もう少し見識を持って欲しい、言いたい放題の艦船マニア
艦船ファンが増加するのは嬉しい事ですが、自己中心の拡大は困り物です。
掲示板やMLで意見を述べる事は良いのですが、余りにも勝手な主張は、目を覆うものがあります。
子供の意見なら可愛いものの、良い年の大人が言うなら、もう少し社会的見識を必要とするものも少なくありません。
かつて私も、子供の頃に「ソ連警備艇による日本漁船拿捕」を耳にするとき、「よーし、海上自衛隊に入って護衛艦の艦長になったら、現場に急行して砲撃撃沈してやるんだ」と思ったものです。一義的には、英雄的に見えます。拿捕されつつあった漁船にとっては頼もしく見えるかもしれません。しかし、その後、相手が艦隊を繰り出して、大規模な海戦が起きたらどうなるでしょう。また、その後の漁業交渉で、漁場が狭められたらどうでしょうか。1艦長の暴挙が国の国民の将来を危うくするのです。
その意味では、熟慮ある、体制に従う指揮官こそ必要なのです。
こういった面から、子供染みたネット上の意見に対して、解説を加えて行きたいと思っています。
- 2002.8.4 警告して停まらぬ場合は即、撃沈でいいと思う。
⇒原点を全く理解していない。直接的な攻撃動作があればまだしも、容疑段階では、乱暴であろう。
不審船の容疑として、日本人の拉致疑惑もある。撃沈した船に、拉致されている人が乗っていたらどうするのであろうか。
そもそも海と言うのは、元来公的な存在である。無害航行権が存在する以上、相手に的確に知らしめる必要が有る。不審船として通報され、警告を受けた船舶が、該当船舶の認識を持たなかっただけで、あるいは警告が認識できなかっただけで撃沈と言う事が発生すれば、国家犯罪である。
- 2001.12.24 今度からは警告、威嚇射撃をしても停止しない場合は即、撃沈していいのではないか。もう海自の分野だ。
⇒不審船も、容疑船であって、警察行動の範囲で考えると、停船しないからと言って撃沈するのは、狂暴に過ぎる。不審な外国人を見掛けたと言うだけで、警察の狙撃班が取り囲んで、動いたら射殺と言う図式を考えれば分かりそうなもの。
もちろん、政府の姿勢の問題であって、国家防衛として考えるなら、自衛隊を防衛出動で出せば簡単だが、その間のレベルは慎重に考える必要が有る。
- 2001.12.5 テロ後方支援で、輸送艦を2隻出して、今有事が起きたら、どうするのでしょうか
⇒ 確かに直接的に補給艦の半数が居ないという事は、補給能力に支障があります。
ただ、それを言ったら、観艦式の最中に有事となったらどうするのでしょうか。
部隊を動かすという事は、その穴を何らかの形で補う事を当然考えています。
- 2001.12.5 撮影禁止場所での写真撮影
⇒ 軍事という国家機密に属するものに対して何を考えているのでしょうか。
こういう方が、逮捕或いは射殺などと言う事態になり、国際問題となる、或いは艦艇の公開が制限される。とんでもない事です。
- 2002.6.11 昨日のW杯日本対ロシア戦でゴールを決めた稲本選手を日露戦争でバルチック艦隊を破った東郷平八郎・海軍大将にたとえた報道もあったようです。
⇒ 小国だねぇ。たかがサッカーの試合に1勝しただけです。
そもそも、日露戦争、日本海海戦では勝利したが、太平洋戦争では敗戦で、最後の勝敗が物を言うんじゃあないでしょうか。北方領土の今日は、その結果なのだが。
ロシアでは、日露戦争の敗戦を、根に持っているほど了見の狭い物はほとんど居ないが、我が国には、数少ない勝利の栄光を、ひたすら信望している向きが多い。
それは、他に誇れる物がいかに少ないかと言う象徴でもある。
韓国もそうなのだが、引け目を感じる相手に対し、そういう表現しか出来ないのは、未熟の最たるもの。まだまだ二等国です。
- 2002.6.11 艦尾をぶつけて吉倉桟橋を壊しやがった「アドミラル・パンテレーエフ」
⇒ 曳船は海上自衛隊、更にパイロットも乗船し、係船の責任は、誰にあるのだろう。
駐車場やガソリンスタンドで、店の人が操車中に事故ったら、持ち主の責任になるのだろうか。
物理的に接触したのは、「アドミラル・パンテレーエフ」だが、艦の損傷に対し、賠償請求が来なかったのは、かの国の寛大さではなかろうか。
- 2002.6.11 2年前にベルギー艦「ワンデラール」が横須賀に初来日した際、
桟橋が落ちて見学していた老夫婦が重傷を負った事件があったのが、
ベルギー政府は「桟橋は日本の物なので、当方に責任はない」と言い張り、
結局、一切の賠償に応じなかったそうです。
⇒ 難しい要素が多々あるのだが。
艦上は治外法権で、かの国。が、桟橋は我が国。
舷梯の設置については、本来、艦側に責任があると思われるのだが、実際には、海上自衛隊が支援している。
親善行事の中であるから、賠償云々以前に、事故なきよう、相互に取り計らう必要が有るだろう。
- 2003.12.22 船の科学館に展示されていた二式大艇が鹿屋に移転される際、
「私も、船の科学館に保管するより、二式大艇の為は、鹿屋の方が良いように思います。海上自衛隊の方が、余程、大切に保管してくれるように思います。」
⇒ まるで船の科学館が、いい加減な管理しかしていないような論調だが。
もともと廃棄されることになった機体をアメリカから引き取り、巨額の資金で、朽ち果てることなく保存、広く公開し、更に今回7500万円もを全額支出して鹿屋まで運ぼうとしている、日本財団(旧日本船舶振興会)や船の科学館の立場がない。
二式大艇が今ここに姿を残しているのは、誰のおかげなんだろうか。
⇒ 何とかして欲しい、自分勝手なマニア
新規作成日:2001年12月5日/最終更新日:2003年12月22日