平成16年 建設・住宅委員会


 

2004年3月18日

馬場裕子


      一 河川流水占用料等徴収条例について
      二 高潮防御施設整備事業について

一 河川流水占用料等徴収条例について

◯馬場委員 本日は、二点についてご質問をさせていただきます。
 まず、付託議案第百三十一号、東京都河川流水占用料等徴収条例の一部を改正する条例案についてお尋ねをいたします。
 この条例は、平成十二年の三月三十一日、制定をされ、四月一日から施行をされ、十四年の四月に改正が一度されております。今回、またこの河川の占用料を改定するというご提案でございますが、まずその理由はどういうことであるのか。また、この改定によってどのくらいの増収を見込まれているのか、お尋ねいたします。



◯鈴木河川部長 河川占用料につきましては、受益者負担の適正化の観点から原価積算額をもとに定めておりますが、その額と現行の条例額との間に差があるため改定するものでございます。また、今回の改定による増収の見込みは約二億六千万円でございます。



◯馬場委員 二年たっての今回の改正なんですが、この料金改定というのは、この河川占用料だけでなく、経済状況が厳しい中、今回何点か出されておりますが、同じようにこの占用者に負担になるということが心配です。受益者負担、つまり利用者が、地上等普通のところであっても受益者負担というのは原則ですから、今回のこの改正も、さっき述べられた理由等を含めて、その価格についてきちんと定められている上での提案だというふうに受けとめますが、この額が、一種一級で船とかいかだ等の係留、桟橋等の設置者については五〇%増し、一・五倍ですね。そういう形で出されているというふうに思います。こういう時代に一・五倍になるというのは、やはりかなり大きな値上げかなというふうに思われます。こういう方等に対して、今回の一・五倍の値上げ等というのは、どんな配慮を含めて今回の値上げを考えられたんでしょうか、お尋ねします。



◯鈴木河川部長 今回の改定に当たりましては、主として個人、小規模事業者が使用する通路、それから船などの係留、あるいは桟橋、もしくは生活用出入り口などのための橋梁、給排水施設といった生活関連の占用につきましては、従来から一定の減額措置を講ずることにより、都民生活の影響に可能な限り配慮してきております。



◯馬場委員 ありがとうございます。双方、先ほどからもいろいろ質疑がありましたが、やはり都民の払う立場、それから利用料としていただく方の立場、それぞれが理解され、お互いに納得の上でということでなければならないというふうに思います。
 また、大口でしょうか、第四種、ゴルフ場、自動車練習場、こうしたところは値下げ、減額になっているというふうに改正案には書かれていますし、運動場とか競技場というふうになっている五種は、やはり一種と同じように五〇%、一・五倍の値上げということになっております。先ほど、個別に小規模やそれぞれの状況に合わせて減額措置をとっていただけるということですので細かくは詰めませんが、それぞれの利用者に納得いただけるということを希望しております。
 今回の増収が二億五千八百万でしょうか、全体のこの占用料も含めて、利用者に説明をしないといけない場合も出ると思いますので、この辺がどんなふうに使われているのかご説明ください。



◯鈴木河川部長 徴収いたしました河川占用料につきましては、河川の維持や管理の特定財源となっておりまして、河川の安全性の向上や河川環境の改善などに充当されておりまして、都民サービスの向上に役立てております。



◯馬場委員 最後に要望させていただきますが、一定の計算根拠があって、それに対して何%というふうに掛けて、この利用料を決めていらっしゃるという先ほどのご説明でした。税金等と同じようにこの料金算定、改定をお知らせし、新しい料金をいただくときにはこのような根拠、利用料の計算の根拠になるということも、もうなさっていらっしゃるんだとは思いますが、その辺が納得いただけるような、近傍固定資産税がどのくらいなのでこの利用料はこういうふうに計算されましたというようなことを、料金算定の根拠を示しながら、今ご答弁いただきましたように、これがどういうふうに使われているかということもあわせてぜひご説明をいただきたい。そして使う方、一般の都民も、両者ここを貸すということも含めて了解の上で、この河川占用料等徴収条例がきちんと施行されるということを望んでおりますので、この辺、できるだけきめの細かな対応を要望して、この質問を終わります。

二 高潮防御施設整備事業について

 次に、予算の方なんですが、高潮防御施設整備事業について何点か伺わせていただきます。
 この高潮防御施設を防潮堤、防潮堤というふうに私どもはいっておりますが、高潮の被害からこの東京の低地を、低いところを守るために護岸の整備を進めていらっしゃるということですが、まずその取り組み状況についてお伺いをいたします。



◯鈴木河川部長 都では、江東区、江戸川区、それから品川区などの地盤の低い地域におきまして、高潮や津波等の水害から都民の生命と財産を守るため、お話の高潮対策事業を進めておりまして、具体的には防潮堤や護岸の整備を進めておるところでございます。防潮堤の整備につきましては、計画延長百八キロのうち、今年度末までに百二キロが完成し、整備率は九四%となっております。
   〔「残堀川とどっちをやるべきか」と呼ぶ者あり〕



