2日目
漓江下りの朝
ついに、この旅のメーンイベントである、漓江の川下りの日がやってきた。
天気予報は、小雨混じり。ベストなお天気だ。
ホテルから見た窓の外の景色も、曇っている。
ついでに大通りを見てみると、5時なのでまだ人通りは少ない。
桂林というか、中国の道はおもしろい。バイクや自転車が優先されているのだ。
バイクや自転車は、我が物顔で道路を占領している。何でもオッケー。
まず、真ん中に車道がある。中央分離帯はない。
その外側に、バイクや自転車の通る道がある。安全のためか、街路樹で区切られている。
さらにその外側が歩道だ。
右の写真では赤い車が止まっているところ。
自転車は、バイク並みに右折するし、リヤカーをつけて走っていたりして、見てて飽きない。
車は、バイクや自転車が通っている間じゅう、じっと待つしかないのだ。
ただし、クラクションは、ずっと鳴りっぱなしでうるさいこと!
川下りが始まる!
竹江の船乗り場までは、バスで28Km。
桂林の郊外は、マンションの建設ラッシュだ。
少数民族の部落も見えた。
船乗り場に着くと、たくさんの船が出迎えてくれた。
すべて食事付きだが、中国人と外国人用の船がある。
グレードが違うのか、値段が倍くらい開きがあるという。
最初はまだ普通の景色だ。
そのため、のんびりしていた。
トイレに入ると、ここでも何だか落ち着かない形をしていた。跳ねそう〜。
ここでは陶器ではなくステンレス製だ。珍しくトイレットペーパーのホルダーがある。
他の場所では、大概がティッシュ持参だったから、さすが外国人向けだ。日本みたいにホルダーに蓋があり、パンダが描かれているのがかわいい。
漓江の雄大な景色
さて、しばらくすると、漓江の岩々が見えてきた。
桂林市内でも、漓江沿いに美しい岩があったが、ここの岩はその比じゃない。
質・量、共に桁外れなのだ。
最初に、子供をおぶって夫の帰りを待つ妻の姿という『望夫石』を見た。
それが、船は結構なスピードで通るから、撮れませんでした。(涙)
が、はぁい、拾ってきました。
中国には、そんな岩がたくさんあるらしい。
名もない何げない岩でも、すごい迫力だ。
途中すれ違った西洋人のたくさん乗った船の背景を見てほしい。
万事がこの調子なのだ。
さて、船は『冠岩』で止まった。
今からこの中にある鍾乳洞を見学するのだ。
冠岩
入り口は、テーマパークのようになっていた。
そこから入ると、見事にライトアップされた鍾乳洞が眺められた。
2番目の二つの写真を見比べてほしい。同じものだ。このように、ライトアップによって、神秘的で異世界のものになった。
人によっては、自然そのままのものの方が趣があっていいらしい。。
ずっとこんな感じで、象や熊、龍といった、動物の形に見立てた鍾乳石があって、想像を掻き立てた。
1ヶ所、明るい場所があった。
冠岩の天井の部分が空いているため、日が差してくるのだ。
その“天窓”に向かって、エレベーターが延びていた。
帰りはエレベーターでラクチンに上がれるよ〜★
ずんずん進むと、焼酎の試飲をさせてくれるコーナーがあった。
焼酎よぉ〜。中国でよぉ〜。
私は焼酎の味はよくわからないが、義父が大好きなので、買ってみることにした。ちょっとお高かったけれど、中国4000年の歴史が父に霊験あらたかなパワーをもたらしそうに思えたからだ。
う〜ん、神秘的。
少数民族のおねぇちゃま達の歓待の歌を聴きながら、トロッコ列車に乗った。
暗い中、特に見所もなく、遊園地の乗り物のように、あっとい間に終わった印象だ。
次に乗ったのが、中国男性の手漕ぎによるボート。
人がたくさん待っていた。中国は人手があり余っているんだな。
こちらも、暗い中を進んだが、途中に大きな岩があり、そこだけライトアップされて、若い女性が歌を歌っていた。
ローレライみたいに不気味〜。
そこで働いている女性は、コワくないのだろうか??
