パソコン初心者への雑談
かく言う私も、まだまだ初心者ですが、いろいろまとめてみました。
- ノートパソコン
(長所)
コンパクトで場所を取らず、持ち運びも簡単。
(短所)
拡張性に乏しく、ディスクの拡張すら、外付けになってしまう。
通信モデム、SCSI、その他、やたら拡張インターフェースカードが必要となる。また、これらのカードは、他のノートパソコンとの互換性に制限が多い(=使いまわし(*1)が出来ない)。
デスクトップ型と比べて、価格が5割前後高く、また、同一時点での性能水準が7割程度なので、価格性能比では、ほぼ倍(ないし半分)。これは小さなケースにコンパクトに収める労力の代償だけなので、小さくコンパクトと言う点に価値を見出さない人には、無意味。
- メーカー製のデスクトップ(含む タワー型)パソコン
(長所)
拡張性があるが、外付けになってしまう場合も多い。
通信モデム、SCSI、などのボードは、他のパソコンへの使いまわし(*1)が可能。
いろいろなソフトがついている。
(短所)
場所を取り、持ち運びは基本的に不可。
いろいろなソフトは、結局、ディスクの場所を食っているだけの場合が多い。
- 自作パソコン
(長所)
拡張性に富む。
自作なので、搭載機器の選択は自由自在。
時代に合わせてグレードアップが簡単。
ほとんどの機器が、他のパソコンへの使いまわし(*1)が可能。
必要なソフトだけを、必要に応じて入れればよく、ディスクの無駄が無い。
(短所)
場所を取り、持ち運びは基本的に不可。
或る程度の知識が無いと、組み立てすら出来ない。
ソフトはすべて別買いとなる。
- メーカー製 VS 自作パソコン
(メーカー製の長所)
すぐに使え、安心感も有る。
いろいろなソフトがついているが、面白いのははじめだけで、結局、ディスクの場所を食っているだけの場合が多い。
初期価格としては割安かも
(自作パソコンの長所)
システムの保全は自分の責任になる。
マシントラブルの場合、知識さえあれば、修復が簡単。
必要なソフトだけを、必要に応じていれればよく、ディスクと費用の無駄が無い。
新たに買う場合はともかく、既存のものを使いつづけるとしても、こういった特質を踏まえ、1年、2年程度の見通しにより、機能向上を図ることが、経済性かつ快適な性能維持につながる。
何に使用するかによって、必要な性能が決まる。
最先端の性能は、通常使用にはほとんど影響しない。音速での走行が可能な乗用車が開発されても現状ではステータス以外の価値が無いのと同じ。
基本的に、CPU-150Mhz,メモリ32MB,ディスク2GBも有れば、基本的な事はこなせてしまう。この上は、データの保存が多いとか、画像処理が多いとか、3Dゲームをするとかによって、か要求性能が異なってくる。
機器の性能向上と、価格の下落は、想像を絶するものが有り「将来の為に高性能なシステムを揃える」事は、初度予算に制約される分野を除いて、もはや愚の骨頂。
すなわち、今、最高の機器を揃える予算の半分で、やや見劣りするかの物を揃える。そして1年後、1世代落ちたシステムを残りの予算で揃える。この時点で、当初の最高の機器は2世代落ちているから、どちらが高性能かは簡単に分かるハズ。
もちろん、パソコンの進化はまだまだ続くし、この時点で無理に丸まる買い換える義務が無い事も言うまでもない。自作機なら、パーツの交換も簡単だ。
新たに買う場合はともかく、既存のものを使いつづけるとしても、こういった特質を踏まえ、1年、2年程度の見通しにより、機能向上を図ることが、経済性かつ性能維持につながる。
まずは、とりあえず、有るものを使ってみる事をお勧めする。
そして、不都合な点を洗い出し、また、何をしたいかを見極めて、将来計画を立て、パソコン機能の向上を図ると良い。
パソコンを使い始めてから、新たな使い方も見えてくるものだ。
性能向上
CPUの性能向上
自作機なら、比較的簡単に交換できるが、メーカー製パソコンではなかなか制約も多い。アクセラレーターなんて物も売り出されている。が、どうも、こうまでして性能を向上させるくらいなら、マザーボード自体から交換する方が安上がりに思えてくる今日このごろ。
メモリの増設
手っ取り早く、性能向上させる手段だ。
8M,16M,32M,64M,128M なんてのが有るが、現状に増設するか、交換するか などの検討要素が有る。空きスロットが有るのか、容量的に設置可能かを確認する事が重要。
また、次に買うパソコンに使いまわす(*1)かによっても、買うべき物が変わる。
ハードディスク
昨今では、4GB,8GBが標準装備となっている。が、ちと前は、350MB,850MBなんてのも少なくない(数年前は大容量と言われていた)。