◯馬場委員 やじではないので、お答えしていいのかどうかわからないんですが、質問の中に含めて一緒に聞かせていただければありがたいと思います。
 それで、かなり進捗率は高い。整備率九四%ということで、あと残る区間は六%ということになったんですが、特にというか、この残った六%のところ、今後の整備の見通しについてお伺いしたいというふうに思います。
 今あったように、私も最初に聞いたときは、東京湾がもうこんなに埋め立てられているのに、高潮とか、そういう津波とかというのが起こるんだろうかという、そんなような疑問があったんですが、いろいろお話をさせていただいているうちに、直接の津波というよりは、地震等によって水位が上がるということで、河口付近を高くしなければ全体に水が入ってしまうという(「特に湾の奥に行くんですね」と呼ぶ者あり)そうですね。それで、そういうことで、その残りの六%でしょうか、今後の整備の見通しについてお伺いします。



◯鈴木河川部長 私ども、事業等の進め方としまして、やはり先ほど土地の低いところからということでお話し申し上げまして、そういう意味では隅田川や中川、それから旧江戸川など、特に地盤の低い地域を流れている河川につきましては概成しております。委員のお話にもございました残るものでございますが、日本橋川や目黒川などございますが、やはり橋梁のかけかえ等が必要になってきます。これらの管理者とも協議しながら、今後とも着実に事業の進捗に努めてまいります。



◯馬場委員 これは昭和三十四年九月の伊勢湾台風、その前に三十二年のときに高潮対策、直接都が被害があったことでこの法律ができたというふうには伺っていますが、昭和三十四年九月の伊勢湾台風が基本的な国の基準になっているということで、この整備がずっと続けられてきているわけですが、四十五年もたち、東京のいろんな地形もありというふうに私も思ってはいたんですが、どうしてもその水位が上がるということについて、四十五年間、おかげさまで、まだ整備されていない部分もそういう意味での浸水というのはなかったんですが、まだできていない部分に実は自分の地域、ご当地の話をしてはというふうにも思ったんですが、その立会川という私のすぐ住まいのそばに流れて──流れていないんですが、立会川という川がございます。
 なぜ流れていないかはまた後でご説明させていただきたいと思いますが、ここが──後でといいましたが、この立会川というのが、いわゆる東京の河川の中で独立水系というふうにいわれております川で、独立水系という、独立して上流から水が流れてこないのに水系という名前もおかしいし、大体川だなというのがおかしい。川という名前なのに、上流から水が流れてこないというのは、常々、かねがねおかしいというふうに私は思っているんですが、今のこういう体系の中では一応独立水系というふうになっています。
 ここの役目等は今後も検討していかなければいけないと思っていますが、この独立水系というところのご説明にも、要するに河川の上流部は、下水道計画と調整をし、覆蓋、ふたをかけたり、また下水道幹線として整備をされている。集中豪雨のときに水が流れてきて、それを海へ排水をしなければならない今の東京の状況の中で、この残っている一つの立会川の部分について、かねがねこれは東京都さんでも、地元品川区でも大変苦慮しているわけですが、そういう状況の中で──状況はよくわかっているんですが、だからこそ、この高潮防潮堤の整備、それから下水道幹線になってしまっている、独立水系である立会川等を含めて、この残り六%になっている立会川は、では高潮防潮堤という部分ではどういう事業が予定をされているのか、お伺いをしたいと思います。



◯鈴木河川部長 立会川の整備につきましては、建設局、下水道局及び品川区で構成いたします立会川整備計画検討会において検討をし、高潮対策、洪水対策及び水質改善につきまして、それぞれの役割を取り決めたところでございます。これに基づき建設局では、委員のお話では高潮防潮堤の整備というお話でございましたが、地域の方々や品川区の意見を聞きながら、水門施設の計画によりまして高潮を防御したいと、そういうふうなことで基本的な検討を進めておるところでございます。今後も各行政機関の緊密な連携を図り、立会川の整備に取り組んでまいります。



◯馬場委員 わかりました。水門施設というふうに伺ったんですが、地域のことですので、後でまた細かく今後のご予定等を伺わせていただきたいと思っていますが、私はこの場でお伺いしたいのは、その立会川も含めて未整備の部分はそれなりの状況があるだろうと。それでも今までの計画どおり、もう四十五年たっている国の方針どおりやらなければならないところなのか、それとも、いろいろその後の状況で計画をいつか適切な方法というのをとらなければならないのかという、そういう状況にあるというふうに思います。
 そういう中でそれぞれできれば、本当にいつ起こるかわからないという状況もありますので、ぜひ多面的な方向で、立会川だけでなく残りの部分も整備をお願いしたいという趣旨でございます。これからそれぞれが国の河川法の改正で基本方針や整備計画というのを立てていくというふうにも聞いております。その辺の今後の整備について、最後にもう一点確認をさせていただいて、終わりにしたいと思います。



◯鈴木河川部長 委員のお話にございましたとおり、立会川につきましても、今後、河川法に基づく河川整備計画を策定する予定でございます。この計画の策定に当たりましては、私ども、高潮対策に加えて、地域の方々の意見を伺いながら、地元品川区とも連携しながら、遊歩道の整備や護岸の緑化など親水性に配慮してまいりたいと、こんなふうなことを考えております。
 


 

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