観艦式の歴史

起源
観艦式の起源は、1341年、英仏戦争で英国王エドワード3世が自ら艦隊を率いて出撃する際に、その威容を観閲したことに始まるといわれています。

旧海軍
我が国では、明治元年3月、明治天皇を迎えて大阪・天保山沖で実施された「観兵式」が観艦式の始まりであり、当時の兵力は6隻、2452トンに過ぎませんでした。
「観艦式」という言葉が最初に使われたのは、第4回目に当たる明治33年神戸沖で行われた大演習観艦式です。
旧海軍最後の第19回観艦式は、昭和15年横浜沖において実施された紀元2600年記念特別観艦式であり、艦艇98隻、596000トン、航空機527機が参加した壮大なものでした。

大日本帝国海軍の観艦式
  公式 年.月.日 観艦式名称 場所 観閲官 御召艦 参加隻数(トン数) 参加航空機 備考
1 1 明治元.3.26 海軍天覧(軍艦叡覧) 天保山沖 天皇陛下 (陸上) 6隻(2,452)   他にフランスから1隻
2   明治2.6.16 凱旋整列式 品川沖 有栖川宮兵部卿(海軍大臣相当)   6隻(4,282)    
3   明治4.11.2   品川沖 天皇陛下 龍驤 10隻()    
4 2 明治23.4.18 海軍観兵式 神戸沖 天皇陛下 高千穂 19隻(322,854)    
5 3 明治33.4.30 大演習観艦式 神戸沖 天皇陛下 浅間 19隻(129,601)    
6 4 明治36.4.10 大演習観艦式 神戸沖 天皇陛下 浅間 69隻(217,176)    
7 5 明治38.10.23 凱旋観艦式 横浜沖 天皇陛下 浅間 165隻(324,159)    
8 6 明治41.11.18 大演習観艦式 神戸沖 天皇陛下 浅間 123隻(404,460)    
9 7 大正元.11.12 大演習観艦式 横浜沖 天皇陛下 筑摩 115隻(460,825) 2  
10 8 大正2.11.10 恒例観艦式 横須賀沖 天皇陛下 香取 57隻(353,956) 4 移動観艦式
11 9 大正4.12.4 御大礼特別観艦式 横浜沖 天皇陛下 筑波 124隻(598,848) 9  
12 10 大正5.10.25 恒例観艦式 横浜沖 天皇陛下 筑波 84隻(472,254) 4  
13 11 大正8.7.9 御親閲式 横須賀沖 天皇陛下 出雲 26隻(86,013)    
14 12 大正8.10.28 大演習観艦式 横浜沖 天皇陛下 摂津 111隻(624,180) 12  
15 13 昭和2.10.30 大演習観艦式 横浜沖 天皇陛下 陸奥 158隻(664,292) 83  
16 14 昭和3.12.4 御大礼特別観艦式 横浜沖 天皇陛下 榛名 186隻(776,891) 132  
17 15 昭和5.10.26 特別大演習観艦式 神戸沖 天皇陛下 霧島 165隻(703,295) 72  
18 16 昭和8.8.25 大演習観艦式 横浜沖 天皇陛下 比叡 161隻(847,766) 200  
19 17 昭和11.10.29 大演習観艦式 阪神沖 天皇陛下 比叡 100隻(570,133) 約100  
20 18 昭和15.10.11 紀元2600年記念特別観艦式 横浜沖 天皇陛下 比叡 98隻(?) 527  

海上自衛隊
海上自衛隊になってからは、昭和31年に自衛隊記念日が制定され、翌32年から自衛隊記念日行事の一環として観艦式を実施することが定められました。
オイルショックを機に一時中断、昭和56年に再開後は節目の年に行うようになりました。
平成9年から自衛隊記念中央観閲行事を、陸海空3自衛隊が持ち回りで行うことになり、前回(平成9年度)が、海上自衛隊の第1回目となりました。