まるでテーマパークの作り物のようだった。なぜかウソっぽい。ただ中国ではすべて電化されず、人力によると思えてならなかった。
それほどまでに、スケールの大きい自然造形物が、何気なく置かれているのだった。
不意に轟音が鳴り響いた。
濁流の音だ。
陸さんは、20元払うと滝が見られるのだと教えてくれた。この音を聞いては素通りできない。
行ってみると、ものすごい水量の滝が間近に迫っていた。
地下でこんな滝が見られるなんて!20元のモトは十分に取れた。
鍾乳洞を出ると、これまた遊園地みたいに滑り台があった。20元で下まで降りられるという。
カート利用でも20元。自力で降りればタダ。
迷ったが、最後は父の判断で歩くことにした。意外と近かったよ。
*私の説明よりずっとわかるサイトを見つけたので、見るといいですよ〜
こちら
貼り切れなかった写真を、ここにまとめて掲載。
滝はたまに出現した。周りの雄大な景色に影に隠れつつあったかな。
川と言えども、灯台は多かった。夜も交通手段として使っているのだろうか?それとも霧の日が多いのだろうか?
洞窟内の様子。ここでもライトアップが効果的に使われている。
冠岩のあとに出現した、切り立った大きな岩盤。この真下を通った時、その大きさとスケールに圧倒された。父はしきりに「来て良かった」と連発していた。
岩また岩
冠岩を出た。
これからが絶景のポイントだという。
船内で“広州家庭料理”だという食事を済ませた。
いきなりMixベジタブルが登場したので、すごく不安になったが、野菜と豚肉や牛肉の炒め物や点心を中心に、10品くらい出ておなかいっぱいになった。
左の写真は湯葉だ。
中国の湯葉は固め。油揚げくらいの固さに感じた。
上の写真は、船内で出たビール。
これが一番おいしくなかった。。
アルコール度は低く、薄いお味。。
そうこしているうちに、絶景ポイントは次々と出現する。
不意に出現するひなびた漁村に風情がある。漁を生活の糧にしているんだろうか?
沿岸には竹薮が結構あった。
木々には先週の豪雨のため、ビニール袋などの漂流物が多く絡まっていた。そこまで水位が上がっていたのだ。
不謹慎にも、赤や白、黄色などの袋が七夕の短冊のように見えた。
「陽堤風光」の絶景ポイントが見えてきた。遠くに富士山とリンゴ岩を臨む場所だ。
険しいのに頂上が丸い山々。これこそが私のイメージの中の桂林だった。
「黄布倒影」の絶景ポイントが見えてきた。
20元札の裏面のデザインに使われたという。
私が写したのは、通り過ぎた後の写真。むしろこちらが素晴らしい。
「九馬画山」は、漓江下りで最も有名な岩だ。山肌に9頭の馬が見えるというのだが。。
誰も判別できないという。
途中、いかにも中国らしい筏が時折見られた。これは、座席があるので観光用。
そして、陽朔の街に到着した。
向かいに水牛と馬が放牧されていた。
値切り交渉は楽しいな♪
ところで、船内では裏メーンイベントが開催されていた。。
4時間半もの時間を利用して、船内販売がなされていたのだった。
その種類は、ネックレス、ブレスレッド、携帯ストラップ、根付け、テーブルクロスなど、多岐に渡っていた。
食後から若い中国人のおねぇちゃんが、片言の日本語で盛んにあちこちのテーブルを回って売りに来ていたが、“船内のは高いから買わないこと”の情報があったため、“負けてくれなきゃ買わないよ〜”と相手にしななった。
が、「九馬画山」を過ぎると、めぼしい景色はないと言うので、本腰を入れて見ることにした。
スタンンドにきれいにディスプレイされた、水晶付きの携帯ストラップは、バレーのメンバーにちょうどいいお土産のように思えた。
だけど1個500円と高いのよね〜。
“300円にしたら買うよ”と宣言していた。
同席のツアー仲間が、18000円の水晶のネックレスを1/3で買ったりして、次第に盛り上がってきた。
すると、おねぇ〜ちゃんが10個で4000円にすると言ってきた。まだまだだ。これもむげにした。
次に3500円に。だから、10個3000円にしなくちゃ買わないってば!
私も、20個買ったら10個3000円にしてくれる?と交渉を始めた。おねぇ〜ちゃんも考えるようになってきた。もう少しだ!!
船が目的地に近づいてきたら、「わかりました、3000円にします」って言ってくれた。やったぁ〜〜っ!!すごい達成感!!
続いて、向かいのツアーメンバーが根付けをオマケしてくれたのを見て、こっちもオマケしてくれぇ〜とねだって1個GETした。
さらに、根付けが10個1500円にまで値下がりした(最初3000円だった)のを見て、これは会社のおみやげにいいと思い、「20個買うから11個1500円にして」と交渉して、それが実現したのもすごい達成感だった。
楽しい〜〜〜〜っ!!!
