初日 6月16日

 なぜ父との旅行なのか

連休に実家に遊びに行った時に、ふいに父から出た言葉。。
「桂林には行ってみたいと思うなぁ〜」
父は桂林に行きたくても、旅の同行者である母は「海外だしトイレもちょっと。。」と、難色を示していたのだ。
が、それにすぐに反応した私。
「それなら、私が行くよ。」
ちょっと驚いた父だったが、行きたい時が行くべき時、今なら体も元気いっぱい。私の試合が終わった6月の中旬ならオッケーと、畳み掛けるように説明したら、即決になった。

そこで、すぐに旅行者のパンフレットを取り出し、短期間で桂林へ行けるツアーを探したら、手頃な値段で3泊4日間というのを見つけた。
これだ!!
こうして、父と娘という、他から見たら奇異とも見えるツアーが決定したのだった。
父は桂林の山並みを想ったと思うが、私は海外旅行だ!の想いでいっぱいになった。
なんせ、スポンサー付きだし。。。(^^)v

旅行保険のネットでの注文、スカイライナーの座席予約くらいはやりましょ、せめてそのぐらいはね。

 朝は早いよ〜
9:50発の広州行きに乗るってことは、のんびりかなと思っていたら、とんでもなかった。
西日暮里に6:35発のスカイライナーに乗らなきゃ集合に間に合わない。
かと言って、西日暮里で父と待ち合わせだと、もしかして出会えない恐れがある。
ということで、わかりやすい場所に集合したかった。で、高田馬場に5:50集合。
私は家を4:50に出発した。荷物が重くて歩くのが遅くなりそうだしね。
乗り継ぎが非常に良くて、高田馬場へ早く到着し、西日暮里でもすぐに乗り場がわかって、すっかり時間が空いてしまったが、早すぎて困ることはないしね〜、いい調子でした。

成田でも、スムーズに受付が終わり、荷物を預けることにしたら、ここが大混雑で。40分は並んだんじゃないかなぁ。
ようやくすませて、軽く両替して、朝食を取ることにした。
ここだって、そんなに時間を取らず、20分程度でした。
40分前になったので、ゲートインしなくちゃと出かけてみると。。うっそぉ〜、手荷物検査が混んでる。でもまだ大丈夫。
けれど、次の出国審査では長蛇の列。うっわ、時間に間に合わない。。
でも、もう搭乗券をもらってるし、遅れたところで多く見積もってもせいぜい10分くらいだから、大丈夫でしょう、少しは待ってくれるでしょう。
20分かかって、ようやく出国審査が終わると、キャビンアテンダントさんが「広州」の看板を持って待っていた。
そして、早歩きで向かっていたら、前を歩いていた人も広州行きだった。
5分前に、ようやく着席できた。ああ、間に合った〜〜〜。
焦りはしなかったけど、最初から大変でした。

飛行機の中は、毎度おなじみ。
けれど今回は、前の人の座席の背もたれに液晶画面がひとりずつついていて、映画やビデオ、音楽等がセレクトできたので、とっても快適だった。
中国の『入国カード』『健康検疫カード』『税関申告書』の3種類を、父の分まで書いてあげたので、とっても喜ばれた。

ほどなくして、広州へ着くと、荷物を持って現地係員さんを目指した。
確か、出てきたのは遅くはなかったのに、係員さんの所へ行けたのは、私たちが最後だった。
あらら、みなさん素早いのね。旅慣れているのね。
こりゃ、足を引っ張らないようにしないと。。


 広州に到着
桂林への荷物を預けると、バスに乗って広州を目指した。
高速を通って広州へ向かうと、思いの外、中層の建物が多いのに気がついた。
これらはすべてマンションだと思う。
5〜7階建ての公団のような、ちょっと古めの四角い建物と、10階を越える、パステルカラーのマンションと。
さらに建設中のマンションも数多くあった。
これらを眺めているうちに、日本との違いに気がついた。
それは、ベランダがフェンスに覆われていることだ。
むろん、日本にある手すりじゃない。
金網と言っていいほどのものや、手すりが天井まで来てしまったもの等が、ベランダ全部をすっぽりと覆っていた。
家によっては、小窓さえも覆っていた。
上の階でもそうなんだよ〜、ここはスパイダーマンの盗賊版でもいるのか?
(写真は、古い建物とマンション)

