西太平洋海軍シンポジウム(WPNS)

WPNSは、西太平洋地域諸国の海軍参謀総長などが集まり、海軍間の相互理解を深めるために、昭和63年から隔年で開催されている。
海上自衛隊は、平成2年にタイで開かれた、第2回WPNSに初参加して以来、毎回、この会議に参加している。
この会議の趣旨を踏まえて、救難訓練へのオブザーバー参加なども積極的に行われている。
今日、創設以来14年間を経て、WPNSは、互いを知り、相互の信頼を確立する場から、実動訓練を計画、実施する段階にまで発展した。


WPNS: Western Pacific Naval Symposium

メンバー国:
オーストラリア、インドネシア、日本、トンガ、マレーシア、ブルネイ、ニュージーランド、パプア・ニューギニア、中国、フィリピン、韓国、シンガポール、タイ、アメリカ合衆国、カンボディア、ロシア、ベトナム

オブザーバー国:
カナダ、チリ、フランス、インド

第1回西太平洋海軍シンポジウム 1988
第2回西太平洋海軍シンポジウム 1990 タイ
第3回西太平洋海軍シンポジウム 1992
第4回西太平洋海軍シンポジウム 1994
第5回西太平洋海軍シンポジウム 1996.11 東京
第6回西太平洋海軍シンポジウム 1998.10.14-15 大韓民国 ソウル
第7回西太平洋海軍シンポジウム 2000
第8回西太平洋海軍シンポジウム 2002.10 東京にて開催予定


第5回西太平洋海軍シンポジウム 1996.11 東京
平成8年11月には、海上自衛隊が初めて主催して、第5回WPNSを東京で開催した。
この会議では、招待された18か国すべてが参加したこともさることながら、今までにない各国海軍の卜ップクラスの参加が得られている。
わが国からも海上幕僚長が参加したほか、各国海軍参謀総長クラスが8か国(豪、加、ニュージーランド、インドネシア、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、トンガ)、次席クラスが5か国(韓、タイ、ヴィエトナム、パプアニューギニア、カンボディア)、その他1か国(フィリピン)に加えて、米国太平洋艦隊司令官やロシア太平洋艦隊司令官、仏ポリネシア海軍区司令官、中国(第2回以降不参加であった)の在京武官などの参加が得られた。
過去、議論が続けられてきた、海上における信頼醸成措置に関して議論の総括が行われ、艦艇訪問の促進や、高級幹部・幕僚レベルの交流の促進など、これまでにない幾多の提案がなされ、域内各国の海軍首脳クラスによって「第5回WPNSにおける海軍専門家による海上信頼醸成措置に関する評価と提案」がとりまとめられ、以下の合意された特定の行動を含む多くの提案がなされている。
・WPNSに対する継続的な支援
・艦艇訪問の促進
・高級幹部/幕僚レベルの交流の促進
・海軍士官学校、海軍大学校及び訓練センター問の交流の促進
・適当な海軍基地その他の施設の研修旅行の申し出
・主要海軍活動の通知
・艦隊行動計画、特に訪問予定の寄港地に関する適切な情報の提供
・将来的な演習視察者の招待、受け入れ
・防衛政策及び海軍政策を記述した文書の提供
・海軍兵力の調達及び退役に関する情報の提供
また、会議の期間中には、参加者による橋本総理表敬が行われたほか、会議後には、海上自衛隊横須賀地区の部隊研修を実施して、自衛艦隊司令部の訪問や最新鋭護衛艦及び潜水艦の研修を行い、わが国の防衛力の実態を紹介するとともに、透明性向上への努力をアピールしている。
この西太平洋地域は広大な海洋地域であり、地域の経済的繁栄は諸国間の海運貿易に大きく依存していることから、域内各国の海軍が地域の海上の安全保障と安定化を促進するために果たし得る役割には、非常に大きなものがある。
今回の評価や提案は、必ずしも拘束力を持つものではないが、各国が国情に応じて努力することによって、この地域の海洋における協力と信頼醸成措置の強化に寄与するものと期待されている。

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新規作成日:2002年6月17日/最終更新日:2002年6月17日