上級コースを受けてみて
平成18年
今回で、3年間にわたる、初級・中級・上級講座を終了し、
とてもたくさんのものを学ぶことができました。
講座の内容はもちろんのことですが、
宿泊研修での、全国各地・立場も様々な園の先生方との交流、
日ごろの保育環境から離れて、研修に集中して取り組みながらも、
リラックスできた環境など、色々な角度でたくさんのものが得られた研修カリキュラムは、
参加してほんとに良かったと思いました。
私の場合、個人的に興味を持ちこの講座に申し込んだ経緯から、
職場には1週間の有給休暇を取得させてもらい、
費用も自費負担だったことから、負担も少々重く、
今回の上級コースへは参加できない可能性もあったため、
ほんと、全コースを無事に終了し、たくさんのことを学ぶことができたのは、
まずは協力してくれた職場や人達にも感謝したいと思いますし、
とても有意義な各講座を受けて学んだことを、
これから先保育者として活用していくことで、
返していく事ができたらと思います。
これまでに、様々な保育者研修や、交流会に参加して感じたこととして、
「保育者としてのカウンセリングマインド」、それ以前に、
カウンセリングや心理学といったものは、多くの現場の保育者には、
何か別の世界の物のように感じていて、受け入れられていない、
どちらかと言うと、避けられていると言う印象を受けたことがあります。
そこには、「難しいもの」や何か「異質なもの」といった先入観や、
保育者して今まで築きあげてきた、経験や知識から、避けてしまうことや、
難しい・意味が無いと考えている保育者がいるのも、現状と感じています。
もちろん、そういった経験や知識もとても大切なものですし、
保育カウンセリングをするうえで、無くてはならないものです。
この保育カウンセラー養成講座を受講した人は、
すでに学び理解している事と思いますが、決して相反するものでなく、保育の中で役立つ、
活かしている物なのだと言うのを、自分の職場や周りの保育者に対して、
分かりやすく伝えていく事が、まず一つ目の、
保育者としてのカウンセリングマインドを活かしていくことではないか、
と思いますし、ぜひ実践していきたいと思いました。
それとともに、保育者としてのカウンセリングマインドを活かしていく上で、
最大の状況は、対保護者・対子ども・対職員といった部分、
それも親と子のケアに関わる部分が、大きな割合を占めています。
今現在、保育に当たっている中で、家庭の状況や子ども達の状態を見ていると、
少し気になる状態や、大きく気になる状態の裏には、様々な事情が見え隠れしていたり、
目の前の問題を一時的に解決するのでなく、根の部分にある、
もっと大きな問題を解決しなければいけない状態も多々あります。
もちろん、保育所だけで解決しようとするのでなく、
さまざまな関係機関との連携などの必要性も出てくることもありますが、
様々な状況を抱えている家庭(親子)に、最初に接することが多く、
特に親子と密接に関わる関係を築きやすい保育所において、
日常の保育の中にカウンセリングマインドを活かしていく事で、
抱えている問題に気付くことや、程度の軽い問題であれば、
解決に向けていくこと、大変な状況でも、
不安や悩みを抱えて困っている状況に、寄り添うことはできると思います。
昨今、子どもや親による、自殺や殺人、虐待など、
衝撃的なニュースが世間を騒がせていますが、
その根底に様々なものを抱えています、
けれども、同じような大変な環境で成長したとしても、そうならない人もいます、
その差はどこにあるのか?・・・、そう考えたとき、
誰か一人でも、味方をしてくれる、自分を信じてくれる、
助けてくれる人がいたらまた違ったのかな?と思います。
子どもも、親も、先生も、まずは自己肯定間を持てること、
自分を好きになれることが大切なことで、そこから、
他者を思いやる気持ちや、尊重する気持ちが生まれてくると思います。
現在正確なデーターは持ち合わせていませんが、日本の中高生や大人に、
「少々自分に欠点があっても、自分を好きと言えますか?」
「少々良いところがあっても、自分を嫌いと言いますか?」と質問したとき、
ほとんどの人が自分のことを嫌いと答えるそうです。
それはとても悲しいことだと感じますが、
保育者として子どもや親と関わるのは、ほんの人生の1ページです、
けれども、1番最初のとても大切な基礎となる、大切な部分です。
保育の中でカウンセリングマインドを活かしていき、その部分を育てていきたいですね。
現在日本には、たくさんの保育所が存在していて、
保育にかける子どもの保護育成にあたっています。
もちろんとてもがんばっている保育所、
すばらしい保育所もたくさんありますし、
ほとんどの保育所は、親や子のため、がんばっています。
もっとも保育方針は、人それぞれ感じるものですから、
良い悪いというのは十人十色でしょうが、道筋は違っても、
少なくとも目指す方向は一緒と思います。
しかしながら、毎年のようにニュースで保育所での死亡事故が流れているように、
劣悪な保育所というのも残念ながら多数存在しています。
様々な保育所を知る中で、学校に通い、保育士を目指したときの思い、
それと現実のギャップにぶつかり、葛藤を乗り越えていく中で、
保育士となった初心を忘れてはいけない。
子ども(その周りの保護者も含め)のために、じっくり向き合って、
大変な道のりでも本当にやりたかった保育をやりたいと思い、
平成19年の4月から認可外の保育所を仲間と立ち上げる事となりました。
もちろん思いが全て正しいと言うわけではありませんし、
認可と言う枠を外れれば莫大な予算も含め、できることは限られてしまいます。
これから私が進もうとしている道は、保育の本道からすると、わき道かもしれません。
けれども、常に初心を忘れず、自己研鑽に励み、夢の実現に向け、
一歩ずつ前に進んで生きたいと思います。
その中で、この3年間の保育カウンセラー養成講座で学んだ内容は、
とても大きく、また、活かしていくことで思いの実現に繋がっていくものだと思いました。