都議会レポート 平成15(2003)年10月

平成15年第三回定例会号


安全・安心な東京の実現を
責任政党として都政に提言


 平成15年第三回都議会定例会が、9月18日から10月6日の日程で開催されました。
 今定例会では、銀行税の和解に伴う関連議案とともに、「つきまとい行為等」を規制する迷惑防止条例の改正案が提案されました。また、治安対策についても都民の大きな関心を呼んでいます。
 私たち都議会民主党は、安全・安心な東京の実現をめざして、責任政党として、都政に積極的に提言していきます。


銀行税、税率引き下げて和解

 銀行側と裁判で争っていた銀行税条例ついて、東京都は、税率を引き下げて和解することになりました。
 都議会民主党は、先の上告において、財政負担リスク回避のためにも、課税の凍結、税率引き下げ等も選択肢の一つと考え、その旨を繰り返し問題提起してきており、今回の知事の決断は、現実的な対応であると考え、賛成しました。
 しかし、議会の議決によって定めた条例に係る和解交渉が議会に諮ることなく進められたこと、また、今回の税還付(2,344億円)のために財政調整基金(1,695億円)を取り崩したため、今後極めて厳しい財政運営を強いられることなど、今後に課題も残しました。



迷惑防止条例改正で
「つきまとい」規制開始


 悪質な「つきまとい行為等」を規制する迷惑防止条例改正案が可決・成立しました。
 「つきまとい行為等」は、昨年6月議会でも提案されていましたが、都議会民主党が、削除・修正し、再提案を余儀なくされていました。
 今回の改正案は、議会での私たちの主張に応えて、「正当な理由なく」という文言を加え、規制されるべき行為についてより限定するとともに、「濫用防止規定」を設けていることから、適正であると判断し賛成しました。
 また、治安対策において、今後増加する防犯カメラの運用についても、私たちの主張に応えて、東京都は、統一的な運用規定を整備し、事業者等に対しても都規定等にならった適切な運用取り扱いを指導することを明らかにしました。
 私たちは、子どもを犯罪に巻き込まないための方策や不法来日外国人対策など、引き続き、治安対策の強化を求めていきます。


爆弾当たり前」発言に
「テロ否認」求める


 街頭演説での石原知事の「爆弾当たり前」発言がテロを容認するものと受け止められた問題で、都議会民主党は、「寸にして断たざれば尺の憾 あり」であるとして、テロリズムは決して容認しないという姿勢を明確に示すよう求めました。
 石原知事は、「立場が右であれ左であれ、こういう現代国家の中で、テロを頭から容認するばかはいないと思います」としました。



都民と情報を共有して
財政再建へ


 東京都の財政は、税収の大幅な伸びが見込めず、極めて厳しい状況にあります。都議会民主党は、税財源の移譲、都独自の減税措置、補助金・交付金など都財政が抱える課題について、広く都民と情報を共有すること、都県連携や市町村への分権、公と民の任務分担などを踏まえて、施策の見直しを図ることを求めました。
 東京都も、「的確な情報提供に努める」、「より本質的な見直しを行い、都民サービスの充実に向けた取り組みを徹底」するとしています。



ディーゼル車規制で始まる
零細事業者への配慮を実現


 10月1日、ディーゼル車規制がはじまりました。
 東京都など七都県市では、新車やPM減少装置等を発注したにもかかわらず、メーカー側の都合で、対応に間に合わない事業者に「確認証明書」を発行することで、一定の配慮をしています。しかし、すでに適合車両の偽造ステッカーがインターネットで出品されるなどの事件も起きており、厳格な取り締まりが必要です。
 私たちは、流入車両の取り締まりなど、都民の健康を守るための東京都の毅然とした取り組みを求めています。



食の安全心配ご無用?

 食品安全基本条例の考え方が発表されました。
これまでは事故が発生した後の対応が中心でしたが、それに加えて今後は事故予防・安全確保対策も実施しようというものです。
食の安全安全確保策については、都民と事業者そして行政が情報を共有し互いにやりとりし理解しあうことで生まれます。また、食品の選択に必要な安全性に関する情報を正確かつ分かりやすく都民に伝えることも重要です。
 東京都は、この2点についての具体的な検討を約束しました。


すべての子育て家庭に支援を!

 子育てに自信がない人が増えており、虐待をする人のうち実母が約6割を占め、そのうち専業主婦が約5割と、密室・孤立育児が引き起こす問題は深刻です。
 私たちは、これまでの相談体制以上に、きめ細かな対応ができる地域の子育て支援のネットワークの構築と、保育サービスだけでない総合的な子育て支援の必要性を指摘しました。
 東京都も、私たちの指摘を踏まえ、支援サービスの推進を約束しました。



小児医療の充実が必要!

 小児科医と小児救急医療の不足は全国的にも問題となっていますが、東京都の多摩地域においては、小児人口千人あたりの小児科医医師数が2人と、特に深刻です。
 こうしたなか、都立の2小児病院が移転統合するため、移転後に地域の小児医療を確保することが課題となっています。
 東京都は、移転地域と協力した小児医療の確保とともに、小児科医の育成などに取り組むことを明らかにしました。
 
 

 


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