最近は価格も安いので、大容量のものが良いのだが、パソコン本体の性能によっては、4GBより大きいものが接続不可能だったりするので注意
ノートパソコンの内蔵型を別にして、使いまわし(*1)は簡単。
お手軽なのはIDE接続だが、内臓専用で、通常 CD-ROMを含めて4台(E-IDEでないと2台)までしか接続できない。しかし、価格がもっともお手軽。
SCSI接続は、SCSIボードの接続が必要で、これだけで\10000前後の投資が必要になるが、別のSCSI接続機器にも共用可能(最大7台)。
また、IDEより2割前後高いし、大容量は更に割高。
内臓にするか外付けにするか。
本体に設置容積が有れば内臓がお手軽。場所も食わないし、電源運用が簡単。
外付けは、電源装置の価格が入っているので内臓型より\5000前後高い。本体がノートだと、これしか選択の余地が無い。
同じ規格・容量でも価格に差が有るのは、回転速度などのアクセス性能に差が有るという事。普段はあまり気にならないが、大量の処理をこなすときなどは、目に見えて差が付く。
パーティションのわけかただが、1つにしておくと、端数の無駄が無いが、使い分けが難しい。また、スキャンディスクをかけるときに、一まとめになっていると、気が遠くなるほどの時間がかかる。
Windows95 OSR2 以降はFAT32が使えるが、それ以前のOSは、FAT16なので、1つのパーティションを2GB迄に区切る必要が有る。
実際の運用としては、最低でも100MB以上の空き容量を維持しつつ利用しないと、快適には利用できない。
また、何でもかんでもインストールしたり、保存したりすると、いくら容量が有っても、足りるものではない。
滅多に使わないソフトは、フルインストールではなく、CD-ROM利用の形が効果的。
また、MOやCD-Rの活用も効果的。
更に、ハードディスクと言えども、壊れる事が有るので、バックアップは真剣に考えた方が良い。⇒SAVE(Backup)の運用のお話
システムのクラッシュは、兆候が見られる場合も有るが、概して突然訪れる。また、兆候も後で思い起こして分かる場合も有るので、いつ壊れても良い覚悟は必要だろう。そう頻繁に起こるわけではないが、大震災のように、忘れた頃−平和な快適な日々を送っている頃−突然やってきて、絶望的な打撃を与えてくれるから。
ディスクの圧縮
容量を増やす手段とされるが、私はお勧めしない。
ディスクアクセスに時間がかかるとともに、OSのいるところを圧縮してしまうと、もしものときにデータが全滅する場合が有る。
MOやCD-Rの活用
ディスク容量が不足すると、まずディスク増設を考える。が、これを2度3度は繰り返しがたい。
また、バックアップを考えると、本体から独立している方が良いに決まっている。
間違ってフォーマットでもしようものなら壊滅だし。
データが少量ならフロッピーディスクで間に合うが、21世紀の声を聞く今日、殆どありえない。
と言うところで、効果的なのがMO。
普及しているところで230MB、大容量として640MB、更には1GBなんてのも出現しているから、ちょっとしたハードディスクの代用には十分だ。
アクセスもハードディスクには劣るものの、実質影響無い。
また、用途毎にディスクを分ければ、必要な処理で必要なディスクをセットしていれば良いから、実質無限なハードディスク容量を確保している事になる。
同時に違うディスクを利用するには、MO装置が2台以上いるが、そんな機会は滅多に無かろう。
注意点としては、230MBと言っているものは約217MB, 640MBと言っているものは約605MB しか実質容量が無い。
また、出先にMO装置が有るのなら、そのままMOディスクの活用が出来る。(外付けであっても、ハードディスクは持ち運びはし難い)
さてCD-R
昨今のパソコンはCD-ROMは必ず付いているので、必要なデータをCD-Rへ入れれば、他のパソコンでのデータ利用が至って簡単。
Write Only と言うのが難点だが、何せ価格が安く、実質何ら障害ではない。
相手側にCD-R装置が無いと、データ交換の観点からは一方通行だが、それでも最大650MBものデータ容量は、データの持ち運びと言う点で勝るものはない。
私も、月1度、主要データをCD-Rへバックアップしているが、出先で思い付いたときに、すぐに使えるのは非常に便利。
書き換えが困難なので、常に最新を図るなら、毎日作成する必要が有るが、All or Nothing を言わずとも、一ヶ月程度のギャップなら十分活用できる。出先の目的が決まっていれば、その時点で作成すれば良いし、更新の激しいものや差分をMOやフロッピーへ入れても十分だ。
