投資商品で失敗しないために

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投資商品で失敗しないために


昨今の金融情勢は、およそ貯金とは呼べない状況である。
かつては10年預ければ倍になる時代があったが、今時10年で1割増えようものならものすごい高利とさえ言える。
この時期、高利回りをうたう商品が人気を呼んでいるが、商品知識不足からのトラブルも少なくない。
ここで注意しなければならないのは、詐欺と、投資の失敗は大きく異なる。
詐欺は、あくまで、悪意を持って、実態を偽るものである。

預貯金と投資は大きく異なる。
預貯金は、金融機関へ預けるもので、大きく保護もされているし、基本的に保証されている。
投資は、投資先に託すのであるから、見込みが外れれば計画は大きく狂う。

日本は貯蓄国家、日本人は貯蓄民族といわれ、欧米に比較して、個人資産のうち、預貯金の比率が極めて高い。
また、護送船団方式とも言われ、政府などの保護下でぬくぬくしていた時代が長い。
そのため、投資商品に対する知識などほとんどない。
個々の契約内容など読まなくても、相手の企業を信じるのである。

詐欺は悪意を持った騙しだが、契約条項は、個別の取り決めであって、一般常識とはしばし異なる。

預貯金と同じ感覚で、しかも高利回りのみに着目し、投資したものの、中途解約や変額リスクなど、預貯金とは異なる部分に直面したときにクレームを言う。
契約書に対して言えば、その申しようこそが、契約違反である。

「そんな説明は聞かなかった」と主張するが、「説明なんか(注意して)聞いていなかったんでしょう」或いは「聞いても理解できないままほっといたんでしょう」。
そもそも商品知識がないことが問題だ。

外国為替証拠金取引の説明で「外貨預金みたいなもの」とは聞いたが、「資金の何倍もの取引をしているとは思わなかった」という。
説明とは難しいものである。
商品先物取引を「外貨預金みたいなもの」といえば嘘だが、外国為替証拠金取引の最初の説明としては間違ってはいない。
渋谷から新宿に行きたいときに「渋谷駅から電車に乗って」といえば正しいはずだが、東急線に乗った人は文句を言うだろう。
「資金の何倍もの取引をしているとは思わなかった」のは勝手だが、契約書にはきちんと書いてあるし、それを理解して「署名捺印」しているはずだ。
セールスマンに脅かされ、腕を押さえられて押させられたものではないだろう。

投資商品で失敗しないためには。
まず、商品知識を十分に持つことが大切だ。
そして、契約書は熟読し、理解する。
読んで頭が痛くなり、理解できないなら、投資する「能力」がないといえる。
そもそも、契約能力がないとすれば、青年後見人制度も必要だ。

また、資金の計画も大切だ。
総資産と、用途別の金額の把握。
当座の資金と、余裕資金。
それぞれにあった投資があるものだ。




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新規作成日:2006年3月8日/最終更新日:2006年3月8日