一 電子都市構想に関する懇談会報告について
◯馬場委員
私は、電子都市構築に関する懇談会報告について何点か伺います。
電子都市懇談会の報告書は、首都圏のIT化により日本の経済社会の再生につなげるとともに、都民が個性的で活力に満ちた生活を目指すものであり、その趣旨には賛同するものでございます。
また、懇談会の報告、先ほども木谷室長さん触れられましたが、基盤整備のところで、取り組むべき施策24項目にわたって、14年度中が大変多いんですが、時期を明記し提案をされている。こうしたことは報告書としては画期的なものではないかというふうに私も評価をしております。
そこで、この事業を推進する立場から幾つかのポイントについてお伺いをいたします。
今後、近隣の県、市や区市町村を含めて官民で協働をして電子都市を構築していくためには、都として今後の事業方針、スケジュール等を明示していくことが必要であると考えます。先ほどのお話の中でも、局の壁を超えて行って、この報告書をつくってきた。また、私も室長の、できるところから、できる状況でやっていくという大変積極的なことについてもすばらしいと思いますが、それでは、まず、主体である都がこの提言に対してどのように今後取り組みをしていくのか、そこのところの決意も含めてお伺いをいたします。
◯木谷IT推進室長
今回の懇談会が通常のものと少し違いますのは、懇談会の内容を検討していく過程で、各局が裏でずっと動いていたんです。表の場でも一緒に協議をしていくという中で、各局に相当変化が生まれていることがまず挙げられます。そして、報告を発表した後の5月に、部長級の東京都IT会議を開催しまして、この報告を踏まえてどういう施策を行っていくのかについて、関係各局で早急にまとめてほしい、これを緊急戦略として取りまとめて、全体の方針についてもできるだけ早期に打ち出していくということをお願いをしてあります。もちろん、直ちにやらなければいけないこと、すぐできることについてはもう方針は出ているわけですから、できることからどんどんやっていく、そういう動きをしていきたいと思っております。
◯馬場委員
この懇談会そのものが半年、13年の11月に設置をされて、もう4月には報告を出してくださるという集中的に検討され、報告書のメンバーのところが、実は都側のメンバーとかも含めて書いてないものですから、最初はどんなようなのかなというふうに、報告書を読ませていただいたときは思ったんですが、この中身、それから一番最初に、都がみずからやらなければいけないことがかなり細かく、積極的にやらなければならないことというふうに書いてあるということで、これは私も、都側の推進室も積極的に進めたと同時に、各局もそれに対しての対応というのを考えていらっしゃるというふうに確かに受けとめました。
そのスピードを重視をする懇談会の趣旨に従って各局全面的協力を得てというふうになっていますが、それでは、この各局の代表的な取り組みというのを聞かせていただくとよくわかるかなというふうに思いましたので、これをお願いしたいと思います。逆に、できないものはというふうな質問も考えたんですが、できないことをお聞きするよりは、まず、できるところでご説明いただけると、よろしくお願いします。
◯木谷IT推進室長
いろいろな動きが庁内にございまして、公式にも非公式にもありますが、代表的なもので幾つかお答えをしたいと思います。
まず、建設局ですが、これはこの間、新聞にも出ておりますけれども、懇談会の提言を踏まえた施策を取りまとめて、7月までに規制緩和行動計画と民間の共同事業推進計画を策定する、この予定に入っております。既に都民のパブリックコメントを聴するというところに入っていますので、これが多分計画としては一番早く出てくるものだと思います。
それから、住宅局ですけれども、これは4月に、都営住宅をブロードバンド化していく工事をするときに、入居者全員の同意が必要だという規制があったんですけれども、これを外しました。その規制緩和を行った。これは既に4月に行っております。
それから、総務局ですけれども、都庁舎、それから中央図書館などたくさんのところで、無線LANを利用した高速インターネット接続という、これは今のブロードバンド化の流れの中で非常に新しい、旬な動きですけれども、これを行政として初めて全国に先駆けてやろう、いわゆるホットスポット化ということですけれども、この実験を7月から実施する予定であります。
◯馬場委員
