洋上補給

洋上補給

艦船に対する燃料、物資の洋上での積み渡しを言う。

古くは、湾内の沖合いで補給船と被補給船が接舷の上、積み渡しをした。

近代では、航行中に行うことにより、移動を中断することなく補給を行うこととしている。

給油の場合、縦曳き給油、横曳き給油、がある。
縦曳き給油は、給油艦が受給艦を曳航しつつ補給する方式で、操艦も簡単で安全度が高いが、速力が低く抑えられてしまう。
横縦曳き給油は、給油艦と受給艦が並航しつつ行う方法で、今日では一般的である。
ある程度の速力を維持したまま行えるほか、両舷で行えるため、効率がよい。
ただ、併走する場合、接触の危険も伴い、操艦には高度の技量が要求される。


Dcim0613/Dsc_4630. Dcim0613/Dsc_4632. Dcim0619/Dsc_5426. Dcim0628/Dsc_6689.

縦曳き給油
Pict_0728.

横曳き給油
Pict_0729.

補給艦と受給艦の間隔(横曳き給油)
航空母艦級 約50-60m
巡洋艦級 約30-50m
駆逐艦級 約25-35m


給油管の接続例

小デリック方式
補給艦と受給艦の間に給油管が渡される。
給油が完了すると、揚収索(リターンワイヤー)を巻き取り、給油管を引き上げる。
Pict_0733.

クレーン方式
補給艦と受給艦の間に給油管が渡される。
給油が完了すると、揚収索(リターンワイヤー)を巻き取り、給油管を引き上げる。
Pict_0734.

大デリック方式
補給艦と受給艦の間は、約40-50m
補給艦と受給艦の間に給油管が渡される。
給油が完了すると、デリックを引揚げ、給油管を引き上げる。
Pict_0735.

近接方式
補給側が正規の装備を持っていない場合などに用いられる。
補給艦と受給艦の間は、約20-40m
補給艦と受給艦の間には索が渡され、これに給油管がぶら下がって渡される。
給油が完了すると、揚収索(リターンワイヤー)を巻き取り、給油管を引き上げる。
Pict_0736.

ジャックステイ方式
補給艦と受給艦が共に大型間の場合に用いられる。
補給艦と受給艦の間は、約60m
補給艦と受給艦の間にはジャックステイが渡され、これに給油管がぶら下がって渡される。
給油が完了すると、揚収索(リターンワイヤー)を巻き取り、給油管を引き上げる。
Pict_0737.

スパンワイヤー方式
補給艦と受給艦の間は、約40-50m
補給艦と受給艦の間には導索(スパンワイヤー)が渡され、これに給油管がぶら下がって渡される。
給油が完了すると、揚収索(リターンワイヤー)を巻き取り、給油管を引き上げる。
Pict_0730. Dcim3182/DSC_4585.

物資移送

物資の移送には、横曳き給油と同様の体制でのハイラインが一般的である。

このほか、ヘリコプターを利用する、ヴァートレップがある。


洋上移送の例(ハイライン方式)
補給艦より受給艦に、トラベリングサーフが渡され、キングポストのスライディングパッドアイに接続される。
Pict_0731.

受給艦

ハイラインポスト
Dcim3291/DSC_1217.

ハイラインポスト(USN)
Dcim3441/DSC_0422.

給油口
Dcim3326/DSC_7445. Dcim3326/DSC_7433. Dcim3326/DSC_7434. Dcim3326/DSC_7432.

給油口(USN)
Dcim3441/DSC_0426. Dcim3441/DSC_0427.

補給艦

補給艦の艦内は、一般の貨物船とは異なり、物資の積載のみならず、洋上補給における積み出しが容易な構造となっている。
そのため、貨物船に比べて、艦内容積の割には、積載量は控えめとなる。

AOE ときわ型艦内配置
Pict_0722.

給油ポスト (AOE 59 Hwacheon)
Dcim1295/DSC_8648.

給油ポスト (A11 ENDEAVOUR)
Dcim2852/DSC_9663.

給油ポスト (A20 MOAWIN)
Dcim3650/DSC_5054. Dcim3652/DSC_3690. Dcim3652/DSC_3707. Dcim3648/DSC_4766.

補給ポスト (AOE 59 Hwacheon)
Dcim1295/DSC_8645. Dcim1295/DSC_8647.

参考
ハイライン
洋上補給
流体力学
船の動き方




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新規作成日:2005年9月5日/最終更新日:2006年12月28日