画像の補正
写真は少しでも綺麗にありたい。
しかし、こと、船の写真はなかなか難しい。
これは、写真の被写体としてマイナーな分野であることにも起因している。
特に、ラボで大量処理される場合、極めて不本意な場合も多い。
フィルムスキャナーで処理すると、これほど綺麗に写っていたのかと感心することも多い。
これは、RBGで表される光の3原色のバランスが正しく再現されていない為でもあるのだ。
プリントの裏に、NNNN とか、N,1,-2,N というプリントを見たことがあるだろう。
ラボの処理時の、補正状態を記録したものだ。
NNNNは機械の補正はゼロで、それ以外は、明るさや、色調(RGB)で、補正が入っていることを示している。
本来の結果を見るためには、補正ゼロのNNNNのものを見たいわけだ。
逆に、プリント結果が鮮やかでも、NNNNでない場合は、補正の結果としてその状態があるわけだ。
色調がおかしかったりする場合は、この補正が正しい結果となっていないことが多いのだ。
カラーバランス例
ここに一つの実例をお見せしよう。
10月の天気のよい日に順光の条件で撮影したものに対して、RBG各色、1段+(プラス)、−(マイナス)のトーンカーブの補正をしてみた。
どの方向が好みかの問題もあるが、別の方向に補正されると、色が狂うということだ。
-Blue(+Yellow).
+Red(-Cyan).
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+Green(-Magenta).
Normal.
-Green(+Magenta).
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-Red(+Cyan).
+Blue(-Yellow).
暗すぎ、明るすぎの画像も、ある程度の補正が可能です。
銀鉛(フィルム)写真の場合は、黒く潰れているより、明るく飛んでいるほうが救いやすいですが、デジタルの場合、白飛びの補正には限界があります。その為、カメラの設定も、やや暗めに写るようになっています。
暗めの補正
0 |
+1 |
+2 |
+3 |
+4 |
+5 |
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白飛びの補正
0 |
-1 |
-2 |
-3 |
-4 |
-5 |
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機能例
以下はひとつの例であり、使用するソフトにより異なる。
ここでは、一般に使用される補正機能を紹介することとし、各種処理の利用例は艦船写真の写し方(画像処理)で紹介する。
- トーンカーブ
RGBと、赤、緑、青の各チャンネルごとにトーンカーブの調整ができる。
トーンカーブとは、0は0(黒点)、128は128(グレー点)、256は256(白点)で入出力する連続した変換線を修正して、入力値に対して係数を加えて出力するものである。
弦が接するほど強力に行うと、黒つぶれや白とびが強くなるので注意が必要。
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⇒
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元の画像と、ヒストグラム表示、トーンカーブ修正値。トーンカーブ処理後の画像と、ヒストグラム表示。
日没直後で完全逆光の黒く沈んだシルエット状態を見事回復。
- ヒストグラム
黒点(0)、グレー(128)、白点(256)の位置を変動することにより、コントラストをはっきりさせることができる。
黒点(0)、白点(256)の変更を強力に行うと、黒つぶれや白とびが強くなるので注意が必要。
グレー(128)のみを変動させる場合は、黒つぶれや白とびがあまり発生しないまま明るさの調整が行える。
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⇒
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元の画像と、ヒストグラム表示、ヒストグラム修正値。ヒストグラム処理後の画像と、ヒストグラム表示。
日没直後で完全逆光の黒く沈んだシルエット状態を見事回復。
この例では、グレー点を暗側にスライドすることにより、相対的に暗側を明るくすることを狙ったもので、結果的にトーンカーブが連動する。また、コントラストを補うため、暗側を引き締めてみた。
- アンシャープマスク、シャープネス、輪郭強調
画像全体の輪郭が強調でき、くっきりとした画像になる。
基本的には、アンシャープマスク、シャープネス、輪郭強調とも、輪郭部分のメリハリをつけるものだが、ソフトの仕様によってはしきい値などにより、細かい判定基準を設定できる。
輪郭強調
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この例は、Nikon Capture 4 で処理したもので、デジカメ(D100)の各設定値より細かい、やや弱、やや強のバリエーションも扱える。
元の画像と、輪郭強調後のアップ各、しない、弱、やや弱、ノーマル、やや強、強。
デジタルデータの場合は、輪郭強調、あるいはアンシャープマスクなどにより、境界部を補正すると、ぐっと引き締まった画像となる。
ただ、強くかけすぎると、ノイズが発生し、画像が荒れてくるので注意が必要。
- 画像全体の明るさ、コントラスト、カラーバランス
画像全体の明るさ、コントラスト、カラーバランス(赤、緑、青)は、大体のソフトで調整できる。
以下、各モードを、− 〜 0 〜 +、としたものである。
上段に各画像、下段に各画像のヒストグラムを示している。
明るさ
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ヒストグラムが、暗〜明にシフトしているのがわかる。
コントラスト
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ヒストグラムが、集約(明暗差小)〜拡散(明暗差大)にシフトしているのがわかる。
明暗差が小さい=眠い写真となってゆく。また、極度に明暗差を大きくすると、けばけばした感じとなってしまう。
赤
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ヒストグラムは、RGBを示しているが、当然単独のチャネルのみの明るさを調整している。
R、G、B各チャネルの値を同時に同じ値に変更するということは、明るさで調整するのと同じである。
緑
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ヒストグラムは、RGBを示しているが、当然単独のチャネルのみの明るさを調整している。
R、G、B各チャネルの値を同時に同じ値に変更するということは、明るさで調整するのと同じである。
青
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ヒストグラムは、RGBを示しているが、当然単独のチャネルのみの明るさを調整している。
R、G、B各チャネルの値を同時に同じ値に変更するということは、明るさで調整するのと同じである。
⇒フィルムスキャナー
⇒Nikon Capture 4
⇒ネガフィルムの性質とスキャンの仕組み
⇒艦船写真の写し方(画像処理)
バイオ活用ガイド:VAIO / 入門コース第4回*「フォトショップLE」の使い方 (SONY)
http://www.vaio.sony.co.jp/Enjoy/Guide/Da/Nc4/index.html
バイオ活用ガイド:Photoshop(R) Elementsで楽しむ画像加工 (SONY)
http://www.vaio.sony.co.jp/Enjoy/Guide/El/index.html
新規作成日:2003年2月22日/最終更新日:2004年2月17日