ありがとうございます。実は私もかねて、品川でケーブルテレビを敷設をするということに立ち会いました。積極的に導入を図ったということもあって、その間で、今例を出されていたことが実は大きく障害になって、私自身も議員として相談を受けたという経験を持っていますので、そういう意味では障害が行政側に大変大きくあるなというのを改めて認識をしているんですが、例えばケーブルテレビのところでも、さっき出ていました歩道橋とか道路をまたぐということについての許可を、ケーブルテレビが直接してもなかなか許可がおりない、もう工事は支度できているのにというようなところが一件ありました。また、同じケーブルテレビを、二つ目の都営住宅の居住者全員の同意というところもありますが、都営住宅で入れたい人があるけれども、同意が得られないし、もちろん費用の問題もあって、だれがその費用を負担するのかということもあって、結果的には都営住宅にケーブルテレビを敷設できないというようなことがありました。
こうしたこともみずから経験しているということで、今回それをどこまで具体的に、それも早く対応ができるかということは本当に大事な問題だと思っていますし、都みずからが中心になって、各区市や、また、大きくは国に対してそのことを、どんなにそのことが、行政側で大事にしていることがネックになっているかということをもっともっといっていかなければならない。そのことを都がどういうふうにクリアしていったかということも、都民や区民、つまり事業者だけでなく、住民にも、どういうふうにしたらそれが改善されて、結果、できるようになったかというその手順も含めて公表をしていく、そういうこともぜひお願いしたいと思います。議員としては、例えば私が間に入ったから早くできたなんというのは、もしかしたら一つ手柄になるようなことかもしれませんが、もうそういう段階ではありません。そのことも含めてお願いします。
最後に、このこともなんですが、議員が窓口というようなことではもちろんいけないわけで、報告書の中に、ワンストップにより各種相談を行う窓口の設置というのが挙げられています。こういう窓口で、困っただけの相談というような、そういう雰囲気ではなく、今私がお話しさせていただいたように、つまり問題があるということをまず認識をして、その問題をどうやって解決をしていくか、そのことがわかるような、この窓口から、それを受けることによって、どこに問題があって、何が問題なのか、そしてどうそれが改善をされるのかということで、新しい方向や、やらなければいけないこと、そういうことが見えてくる。そのことを一つ一つクリアしていくことによって、また次の試みをしていく。試みをしたところでまた問題が出てくるというように、その繰り返しをすることによって、3,300万電子都市の実現に向かっていかれるのではないかなというふうに思っていますので、この窓口の設置についてのお考え等を聞かせていただけるとありがたいと思います。
◯木谷IT推進室長
懇談会を進めていますと、実は、民間の通信事業者の方々から非常に率直な要求が出てきたんですね。その一つがこの相談窓口なんです。どこに行っていいかわからない。ここに行くと、また次の局に行けというので、本当にやりにくいというんですね。それから光ファイバーの値段も民間よりも高いということもあって、東京都が何かいうんだったら、まずできることをきちんとやれと、非常に率直な要求が出ました。これを各局が真剣に受けとめてくれまして、実際にその懇談会の場でもってそういう協議が進んでいったという経緯がございます。この辺もできるだけ公表していきたいと思っています。
ワンストップの窓口なんですけれども、やはり光ファイバーを敷設するときのルートとか接続点、それから例えば道路占有手続をどうするのかというようなことをとりあえず一カ所で受けとめる、あとは内側で調整していく、そういう総合窓口を関係部局と協議しながら設置する方向で検討していきたいと考えております。
◯馬場委員
ありがとうございます。積極的な取り組みを要望して終わりたいと思っておりますが、私どもも1月から2月にかけて視察をさせていただきました。そのときに、さっきホテルのお話も出ましたけれども、ファクスを毎日送って報告をしたんですが、そのファクスを無料でやってくださるホテルと、一枚千円以上につくようなホテル、それもすごい時間がかかるとか、そういうようなことを経験をして、最後には、ついてくださったガイドさんが、私の家から送ればずっと安いですよ、私が持って帰ってやってあげましょうなんという話にもなりました。こうしたいろいろな点も、先ほども出ましたけれども、行政だけでなく、地域、各界、事業者も含めてのこうした意見、そして経験等ができるだけ集約をされ、それがまた解決に向けて各局へ分けられていく、そしてまた推進室がまとめていくというような繰り返しをして、ぜひこの懇談会の、早くつくってくださった提言を生かして、一日も早い、皆さんへのサービスができるように期待をさせていただいて、質問を終わります。
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