海上自衛隊の過去の観艦式
回次 年.月.日 場所 艦艇隻数(トン数) 航空機 観閲官
 1 昭和 32.10.2(水) 東京湾 32隻(約38,500) 49機 内閣総理大臣 岸 信介
 2 昭和 35.11.2(水) 東京湾 43隻(約42,500) 47機 防衛庁長官 江崎 真澄
 3 昭和 36.11.2(水) 東京湾 32隻(約39,000) 29機 防衛庁長官 藤枝 泉介
 4 昭和 37.11.3(土) 大阪湾 48隻(約46,000) 31機 防衛政務次官 生田 宏一
 5 昭和 39.11.2(月) 東京湾 52隻(約52,000) 36機 防衛庁長官 小泉 純也
 6 昭和 40.11.3(水) 大阪湾 49隻(約49,000) 51機 防衛庁長官 松野 頼三
 7 昭和 41.11.3(木) 博多湾 37隻(約43,700) 56機 防衛庁長官 上林山栄吉
 8 昭和 42.11.5(日) 伊勢湾 43隻(約50,000) 75機 防衛庁長官 増田甲子七
 9 昭和 43.11.3(日) 東京湾 44隻(約54,000) 47機 内閣総理大臣 佐藤 栄作 
10 昭和 44.11.3(月) 大阪湾 50隻(約53,000) 51機 防衛庁長官 有田 喜一
11 昭和 45.11.3(火) 相模湾 45隻(約55,900) 48機 防衛庁長官 中曽根康弘
12 昭和 46.11.3(木) 佐世保沖 50隻(約55,000) 65機 防衛庁長官 西村 直巳
13 昭和 47.11.5(日) 相模湾 51隻(約75,000) 61機 防衛庁長官 増原 恵吉
14 昭和 48.9.16(日) 若狭湾 39隻(約55,000) 48機 防衛庁長官 山中 貞則
15 昭和 56.11.3(火) 相模湾 45隻(約93,600) 55機 内閣総理大臣 鈴木 善幸
16 昭和 59.11.4(日)
(自衛隊創立30周年記念)
相模湾 53隻(約118,300) 51機 防衛庁長官 加藤 紘一
17 昭和 62.11.3(火)
(海上自衛隊創立35周年記念)
相模湾 54隻(約127,300) 49機 内閣総理大臣 中曽根康弘
18 平成 1.11.5(日)
(自衛隊創立35周年記念)
相模湾 55隻(約143,100) 51機 内閣総理大臣 海部 俊樹
19 平成 4.10.11(日)
(海上自衛隊創立40周年記念)
相模湾 52隻(約149,500) 54機 内閣総理大臣 宮沢 喜一
20 平成 6.10.16(日)
(防衛庁・自衛隊創設40周年記念)
相模湾 45隻(約130,300) 52機 内閣総理大臣 村山 富市
21 平成 9.10.26(日) 相模湾 46隻(約159,100) 48機 内閣総理大臣 橋本龍太郎 
22 平成 12.10.29(日) 相模湾 63隻(約201,700) 61機 内閣総理大臣 森 喜郎 
23 平成 14.10.13(日)
(海上自衛隊創設50周年記念 国際観艦式)
東京湾羽田沖 65隻(約) 5機 内閣総理大臣 小泉 純一郎 
24 平成 15.10.26(日) 相模湾 52隻(約) 53機 内閣総理大臣 小泉 純一郎 
25 平成 18.10.29(日) 相模湾 48隻(約) 50機 内閣総理大臣 安倍 晋三 
26 平成 21.10.25(日) 相模湾 40隻(約) 31機 内閣総理大臣 鳩山 由紀夫 代理 副総理 菅 直人
27 平成 24.10.14(日) 相模湾 48隻(約) 45機 内閣総理大臣 野田佳彦
28 平成 27.10.18(日) 相模湾 42隻(約) 37機 内閣総理大臣 安倍晋三
上記の、海上自衛隊創立は、海上保安庁・海上警備隊発足より起算。自衛隊創立は、防衛庁・自衛隊創設より起算。

参考
観艦式の歴史
自衛隊観閲式の歴史
海上自衛隊 平成18年度観艦式




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新規作成日:2000年9月21日/最終更新日:2019年10月13日