ツアー仲間と値切りですっかり意気投合し、景色そっちのけで大盛り上がりだった。
うん、『中国の値段は交渉次第』を実感したよ。
しかも、このストラップと根付け、持ち帰るのに場所を取らないし、もらった人は喜んでくれたし、街中の相場より安かったし、おかげで余計な買い物の時間を取らずに済んだことで、大正解だった。
とっても満足〜〜〜〜〜♪♪♪
陽朔は観光地
船は、最終目的地の陽朔に到着した。
下りて鵜飼のおじちゃんや物売りをさけて市内に向かうと、いきなりターフに覆われた布や衣類の屋台が現れた。
すごいな、異国の地だ。
夜店と仲見世を合体させ、アジアンテイストを振り掛けたような、不思議な雰囲気。
それを過ぎると、西街という、陽朔のメーンストリートに出た。
ここは、お土産屋さんやレストラン、カフェが立ち並び、観光客相手に商売をしているのがわかる。
中国っぽいんだけど、どこか洗練されていた。
西洋人も多かった。
タクシーなのか、6人くらい人が乗れるカートもあった。
この頃には曇りだった空が晴れ上がり、とっても暑かった。
西洋人は、暑さのためか、例外なくケンタッキーに入っていった。気温は38度はあるだろう。
横道に入ると、路上でライチを売っていた。5元(80円)で購入。20個ついていた。桃は、1元出したら1つくれた。
陸さんは、安いと言っていた。
父は暑いため、ツアーメンバーが荷物を置いていいというお土産屋さんで休むことにした。店の前では民族楽器を吹いていて、雰囲気がある。
店の中は、苗族(ミャオ族)の双子の女の子達が、民族衣装を身に纏って静かに刺繍をしていた。
結局この店は高かったので、何も買わなかったが、カメラを向けると笑顔をつくってくたのが、かわいくてうれしかった。
このお土産屋さんの向かいに、CD屋さんがあった。
一般的な洋楽を売っていた。
そこで、有名どころを買ってみた。2枚組みで25元、1枚で15〜20元。安すぎるっ!!
陸さんによると、海賊盤ってことだが、“原盤引進”と書いてあって、どうやら正規盤のようだ。
音楽好きにお土産にしたら、もんのすごく喜ばれた。中国盤ってそうは手に入らないからね。(中国語表記の曲名が書いてあった)
音も悪くなかった。
これって、お買い得じゃない??
中国の交通事情を思い知らされる
さあ、陽朔から桂林へは、バスで帰った。
空港から桂林へは高速道路を使ったが、ここは国道を使った。
高速道路は乗用車が多いが、国道はトラックも多い。
片道一車線+バイク用0.5車線のように見える。
驚いたのは、中国では、反対車線が少しでも空いていると、すぐに追い越しを始めることだ。
バスでも平気で前の車を追い越す。追い越してほっとしたのも束の間、すぐに後ろの車に追い越される。
一度なんか、追い越している最中に、反対車線に車が来てしまった。さあ、どうする?ぶつかっちゃう!!
すると、反対車線の車は心得たもの、バイク用の車線に入って、すっと道を空けたのだ。
また、追越しを終えた車を入れてあげるマナーも徹底していた。追い越されたからと意地悪はしないのだ。(っていうか、車間距離もないのに、無理やり割り込んでくるから、入れざるを得ない?)
すごいな、片時も油断ができない。前を見る以上にバックミラーを見る必要があるんじゃないだろうか?
中国のバスのフェンダーミラーの、ナメック星人(ドラゴンボール)のように突き出て垂れ下がっているの(写真)は、あらゆる所を見るためにあるのだろう。
なんたって、歩行者も油断ならないんだから。
中国で運転できたら、どの国へ行ったって運転できるだろう。すごいインパクトで、ずっと車の流れを凝視していた。
ただ、日本と違ってスピードは40Km〜50Km程度しか出していなかった。信号のない1本道だっていうのに。
それがむちゃくちゃな運転でも事故を見なかった原因だろう。
桂林料理の夕食
夕食は、「桂林観光酒店」という、市街地にあるホテルのレストランでだった。
ここで写っているのが、細くて長いもやしと、鶏肉と冬瓜のスープだ。
また、円卓の真ん中にあるのが、桂林名物の“桂林米粉(桂林ビーフン)”だ。街のあちこちで食べているのを見かける。食堂では2元程度。陸さんは、桂林のラーメンって言っていた。そ、そうか??
麺は乾麺のうどんって感じ。お出汁のない薄いおしょうゆのスープに入ってると考えていい。それに豆板醤を入れて食べる。
う〜ん、私には理解できない味。沖縄そばの感覚に少し近いか。
ビールは「漓泉ビール」これまでに飲んだ地ビールの中で、一番うまい!苦味が若干あるのだ。アルコール分も4.3%!
でも、部屋へ戻ったら、青島ビールを飲もうっと、まだ6時半だから。