都議会レポート 平成15(2003)年7月

平成15年第二回定例会号


石原知事の二期目がスタート
都民の知恵で都政に活力を


 4月の都知事選後、初めての都議会定例会が、6月24日から7月9日の16日間の日程で開催されました。今回の定例会では、石原知事が公約に掲げた「新銀行」構想に質問が集中し、また、治安強化のために提案された「東京都安全・安心まちづくり条例」についても活発な議論がなされました。私たち都議会民主党は、引き続き、より多くの都民の声が都政に反映するよう積極的に政策提案していきます。



ディーゼル車規制で
中小事業者へ配慮を


 10月1日から始まるディーゼル車規制では、環境基準に適さないディーゼル車は、買い換えるかDPF(粒子状物質減少装置)を装着しないと都内を走行できません。都は、事業者がDPFを装着する場合、その費用の二分の一を補助しています。しかし、補助金が交付されるまでは、事業者が費用を立て替えなければなりません。環境改善に協力しているのに、厳しい資金繰りを強いられるのです。
 事業者がDPFを装着したことを申請してから補助金が交付されるまで、従来は20日程度の期間がかかっていましたが、私たちの要求で、すでにこれが10日程度に短縮されています。
 さらに、私たちは、事業者に代わって、整備工場などが補助金を申請し、事業者は、補助金を差し引いた代金だけを支払う制度ができないかと提案していました。
 私たちの要求に都は「事業者が、費用の全額ではなく、補助金を差し引いた資金手当てで済む仕組みを整えた。今後、整備工場の協力が広がるよう、周知に努める」と今定例会で初めて答弁しました。
 こうした制度が活用できるのは、7月9日現在、4事業者7店舗しかありませんが、私たちは、こうした協力店をさらに拡大するなど、引き続き環境改善に協力する事業者への支援に取り組んでいきます。


DPF補助金打ち切り問題で
都議会民主党が意見書


 国は、6月11日、補助金申請が予算枠を上回ったことを理由に、突如としてDPFの補助金受け付けを締め切りました。こうした国の対応は、関係者の努力に冷や水を浴びせる極めて許しがたい行為です。
 都は、予算の大幅拡大とDPFの補助受け付けの再開を要望していますが、いまだ国からは具体的な回答は寄せられていません。
 私たちの質問に、石原知事も「補助金受け付けの再開を要求するだけでなく、動きが遅ければ告訴も辞さない」と述べています。
 私たちも、DPFの補助金再開について意見書を提出し、都議会の全会派が一致して、このことを国に要望することになりました。


石原知事の公約「新銀行」
未だ姿見えず


 「技術力や将来性等に優れた中小企業」に従来の担保主義等を超越した資金供給を行うという石原知事の「新銀行」構想。平成16年度中に創設し、営業を開始するとしていますが、その姿は未だ抽象的なままです。
 今議会での質疑でその大枠は明らかになりましたが、そもそも中小企業への資金供給のために新銀行は必要なのか、信組・信金の民業圧迫にならないか、ハイリスクに耐えられるか、資金運用や決済業務でのぞむほどの収益を上げられるのか、制度融資の拡充以上の効果があるのか、未だ疑問はつきません。
 都は、年内にはその姿を明らかにするとしていますが、期待も不安も大きな課題ですので、私たちも、会派内にプロジェクトチームを設置し、新銀行の課題について積極的に検討していきます。



東京ドーム「競輪」突然浮上
地元は反対


 石原知事は、議会初日の所信表明で、東京ドームにおける競輪を再開すると表明しました。
 寝耳に水の文京区は、突然の再開表明に激怒。同日、反対の意思を明確にしました。
 私たちは、さっそく煙山区長と面談し、地元区の意向を確認した上で質問にとりあげました。石原知事は「地元文京区の理解を得ることが何よりも必要」とし、話し合う意向を示しました。



安全・安心条例可決
要は警察の取り組み


 都、事業者、都民との協働で安全で安心できるまちづくりを進めようという「安全・安心まちづくり条例」が可決・成立しました。
 私たちは、安全・安心の要となるのは警察であるとして、警察による戦略的で効率的な取り組み、内部合理化による現場人員増の確保、空き交番の解消を求めました。また、今後増設されることとなる防犯カメラによるプライバシー侵害、悪用を防ぐための条例制定を求め、警視庁も前向きの姿勢を示しました。


