まるしんの米の用語辞典?ふ

ぶいじのうほう(V字農法)

 稲の育て方の種類で、基肥を多く、中干しをして肥料の吸収を1度止め、追肥をふって実を作る。という作り方。肥料の吸収のし方が、V字のようなのでV字形といわれている。昔からのやり方で、稲の状態を見て追肥を調節できるし、湿地の田んぼでは一度地面を固めて稲刈り時の作業をやり易くする効果がある。

 なにが「V」かと言えば、簡単にいえば、稲の葉の色。 葉の色の濃度は、肥料の効き具合、栄養状態を表す。人間の「顔色」と同じ。 この「葉色」(ようしょく)を縦軸(上の方が濃い)に、時間の経緯を横軸にすれば、稲の生育期間中の葉色グラフが作成される。

 このグラフの折れ線(曲線)パターンで、V字の形をわざわざ作る栽培体系を「V字型」と命名したわけです。最初に肥料を入れ、田植え後は葉の色も濃いが、中間に葉の色が徐々にさめてきて、最も葉の色がうすくなった時に、ここが伸びたら倒伏しちゃうという危険水域を無事に乗り越え、ここを逃せば収量が減ってしまうという時期にドバッと追肥するという体系。

 この行政やJAがお勧めする技術体系に、真っ向から異を唱えたのが、故・井原さんの「への字型」がある。
(石川県・万年小作さんよりご教授)。
ふかみずさいばい(深水栽培)

 深水が冷害に有効なのは、主に東北地方。特に冷害の常習地帯では、「明日の朝はヤマセで寒い。稲の幼穂(ようすい)を守るため、深水にして保温しなくっちゃ」ということで、稲の茎の元にある穂の赤ちゃんを水という布団の中に入れて守ってあげなければいけない年・日がある。

 これに失敗すれば、穂の赤ちゃんの中で、実は花粉が死んでしまう。これを障害型冷害と言う。穂はいちおう出ることは出るが、花粉が死んでいますので実らない。したがって、いつまでたっても穂が傾いてこないわけです。人間に例えれば「死産」みたいなもの。だが、北陸や関東から以南では、めったに(ほとんど皆無)そんなことは生じない。

 深水の管理が大変だという理由は、それだけ高い畦(あぜ)を長期間、維持するのが大変だという意味。まず、畦を高くするという土木工事(ちょっと大げさな表現だが)が必要で、次に、深水ということは水位が高いわけでミミズやオケラが開けた穴から水がもれる場合、それこそ噴水のようにもれてしまう。あっという間に大穴があいて、そこからジャンジャン水がもれてしまう。毎日あぜを見回って、補修・修繕・穴埋めをしてあげる必要があり、この管理が大変である。  (石川県の万年少作さんよりアドバイスいただきました。) 
ふこうきさいばい(不耕起栽培)
 

 水田を耕さない、代掻きもしないで固い土にそのまま苗を植える栽培方法。固い土に負けないように、根が力強く成長することにある。根ばりがよく、しかも太く丈夫だから、茎も太くなり固くなり倒伏しにくく、病虫害にも強くなる。また土を耕さないために、昔からの種子が地中から飛び出してくることがないため、土のなかで眠っていた雑草の種子を目覚めることかなく、次第に発芽できる雑草が少なくなる。「種切れ現象」が土中で起こって雑草が年々少なくなるといわれている。

 水田の土壌も耕さないで固くなるのではなく、逆に根が張った土壌のなかに作った空間を壊さないので「いい土」の条件である団粒構造が形成されるとも言わている。
ぶずきまい(分ずき米)

分づき米とは、胚芽を残して食べるお米。三分・五分・七分ずきとお好みによって分けらる。栄養価では玄米にはややおよばないが、精白米よりはすぐれている。とくに、ビタミンE、B1<B2,パントテン酸、葉酸、カルシウム、脂質、食物繊維が豊富。

分づき米の研ぎ方

 分づき米をいかにも美味しく食べるかは、炊き方に左右される。白米に比べると、分づき米を研いでみると、最初は茶色がかった、濃いとぎ汁がでる。このとぎ汁を米が吸ってしまうと大変、炊きあがりが糠臭くなってしまう。ので、最初の1.2回めのとぎ汁をとにかく早く捨てること。

1. ボールに正確に計ったお米を入れ、勢いよくその中へ水を 注ぎ、軽くかき混ぜるようにして二回すすぐ。
   (すすぎは一回につき約10秒)
2. 水を捨てる。

3. 水のない状態で、ソフトボールを握ったような形に指を広げて、お米を約30回かくはん。

4. 濁り水を捨てる。

5. たっぷりの水を注ぎ、軽くかき混ぜてすぐに水を捨てる。(これを二回行う。)

6. 再び2〜5を繰り返す。(一回から二回) 水が濁らなくなったらOK! 全行程を約三分以内で。

水かげん
 水かげんは白米より少し多め、または同量でもかまわない。白米よりも長めに水を浸すことがポイント。できれば一時間以上。また分づき米を炊くときに塩ひとつまみ入れると比較的ふんわりと炊ける。

 分づき米は保温には向かない。色がどんどん変わるし、ジャーが糠臭くなる可能性がある。あまった分づき米はジャーで保温せず、ラップに包んで冷凍保存。その日に食べるのならば冷蔵保存でもかまわない。
ふねん(不稔)

 花粉の形成不良などで結実しないこと。ようするに、米が実らないこと。もみ10粒のうち5粒が結実していなければ不燃率50%となる。平年でも10%の不燃率がある。イネが育って小さい穂がついた直後に気温が低いままだと、花粉が形成されず結実しない。また穂が出って開花した時期に気温が低いと、花粉が形成されていても受粉不良が増えて結実の割合が低くなってしまう。

 コメの収穫に直接影響するこうした重要な時期は「穂ばらみ期」と呼ばれ、北海道や東北では7月下旬から8月上旬めに当たる。平成十五年は、この大切な時期に気温が平年を3〜4度下回る低温と日照不足が続いた。このため北海道・青森の一部で不燃率が60%となり、もみの半数以上が空になる被害に。
ぶんけつ(分けつ)

 イネ科の植物は根元から茎がどんどん出って株が大きくなる。この茎のことを「分けつ」という。普通一本のイネから10本前後分けつがでる。分けつが少ないとイネの収量が少なくなり、逆に過度に多すぎると実入りが悪くなる。

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