金利上昇期の預貯金の運用

尚、本情報の利用に関する責任は、当方では一切関知いたしません。


2006年春、日銀の量的緩和政策が解除されたのに続いて、2006.7には、日銀のゼロ金利政策も解除された。
これに伴い、金融機関では、預金金利がいっせいに見直された。
普通預金など、それまで0.001%が、100倍の0.1%となったところもある。

定期預金も同様に、利率が改定され、多少、利息として受け取った気持ちになりそうだ。
普通預金の場合は、金利改定日から新利率が適用されるが、定期預金の場合、変動利率タイプでなければ、契約時のものが、満期日まで継続する。
利率が下がった場合はお得だが、利率が上がった場合にはその恩恵にあずかれない。

ここで、預け換えなどの見直しが必要となってくる。

定期預金の場合、中途解約をすると、約定利率ではなく、割り引かれた中途解約利率が適用されるため、不利となる。
が、今回のように、10倍を超える利率変動の場合、それも、在来の利率がゼロに近い場合は、断然預け換えのメリットが大きい。

たとえば、100万円が0.03%であれば、一年で300円。
これが、0.3%なら、一年で3000円。
半年経過後に中途解約して、仮に0円としても、残りの半年で1500円もらえれば、十分ペイする。
極論すれば、利率の上昇倍率に応じた期間分を放棄しても損はしないということだ。
すなわち、利率が10倍になったのであれば、残存期間が1/10以上なら預けかえるべきということになる。
ただし、これは期間按分した計算上のものなので、新規に作成する定期の預入期間の設定によって、条件が変わってくる。
すなわち、当初の残り期間分のみであれば、6ヶ月定期などの短いものにする必要があり利率は低めになるし、最大利率のものであれば、拘束期間が伸びてしまう。

更に考える必要があるのは、今後の金利情勢だ。
最盛期、定期性預金は、8%の利率がついていた。
これを例外としても、6%〜3%程度つかなければ、利息とは呼びたくないだろう。
その意味では、0.5%と言えども、まっとうな金利には程遠い状態である。
デフレ脱却とはいえ、今後経済情勢が安定するに従い、預金金利は回復すると見るべきで、その意味では、更なる利上げに伴う、預け換えの局面を迎えるだろう。
その段階で、頻繁に預け換えをするということは、約定利率を放棄し続けることとなり、当初見積もった利率を享受できない。
したがって、いくつかの腹案が必要となる。

・3年5年という長期の契約を見合わせ、半年一年程度の期間とし、利率が若干抑えられるものの、預け換えの頻度を抑えるようにする。
・もう少し様子を見て、利率が落ち着いた段階で預け替えをする。
・すべての預貯金を一斉に切り替えず、残存期間の長いものから一部の切り替えを行う。
・変動金利タイプの契約とする。
などがあるだろう。

また、実際の中途解約に当たっては、約款と適用利率を再度確認することが望ましい。
すなわち、少しでも実質利回りが高い適用を模索するべきだ。
昔の約款であれば、期間が短ければ、解約時の「普通預金利率」が適用され、この場合、約定利率よりも高い「中途解約利率」となることもある。
預入(経過)期間によって、中途解約利率の適用利率が変動するため、いつ処理するかによって、有利不利の明暗も発生する。

銀行によっても約款は大きく異なるため、個別に確認することが必要だ。




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新規作成日:2006年7月21日/最終更新日:2006年7月21日