それから、洗濯物が堂々と干されているのにも気がついた。
これらは、スコールの到来と共に瞬時に取り込まれるが、干されっぱなしの洗濯物も多かったのよね。

後で知ったが、中国のマンション価格は2年前と比べると1.5倍にはなったそうだ。若者が大都市に集まりつつある。
そして、100u以上の間取りは禁止になったとか。より人を多く住まわせるためだ。
こうして地価の高騰からインフレが始まるんだなぁ〜。


 広州市内見学
広州は曇りだった。
最初の見学地は『陳氏書院』。詳しい説明は こちら
彫刻が素晴らしいというので、よく見た。陽明門クラスがあちこちにあった。特に屋根の上が素晴らしい。
中庭に人物の彫刻があり、喜怒哀楽に満ちた表情とポーズに、“服装が違えば西洋彫刻”と、勝手に感動していた。

上の写真から説明する。
『陳氏書院』の入り口。普通の公園になっていて、若い人たちが多い。
不意に中国調の銅像が立ってたりする。

2番目の写真は、『陳氏書院』の入り口の門。
屋根の上の彫刻は、なにげにしゃちほこみたいだ。

3番目は、メインの建物。
屋根の上の彫刻は、所狭しと並べられる。
古いのに、色が残っていて、保存状態がいいのがよくわかる。

4番目は、『陳氏書院』で一番有名だという硯。2mくらいある。
この硯で書く文字はどんなだ?と、一応突っ込んで考えてみる。
他にも、水墨画、象牙による透かし彫り、像、陶芸品などが飾ってあった。
このあたりで、デジカメのバッテリーがなくなったため、記録として残せなかったのが残念だ。

ちなみに、売店でアルカリ電池を買ったら、35元くらいだった。

美術品になぜか値札がかかっていた。
美術を楽しむものなのに、現実的な価格を突きつけられて萎える〜。
中国人は平気なのか??


さぁ〜て、一通り見たら満足したので(あまり見るものがない)、集合場所に戻ったら、ツアーガイドの陳さんが、3番目の写真の門が向いている上空を見上げて、「空行きが怪しいので、バスの位置がわかる人は戻っていいですよ〜」と。
見ると、墨を流したような雲が接近中。
私たちは、上に書いたように、電池を買いたいこともあって、戻ることにした。

電池をさっさと買い終えたあと、すぐに雨が来た。
スコールだ。
日本の夕立のように、最初ポツリポツリという悠著さはない。いきなりザバーンだ。
焦って木の下に逃げ込み、傘を広げている間に、道がみるみる川になった。
やばっ、靴がダメになる。。
けれど、雨が上がりそうにないので、無理やり強行してバスに戻ることにした。
木の下だって、雨宿りには向かなかったのだ。
時間にして1〜2分だったのに、10分くらいかかった気がした。

バスに乗ったら、今度は雷だ。何本も落ちてくる。
中国の雷事情がわからないだけにコワい。バスの中で良かった〜。

大概の人はバスに戻っていたが、19人中4人だけいなかった。
傘を持たずに行ったらしい。
ツアーガイドの陳さんがメンバーの傘を集めて迎えに行ったが、なかなか戻らない。出会えなかったのかと不安が募る。
戻って来たのは、30分後だった。みんな靴を脱いで裸足で走ってきた。う〜ん、賢い。それほどに強い雨だ。
1週間前は豪雨のため洪水になったというデルタ地帯だけに、安心していられない。

