので、こういった日本式の保護法式には、世界的な違和感が残っているようだ。

尚、外貨預金はもともとが保護の対象外であるが、破綻時の扱いは、1000万円超過分と同様の債権である。。
また、郵便貯金は、現時点では政府保護であり、かつまた一人当たりの貯金の上限は1000万円である。




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新規作成日:2005年12月21日/最終更新日:2005年12月21日