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作成当初は日本の海岸線のほとんどを含む点数の作品が存在していたが、現在は作家の手元に44点が残っている。作家は、「死者の描く地図の等高線に飛沫(しぶ)く、破水」とこのシリーズを表現している。破水とは、まさに生命の誕生の瞬間に流れ出るものであり、それが死者の描く地図上で飛び散る本作品は、人間の根源である、「生」と「死」の戦いを表現しているといえるであろう。そして、またヌード写真と地図という異質なもののぶつかり合いは、「生を与えられし物」と「生無き物」の関係であり、それがぶつかり合い、いつしか融合し、全く新しい世界を創りあげているのである。