このスコール、日を変えてその後のツアーに多大な影響を及ぼしていくのだった。
 中山記念堂
雨のために、せっかくの中山記念堂の見学は、車中見学になってしまった。中山記念堂については こちら

せっかくの観光名所なので、拾った画像を載せておきます。
ここは、建物に柱を1本も使わないというのが特徴だそうだ。
周囲が木に囲まれ、広場もあるので、まるで日本の城と武道館が合体したような印象を持った。
なかなかの威容がある。

建物の前の銅像は、孫文である。
 夕食は飲茶
1件目のお土産やさんに連れて行かれた。
雨の、トロリーバスが通る大通りを、途中50cmくらい水に浸りながら進んだ。
どこかの医大、その付属病院を近くに見たその通りは、私の考えだと“開放北路”だと思われる。
医大も「広州中医薬大学」じゃないかなぁ?
ホテルの売店だと思われる所に、いきなり下ろされて、40分間も休憩を取った。
う〜ん、こういう予備知識もない初日に買うのは、損することになりそうだぁ〜。まぁ、相場くらいは見ておくか。
ってことで、買い物をする気もなく、ふらふらと店内を巡った。飽きる。。
他のツアーメンバーも、居場所がなさそうにうろうろしている。
外を見ると、怪しい看板が見られた。新宿のイメージって、やっぱり。。


食事は空港に戻りながら、途中のレストランに入った。
食事は飲茶料理。
これが、日本みたいに6〜7品かと思いきや、次から次へと点心が出てきて、10品以上あったと思う。
中でも、ピータン入りのおかゆがおいしかった。ピータン独特の臭みが感じられず、グミ状のピータンの味わいが上品だったのだ。
海老のシューマイも、エビと豚肉の混じったシューマイもおいしかった。
ビールは、珠江(Pearl River)ビール。アルコール度が3.1%とイマイチな上、微炭酸だし、苦味も足りないし、色まで薄くておいしくない〜。
けれど、1杯目はサービスで飲んでいるうちに、もっと飲みたくて追加を頼んじゃうんだなぁ。ああ、呑み助の宿命(>_<)

小松菜の炒め物みたいなのは、このツアーを通じて常に出てきた野菜だ。
中空菜と言うんだっけ?その割にはシャリシャリしてなくて、クタクタしていた。
 
 広州空港からホテルへ
さて、この日の広州発-桂林着のフライト時間は、20:10だった。
よって、ホテル到着予定時間は22:00だった。
遅い〜。でも仕方ないな。
空港で、ミネラルウォーターを3元で買ったり(一般の土産店では10元)、ライチを20元で買ってるツアー仲間と話しながら、時が過ぎるのを待った。
すると、ふいに雨音が。広州の真新しい白雲空港のガラス窓に容赦なく叩きつける。まいったなぁ〜、また雨か。
案の定、飛行機の到着時間が遅れたため、出発も30分遅延になったとの連絡が。この雨じゃ無理だな〜、飛べればいいやぁ。

雨は多少は小降りになり、飛行機は30分遅れのまま飛び立ち、50分のフライト時間で桂林到着〜。

桂林に着いてびっくりした。なんて騒がしいんだ!!
出発ロビーで、飛行機を待つ中国人がひっきりなしに大声でしゃべっていたのだ。ここは大衆酒場か?だって、もう21:30だってのに!素面だよ!?
エネルギッシュで人との付き合いが濃密な広東州の人たちのパワーに、早くも圧倒されていた。


そして、金龍航空大酒店に到着し、ミネラルウォーターと青島(チンタオ)ビールを購入し、22:30に部屋に入った。
明日の集合は8:10だって!7時から食事するんだよ〜。なんてこった!今朝は早かったのに。。
遅刻は許されない。
そして、荷物を整理し、シャワーを浴び、青島ビールを飲んだら、もう寝ることにした。
ビールが唯一のリラックスタイム。。はぁ〜。。。。
(写真は、中国で一番おいしかった青島ビール。裏には北京オリンピックのマークが)