他の装置ほど、常時使うわけではないから、CD-R装置を持っている人に、データを預けて、CD-Rを作成してもらうのも良いだろう。自分専用のワークディスクを持ち歩くのもオシャレかも。
CD-Rは原則一度しか書けないが、正確には「同じ部分へは一度しか書けない」ので、やり方次第では、書き足しは可能だ。
また、ライティングソフトによっては、フロッピー並みの手軽さでCD-Rへの書き込みが出来るものも有るらしい。(「同じ部分へは一度しか書けない」事は変わらないので、同じデータを何度も書いていると、ディスク容量を食いつぶす場合も有りうる)
CD-ROM と CD-R (円盤のお話)
今やCD-ROMの使えないパソコンは珍しい。
このCD-ROM、ちと落とし穴も有る。CD-Rに比べて、メーカー製品と言う安心感が有るが、傷めれば使えなくなる事には変わりはない。
傷が入っても「平気で読めてる」なんてのは、正面衝突の事故車を、後ろから見て「何とも無いね」と言っているに等しい。
記録面の汚れや傷のトラブルは容易に想像がつくが、忘れてはならないのが、ラベル面。実際、この面の傷は、記録部分そのものをも破壊する場合が有る。
CDは、透明なプラスチックの円盤に、記録部分を乗せ、その上にラベルを印刷する事で保護している。すなわち、記録面は透明なプラスチックに保護されているが、反対側はインクが厚く乗っかっているに過ぎない。取り扱いは慎重に事たことはない。
私は常用するものは、原盤を使わずに、MOやCD-Rへ複写して使っている。
また、シールなどを貼りたがるが、40倍速などとも言うCD-ROMでは、僅かな重さの偏差が回転ムラを起こし、機器そのものを破壊する事も有るから注意。
CD-Rは実用的にはCD-ROMと大差ない。
ただ、やはり化学変化による記録方法をとっているので、注意も必要。
直射日光にさらさない事は当然として、蛍光燈も良くない。すなわち、使用するとき以外は光を避けてきちんとしまおう。また、高温多湿の場所に長時間置かない事も大切。
また、ハードのお掃除も重要。特に喫煙など埃っぽい環境では、すぐに読み取り障害を起こす。
また、メーカー偏差も大きい。粗悪品は、さっき書いたものがもう読めなかったりする。
どのメーカーのディスクが良いか。
一般的に国産が無難。特にTDKや太陽誘電が定評が有る。
台湾メーカーに粗悪品が多いとされるが、諸説有る。
要は自分の環境でいかに経済的効果的に使用できるかだ。
1回使い捨てなら、\100程度のものでも十分かもしれない。
が、データの復旧保証は無いにせよ、しっかりしたメーカーの方が、長期保存に対する信頼性はある。
書くだけではなく、どの機械で読むのかにより、相性の問題が有る。
大昔の等速倍速程度のCD-ROMでは、CD-Rが認識出来ない場合も多いので注意が必要。ここ数年の製品なら、問題はないようだ。
どこで買うか
秋葉原などがメジャーだが、新宿(渋谷、池袋)などの量販店も捨て難い。
表示価格、交渉による割引、ポイント制での割引 など、最終的な価格は単純ではない。
アフターサービスの善し悪しも要素だろう。
品数が多く、停滞在庫の少ない店は、安心して買えるバロメータでもある。
また、急がないなら、ちょくちょく顔を出していると、半端物処分市などが行われているので、これもチェック。
店頭品、傷物、停滞在庫、世代落ち などいろいろな要素が有り、実質的な価値の意義を見極めるとお得な場合も多い。
*ジャンク市とは異なるので注意
マシン環境の記録
パソコンを使い始めたら、システム管理に関わる記録を取る事をお勧めする。日誌ほどではないが、ソフトのインストール、設定、機器増設、交換、トラブル などの記録をつけて行く。
もし、ハードディスクのクラッシュ、パソコンの交換などが発生したときに、この記録をもとに、以前の環境を復元も可能だ。
ソフトのインストールなど、都度行っているから、一遍にやり直すとなると、とてもやり切れるものではない。
また、自分のパソコンの現況の一覧も有効だ。
どんな機器がついているか、どんなソフトが使えるか。メーカーへの問い合わせなどの場合、簡単に現状の説明が出来るし、仲間内でデータ交換が必要になった場合など、互換性の確認に有効だ。⇒当方のマシン環境
*1使いまわし
使用中のパソコンを廃棄した場合、残存する機器、部品を、別のパソコンで活用する事を指す。
参考:
SAVE(Backup)の運用のお話
記憶装置の考察
当方のマシン環境
新規作成日:1999年6月7日/最終更新日:1999年6月7日