深海潜水艇

深海調査潜水艇

バチスカーフ bathyscaphe「FNRS II号」
有名なスイスのオーギュスト・ピカール博士が開発した深海潜水艇です。
バチスカーフ bathyscapheは、自航式深海潜水艇の意。
1948にバチスカーフ「FNRS II号」(潜航深度6,000m)を完成、1400mの無人潜航に成功している。1953には、バチスカーフ「FNRS II号」で地中海3,150mに潜水。
1958には、バチスカーフ「FNRS III号」による日仏共同日本海調査(宮城県女川沖)で水深3100mに潜航。
バチスカーフ以前は、深海調査には潜水球が用いられていた。潜水球は水圧に耐えるために球形をした中空の乗物です。これを母船(水上船)からワイヤーでつるして深海調査をしました。しかしこれでは母船が揺れるとワイヤーを伝わって潜水球も揺れてしまいます。当然のことですがワイヤーの長さより深く潜ることもできません。推進装置を持っていないので自力で移動することができません。そこでピカール博士は潜水球に代わる潜水艇「バチスカーフ」を考案しました。
バチスカーフは潜水球と違い、自力で潜水したり浮上したり、水中を移動したりすることができます。原理は飛行船と同じです。飛行船は空気よりも軽いヘリウムガスを袋に入れて浮力を得ています。バチスカーフは海水よりも軽いガソリンをタンクに入れて浮力を得るのです。ガソリンは液体なので深海の非常に高い水圧でも押し潰されないので浮力を保つことができるのです。移動するのもモータでスクリュープロペラを回転させて推力を得るのです。ただ、この方法は大量のガソリンが必要になるので第二次世界大戦の影響でガソリンの価格が上がったために計画が遅れてしまいました。戦争が科学技術の発展に貢献したような話を聞く事がありますが、戦争は戦争に役立つ科学技術のみを発展させたと言うべきでしょう。

バチスカーフの構造
バチスカーフの構造は、まず大きなガソリンタンク(浮力用で、燃料用ではない) があってその下に鋼鉄製のゴンドラがぶら下がっています。このゴンドラは球形をしていて中に人間が乗り込みます。その他に浮力を調節するためのバラスト、移動のためのモーターとスクリュープロペラ、バッテリーなどなどです。


バチスカーフ トリエステ号
1953.8「トリエステ/TRIESTE」仏で進水 2,100mに潜航。
1954「トリエステ」、4,050mに潜航。
1959「トリエステ」は米海軍が購入改造して5,530mに潜航した。
1960 米「トリエステII号」、マリアナ海溝で10,911mに潜水(潜航時間:4時間48分、海底:30分、上昇:3時間17分)。
1964 米「トリエステII号」(11,000m 2人乗り)進水1月。

深海潜水艇の世界記録は1960年、トリエステ号の11000mではないのか

単に潜るだけの潜水船を対象とすると、世界最深の潜水記録は1960年、アメリカのトリエステ号がマリアナ海溝で記録した一万1000メートルが最深記録です。これは浮力材に水よりも軽いガソリンを使い、気球船のような形をしています。気球のガスが入る部分にガソリンを入れるわけです。が、この潜水船は上下方向、つまりまっすぐに降り、また浮上することはできましたが、非常に膨大な量 のガソリンを積み、船体が非常に大きく重かったために、深海を自由自在に動き回り調査する能力をもっていませんでした。
それに対し、「しんかい6500」は、深海で自由に動き回る能力をもった潜水船の中では最も深く潜る事が出来ることから、世界一の深海潜水調査船として紹介されている。また、ガソリンを浮力材として用いる形式の潜水艇がすべて退役した現在においては、「しんかい6500」が世界で最も深く潜航できる潜水調査船です。


Pict_1636.

排水量: 150t 50t
長さ: 59feet 6inch
幅: 11feet 6inch
深さ: 18feet
浮力用ガソリン容量: 33350 gallons
速力: 5kt
乗員: 2
航海時間: 28

耐圧球
重量: 16t
直径: 6feet 6inch
厚さ: 5inch


現在世界各国が保有する深海潜水調査船。( )内は潜水能力。
アメリカ アルビン ALVIN 改造型 (4000メートル)1964/1972改造
アメリカ シークリフ SEA CLIFF(6000メートル)1984
フランス ノーティール NAUTILE(6000メートル)1984進水
ロシア ミール MIRS-I/MIRS-II (6000メートル)1988進水
日本 しんかい2000 (2000メートル) 1981/2000.5運行停止
日本 しんかい6500 (6500メートル) 1989

back
HU06 しんかい
(95.3.20 海上保安大学校)

「しんかい2000」
最大潜航深度 2000メートル
全長9.3メートル 幅3.0メートル 重さ24トン
潜航速度 毎分25メートル 2000メートルの海底まで1時間半
乗員 パイロット、副パイロット、研究者の3名
建造開始 昭和53年10月16日
現在も運航中 海洋科学技術センター所有

back
有人潜水調査船 しんかい6500(98.4.11追浜)


「しんかい6500」
最大潜航深度 6500メートル(試験潜航時には6527メートルを記録)
全長9.5メートル 幅2.7メートル 重さ26トン
潜航速度 毎分43メートル 6500メートルの海底まで2時間半
建造開始 昭和62年5月28日
現在も運航中 海洋科学技術センター所有

PC-18型潜水艇 模型
Dcim0579/DSC_9737. Dcim0579/DSC_9738. Dcim0579/DSC_9739. Dcim0579/DSC_9740. Dcim0579/DSC_9741.

潜水艇 たんかい
Dcim0579/DSC_9742. Dcim0579/DSC_9743.


深海救難潜水艇

事故潜水艦より、乗員を救出する為の、小型潜水艇です。

深海作業潜水艇

はくよう
長さ(全長) 6m40
幅 1m60
深さ 2m70
最大使用深度 300m
排水量 6t6
耐圧穀内径 1m40
最大搭載人員 3名
主推進モーター 10PS
航続時間 1ノットにて5時間
マニュピュレーター 油圧式 1式
最大水中通話距離 700m
水中撮影 カラービデオ装置 1式
1971完成
潜航深度 300m

はくよう2000(深海用ROV)
最大使用深度 2,000m
電動油圧ユニット 50馬力(25馬力油圧ユニット 2基並列)
ペイロード 91kg
メインスラスター 2基
上下推進スラスター 2基
左右推進スラスター 2基
マニュピュレーター マスタースレープ型7ファンクション2基
(マニュピュレーターが操縦者用アームに従動)
カメラ オスプレー1325暗視ビデオカメラ 1台、オスプレー1361カラービデオカメラ 1台、35m/mスチールカメラ(ストロボ付) 1台、計3台

back.


戻る TOPに戻る

新規作成日:2002年4月19日/最終更新日:2010年1月11日