首都移転論議はムダ
一刻も早く終止符を


 衆・参の国会等移転特別委員会は、10年以上かけて検討してきた移転候補地の選定を断念しました。しかし、この問題を引き続き議論するために両院協議会が設置されました。
 私たちもこの間、関係者と協力しながら反対運動を展開してきましたが、こうしたことを踏まえ、白紙撤回に向けた今後の取り組みについて石原知事に質問しました。知事も「一刻も早く移転論議に終止符を打って白紙に戻すべきで、それが歴史の必然だ」と明快に答えています。



地位協定の抜本的見直しを
全会派一致で意見書採択


 現在、日米地位協定の見直し交渉が進められていますが、都内にも、横田基地をはじめとして8基地、約1,603ヘクタールの米軍基地があります。
 この米軍基地の周辺には多くの都民が生活していますが、軍用機による騒音・落下物被害など様々な問題を引き起こしています。こうした問題を解決し、都民生活を守るために、私たちは、民主党沖縄県連とも協議して、昭和35年に締結されて以来一度も改定されていない日米地位協定の抜本的見直しを求める意見書を提案。全会派が一致してこれを採択しました。


東京にセントラルパークを

 東京の中心部には、日比谷公園、皇居前広場、皇居東御苑、北の丸公園、千鳥ヶ淵公園など、約160ヘクタールの公園がありますが、管理主体がバラバラで、ひとつの公園として機能していません。
 私たちは、関係機関が連携してロンドン、ニューヨークの大公園に劣らぬ「東京セントラルパーク構想」に取り組むことを都議会で初めて提案。都も「国や地元区などと連携して、ガイドマップの作成やサインの統一など、皇居周辺の公園が全体として東京の顔となり、多くの人々に愛され、親しまれるよう努めていく」と前向きな姿勢を示しました。


十六年度に開設
都独自のしごとセンター


 厳しい雇用情勢が続くなか、私たちは、石原知事が選挙前に具体的数値をあげて打ち出した「20万人の雇用創出」や議会初日に表明した「しごとセンター」について、その内容を質しました。
 「20万人の雇用創設」では十分な答弁が得られませんでしたが、「しごとセンター」では、「民間事業者のノウハウも活用して、雇用、就業に関するさまざまなサービスをワンストップで提供していくというものにする」と、16年度の開設に向けて都独自の取り組みに意欲を見せました。



特別支援教育実施に万全を

 都は、従来特殊教育の対象でなかったLD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、高機能自閉症児も支援し、障害のある子とない子が同じクラスで学習し必要に応じて特別な教育を実施するとともに、盲・ろう・養護学校とともに地域の学校にも副籍を置く方針を打ち出しています。
 私たちは、これをより良い制度として実施していくために、モデル事業を実施して効果と課題を検証することを提案し、都も「実施に向け検討する」と答えています。


アスペルガー症候群に
早急・総合的な対策を


 自閉症の一種アスペルガー症候群は、知能が平均かそれ以上で本人も周りも気づきにくく、また医師や教師にも知られていないため対策が遅れています。
 私たちは、治療・研究実績が豊富な都立梅ヶ丘病院からの情報発信を求め、都も「公開講座や資料発行、専門医の育成」などの「施策の一層充実を図る」と答弁しています。障害で生活が困難な人への福祉サービスが依然課題ですが、私たちはこの問題に今後も取り組んでいきます。



虐待防止法に一言
発生と再発の防止対策を


 児童虐待の急増を受け平成12年施行された虐待防止法により、早期発見と即応の体制がつくられました。
 しかし、虐待の予防や虐待をした親の対策、虐待を受けた子どものケアなどの面で課題が残っています。
 実際に虐待児童や親と向き合っている自治体の議員として、私たちは、施行後3年の見直しに際し、こうした課題について法に盛り込むよう強く要請する意見書を国に対して提出しました。
 

 


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