まるしんの米の用語辞典?は

ばかなえ(バカ苗)

 「バカ苗」について、石川県の篤農家万年さんより親切丁寧に、解説してして頂いた。

 「バカ」を広辞苑でくれば、意味のBに「役に立たないこと・用例:ねじがバカになる」とあり、意味はこれに近い。それよりも、そもそも「バカ苗病」という言葉自体が広辞苑に立派に収録されており、「イネの病害。病原菌は子嚢菌類の一種で、ジベレリンを生産。イネはそのために黄化徒長し、分げつが少なくなり、後に枯死」と載ってある。

 ただし、これだけ読んでも実感はつかめないと思う。上記の文言を解説すれば、発病すると、病原菌がジベレリンを生産し、人間に例えれば巨人症にかかったような状態になる。人間の場合はホルモン異常ですが、バカ苗は病原菌で発病する。バカ苗細菌がみんな背がそろっている状態の苗の中に、突如として極めてノッポの苗がつくつく出てくる。これを田んぼに移植すると、しばらくは、ほかの苗よりも格段に背が高いまま生長していく。

 が、いつのまにか枯れてしまい、目につかなくなる。バカ苗にかかった巨大な苗を植えれば、巨大な穂が出て増収するわけではない。

 バカ苗が多少出ても、あまり実害はないように思えるが、これが少しでもあれば、見た目は相当に悪くなる。育苗した苗を売る商売(育苗センターなど)でのバカ苗の発生は、致命傷となる。1箱に2〜3本のバカ苗なら、まだ何とか抜きながら田植えすることも可能だが、いざ発生すると、とても手で抜ける本数ではなくなる。これを田に移植すれば、「私はバカ苗を植えました」と農家仲間に公表している状態となり、農家ではなくても、とっても背の高いイネがつくつく生えている大変ぶかっこうな田んぼとなってしまい、「この田んぼ、いったいどうしたんだろう」という、誰が見てもおかしい不揃いな状態となってしまう。バカ苗が枯れて消えるまでの1〜2か月間、生産者にとって、とっても恥ずかしい思いをすることになる。
はしりそうば(ハシリ相場)

 農産物の取引において、その年における初めての生産物(新穀)に対する初めての相場をさす。

 近年のコメ取引では。その年に最も早く出回る南九州・沖縄産の超早期新米を対象に取引スタート直後の相場をさす。続いて関東産の早期米が出回れば、これも関東産のハシリ相場と呼ばれ、新もちや新くず米の初期取引でも同様の表現が使われる。かってのような「ご祝儀相場」を付けるケースはあまりみられなくなった。
(商経アドバイス・コメ関連用語解説より)
はだずれまい(肌ずれ米)

 玄米に傷ついた米をいう。カビの侵入口になりやすく、保存性を悪くしたり、鮮度の劣化を進める要因になる。原因は収穫後の脱穀・もみすり・乾燥調整の段階で摩擦によって傷がつくこと。または、保管段階での生理現象が原因となる。これは、米の水分が高い(16%以上)の場合発生するといわれている。
はつがげんまい(発芽玄米)

 玄米を水につけ、わずかに発芽させた米が発芽玄米。最近は健康食品として注目を集めている。発芽により、米の中で眠っていた酵素が活性化する特徴がある。特にギャバは玄米に比べて三倍も多い。ギャバはアミノ酸の一種で、古くから血圧降下作用が知られており、またギャバの誘導体は、脳の緊張をほぐしてイライラを軽減させ、血流を改善させるなどの効果も認められている。

 玄米を家庭で発芽させるときは、まめに水を取り替えないと米に臭さがついてしまうので、ご注意。
はぜ(ハゼ)

もち米は収穫直後には水分が20%以上ある時点では半透明だけれども、乾燥が進むにつれ、もち米特有の乳白色へと変わっていく。乾燥とともに胚乳のデンプン質に空隙ができるため。この変化を「ハゼる」と言う。乾燥してもハゼらない、もち米を属に「めくら」と呼ぶ。

 このめくらがダマの混入と間違えられる場合があり、判定するのにヨードチンキにより変色判定がよく用いられる。

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