都議会民主党くらし部会
府中・東大和療育センターを視察

2004年8月26日(木)


 8月26日、都議会民主党くらし部会として、府中療育センターと東大和療育センターを視察しました。
 

   
 
 府中療育センターは、児童福祉法に基づく重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複している重症心身障害児・者のための「児童福祉施設」(重症心身障害児施設)であるとともに、医療法に基づく「病院」としての機能を併せ持つ東京都立の施設です。入所部門250人(ショートステイの14人を含む)、通所部門20人です。
 療育センターでは、重症心身障害児に、医療・介護・機能訓練・生活指導・教育などの総合的なケアを行い、成長・発達を支援します。
 早期建て替えのご要望は頂いていましたが、実際現地に行ってみると、昭和43年の建築という建物は、老朽化もさることながら、設計の前提となる福祉・医療・利用者のプライバシーへの配慮などの面で不十分さは否めないものでした。入所者や利用者の高齢化が進んでいますが、障害者が子どもであることを前提としている施設であるため、大人サイズの車いすやベッドではスペースが手狭となっていました。
 
   
 
 また、地上5階地下1階という病棟には、介助なしでは移動することができない方も入所していますが、エレベーターは3基、そのうち車いすごと昇降できるものは1基、あとは障害のない大人でも利用が難しそうな避難用滑り台が1つ取り付けられているだけです。
 現在の医療・福祉の水準にあった施設整備とともに、緊急時の安全確保にも配慮したものとして、立て替えを行うことは緊急性の高い課題であるとの認識を持ちました。

 次に訪れた東大和療育センターも、府中療育センターと同様の重症心身障害児施設です。入所128人(ショートステイの28人を含む)、通所30人、他に外来診療や在宅支援などを行っています。
 こちらは平成4年開設とあって、低層の建物となっており、病棟は一階にあるので、緊急時の避難について物理的な制約はクリアされています。通路や個室などは、成人サイズのベッドや車いす、医療機器の設置などには少々狭い感じもありますが、アメニティについては配慮されているとの印象を受けました。また、歯科をはじめとした外来診療の充実、遠方からくる家族の宿泊施設など多様な機能を備えています。
この施設は、東京都が設置した施設の運営を民間の社会福祉法人に委託しています。

 近年の重症心身障害児(者)の年長化に伴いご家族の高齢化も進んでいます。また、現在は在宅で療育を続けている方でも、入所が必要だが待機中の方、将来的に入所が必要となるであろう方などがおり、ニーズをしっかりと把握した計画的な施設整備が必要です。また、在宅を希望される方や入所が必要でない方などには安心して在宅療育ができるよう在宅支援を確保していかなければなりません。濃厚な医療ケアとQOLの問題も今後当事者のご意見を聞きながら考えていかなければならない課題です。
 

 
府中療育センターホームページ

東大和療育センターホームページ


 

 


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