都議会レポート 平成15(2003)年12月

平成15年第四回定例会号


安心できる都政の実現へ
 さらなる飛躍に向け決意を新たに

 平成15年第四回都議会定例会が、12月17日に終了しました。平成15年は、4月に都知事選があり、これに前後して外形標準課税(銀行税)の高裁敗訴・上告・和解、知事選後の都立新銀行構想の発表、10月からのディーゼル車規制の実施など、都政に関するさまざまな政策が提案され、実行されました。
 この一年間の私たちの取り組みを報告するとともに、皆さまからのご指導ご鞭撻をいただきながら、平成16年も、引き続き、安心できる都政の実現をめざして、取り組んでいく決意です。

 

つじつま合わせの三位一体改革

 自治体への分権を進めると標榜した小泉内閣の三位一体改革。初年度の結果は、官僚・族議員・官邸三位一体で、既得権を守り、負担を自治体に押しつける結果となりました。
 私たちは、分権の基本理念に欠けると批判、石原知事も「国の関与を残したまま、国庫補助負担金の削減のみを先行させ、しかも基幹税目の移譲を先送りしようとするものであり、改革の本来の目的とかけ離れている」と厳しく批判しました。

財政再建は中長期的視野で

 財政再建のための第二次プランが発表されましたが、平成16年度予算を編成するためには、各局要求から5,329億円も削減しなければならないのが現実です。
 東京都の借金を返済するための積立金も5,304億円不足しています。
 厳しい内部努力や施策見直しが求められていますが、現状のままでは、臨時的な財源措置が不可避です。
 真に財政再建を成し遂げるためには、中長期的視野に立って、東京都の財政構造そのものを見直さなければなりません。

新銀行は純民間銀行

 東京都が1,000億円出資して創るという新銀行。民業圧迫や税金の再投入が懸念されていますが、石原知事は、「新銀行は株式会社」「信金などと連携して、ともに発展をめざす」「民業圧迫とならないよう十分配慮」「税を再び投入することは考えていない」としています。
 金融庁の検査マニュアルという制約がありますが、東京都は「現行のマニュアルを前提として、融資する」としつつも、「不十分な点」についての改定を金融庁に働きかけるとしています。

銀行税、税率引き下げて和解

 10月8日、銀行側と裁判で争っていた銀行税条例について、東京都は、税率を引き下げて和解をしました。
 私たちは、先の上告において、財政負担リスク回避のためにも、課税の凍結、税率引き下げ等も選択肢の一つと考え、その旨を繰り返し問題提起してきており、今回の知事の決断は、現実的な対応であると考え、賛成しました。
 しかし、議会の議決によって定めた条例に係る和解交渉が議会に諮ることなく進められたこと、また、今回の税還付(2,344億円)のために財政調整基金(1,695億円)を取り崩したため、今後極めて厳しい財政運営を強いられることなど、今後に課題も残しました。

「いいなぁ 安心」といえる東京を

 外国人犯罪、少年犯罪の凶悪化が指摘される中、私たちは再三、警視庁のみならず関係機関連携のもとでの治安対策の強化を求めてきました。
 東京都は、竹花副知事を本部長とする緊急治安対策本部を設置し、外国人犯罪対策の強化、子どもが関係する犯罪の抑止、安全・安心のまちづくりに向けて次々と対策を打ち出しています。
 「いいなぁ 安心」と心から感じられる安全な社会を取り戻すために、これからも全力を挙げていきます。

 

都独自のしごとセンター16年度開設へ

 石原知事が選挙公約で掲げていた「しごとセンター」の開設に向けて、私たちは、労働相談や職業能力開発との連携など、さらなる内容の充実を求めてきました。
 「しごとセンター」は、都、民間、国の雇用・就業に関する情報を集約して、すべての求人者にワンストップでサービスを提供するもので、16年の夏頃、飯田橋に開設される予定です。
 また、中小企業対策の柱である制度融資について、私たちは、需要が高い運転資金への融資の充実や無担保無保証人融資の限度額引き上げなどを主張しています。

ディーゼル車規制で効果!

 10月1日、ディーゼル車規制がスタートしました。
 この規制の実施によって、自動車から排出される粒子状物質(PM)の量は、ペットボトル12万本分から5万本分への半分以下に減ったと推計されています。
 私たちは、引き続き、事業者に対する補助や融資の充実を図るとともに、大規模事業者に対する低公害車の導入義務の徹底、あるいはロードプライシングの検討などTDM(交通需要管理)の推進を図ることで、自動車公害対策の充実に取り組んでいきます。

 

ダム建設に「待った!」

  12月議会では、八ツ場(やんば)ダムの事業費倍増が提案されました。
 私たちは、ダム建設の大前提となる国のフルプランが明らかでないこと、地下水や再生水の利用拡大について検討が不十分なこと、千葉や埼玉など関係する県は提案を見送っていることなどから、継続して審査すべきと主張しましたが、自民・公明によって可決してしまいました。
 また、ダムの見直しでは、私たちの戸倉ダム撤退要求に、石原知事は、撤退を明言しています。

 

環境は民主党の専売特許

 国は二酸化炭素(CO2)6%の削減目標を掲げていますが、東京都は森林吸収分を加えないなど、これより厳しい目標を掲げて取り組んでいます。
 私たちは、事業者負担にも配慮しつつ、CO2削減義務化の検討などを求め、都も、実効性のある温暖化対策を検討しています。
 また、ヒートアイランド対策では、16年中には、地域の実情に応じて対策を講じる「東京モデル」の実施や建築物への緑化拡大などを実現します。

戦略的・科学的な対策で安全な食卓を取り戻せ

 BSEや偽装表示などの問題が続発し、毎日の食卓にもいつ危険が降りかかるかわからない状態が続いています。私たちは、この状況の打破に向けて、従来は事故の後始末が中心だった食の安全対策を、未然防止策への転換に取り組んできました。
 東京では他の道府県で生産・加工された食品を消費する自治体としての安全確保策が必要です。生産履歴の提供システム構築や東京都独自に科学的な情報を収集して調査をし、改善を求める勧告を行う食品安全委員会を設置するなど、この一年食品事故の未然防止策は大きく前進しました。

 

サービス推進?費 補助金は誰のために?

 保育園や老人ホームなどの社会福祉法人等は、国からの補助金の他に、東京都独自に施設職員への人件費を加算するなどのサービス推進費という補助を受けています。
 この制度は、年功序列で補助金が算定されるもので、サービスの良し悪しにかかわらず一律に支給されていました。
 今年度は、この制度が改善され、私たちが主張した病後児保育やアレルギー児対応、延長保育などのサービス充実への努力を促し、それが報われる制度になりました。
 今後も、コスト投入に見合う効果が、都民に実感できる福祉を目指します。

 

信頼される学校づくりに向けて着実な取り組み

 都立高校改革の新たなステージとして、地域とのパートナーシップの構築を掲げた改革が本格的に始動しました。
 総合高校や単位制高校などの特色ある学校づくり、また、運営面では私たちが長年求めてきた「学校別バランスシート」の作成も実現しました。さらに年間授業計画の公表や生徒による授業評価の実施など、都民に開かれた学校、常に改善し続ける学校にするための体制づくりが進んでいます。

 
 
 

 


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