高速船

高速船、一般に他より早い船のことをさすが、基準も色々だ。
また、時代によってもその数値は異なってゆく。

戦艦ドレットノートが出現したときは、戦艦として20ktが超高速であった。
戦艦大和は27kt程度だが、アメリカの戦艦は30ktを超え高速戦艦とされる。
35kt級の高速の駆逐艦の中にあっては、40ktの島風が超高速であった。

巷の感覚では、小型の船のほうが速力が速く、30-40ktの小型高速艇などと称される。
逆に、大型船の方は鈍重で、20-30ktを超えれば早い船とされる。


日本海事協会では、船級として各種規定を設けている。

この中で、高速船とは以下のように規定されている。

高速船規則
2.1.2 高速船
高速船とは,次の算式により定まる値以上の最大速力で航行する船舶をいう。
3.70***0.1667(m/sec),又は 7.1922***0.1667(kt)
凾ヘ, 計画最大満載喫水に対する排水容積(m3)
ただし,表面効果によって得られた空力学的な力による非排水量モードにおいて,水面上方に完全に船体が支持される船舶を除く。

尚、**はべき乗(2**3なら2の3乗で8である)

ここで、排水容積1立方メートルは、概ね排水量1トンに相当する。

これによれば、各排水量に対応する高速船の基準値は以下のようになる。
10t: 10.55751618kt
50t: 13.8063874kt
100t: 15.49750395kt
200t: 17.39576195kt
500t: 20.26656078kt
1000t: 22.74897093kt
3000t: 27.32108037kt
5000t: 29.74952634kt
10000t: 33.39348581kt
20000t: 37.48378654kt
50000t: 43.66968462kt
100000t: 49.0186962kt

また、各速力基準値に対応する高速船の大きさは以下のようになる。
10kt: 7.222004159t
15kt: 82.22313306t
20kt: 461.8240488t
25kt: 1761.247354t
30kt: 5257.906168t
35kt: 13256.02301t
40kt: 29532.16965t
45kt: 59861.70998t
50kt: 112626.1307t

排水量が大きければ大きいほど、速力の高いものが基準となることになる。
これは、船体の安全基準の為に設定されているものである。


参考
ジェットフォイル
ホーバークラフト / エアクッション艇
SES 表面効果船
船級


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新規作成日:2004年4月15日/最終更新日:2004年4月16日