4日目
桂林を発つ
今日でいよいよ桂林とお別れだ。
桂林は。。っていうか、華南地区は、人々が素直でありのままに生きていると思う。
感情を表現するのが当たり前で、気取りも気配りもいらない。
相手に自分を理解してもらいたければ、粘り強く伝えていく必要がある。
それは大変だと思うが、裏読みしなくていいから、伝えたあとに、「やりすぎてしまった」と反省する必要もなく、大変つきあいやすいと思った。
でも自分勝手ということはなく、相手に対する思いやりや優しさは、十分にあったと思う。
私は居心地の良さを感じていた。
が、それは、旅行者だということで、ぬるま湯に浸っていたためかも知れない。
注文していた印鑑が昨夜出来上がっていた。印鑑の材料の猫目石と人造クリスタルはサービス。彫り賃として100元を支払った。朱肉もサービス。
きれいに芸術的に彫られていて、いいお土産になった。
ホテルのキーは、カードに磁石がついたもの。
お世話になったペットボトルは、結局は2本余らせてしまった。2本を6元で買ったが、船で、飛行機でもらったもので事足りたのだ。
毎朝ポットでコーヒーを入れたくらいだったかな。
帰国後、中国のミネラルウォーターの安全性が問われていたので、ちょっと心配だったが、旅の間じゅう、心配した体調の崩れは何もなかったので、大丈夫だったんだろう。
ホテルにはミニバーがついてて、快適だった。
日本へ帰れない??
朝なんと6:40に集合して、桂林の飛行場へ向かった。朝5時には起きた。
もう、こんなのばっかり!
父のパスポートが荷物の中に入りっぱなしというトラブルを、陸さんがケータイで連絡をつけてくれて、なんとか飛行機にそのまま運ばれずに済んで良かった。
広州空港は新しい。
未だ建設中である。
完成すると、中国一の広さになるらしい。天井が高くて気持ち良かった。
昼食は、空港の裏のレストランで。
ここでは、茶殻としか思えない料理が出てきた。(写真)う〜ん、やっぱり食べられない。
昨日のお茶屋さんで、中国では茶殻まで食べると言っていたが、いざ口にするとちょっとね〜〜。
広州では、桂林からの荷物を取って再び成田行きの飛行機に預けることになっていた。
私はその時にパスポートと復路の航空券を見せたら、何かカードをもらった。
手荷物を預かったカードかと思っていた。この時に、注意して見ていれば良かったのだが。。
前日に書いておいた出国検疫申請書を提出して、順調に通り過ぎ、最後に出国審査となった。
私は帰りの航空券を提示するように言われたので、見せるとちょっと違うらしい。
おかしなと思ったら、半透明のパスポート入れの中のチケットを指さされ、それを出したらオッケーとなった。
あれっ、いつの間に別の航空券を持っていたんだろう??
父の番になったら、航空券がないってことで、止められてしまった。
なぜ??
このまま日本に帰れないのか??
困っているところに、日本語を話すJALの係員さんが通りかかった。
彼女は、ANAの受付カウンターへ行くように忠告してくれた。なぜに受付カウンターへ??
右も左もわからない広州で、ツアー仲間は既に出国審査を終えてしまっているので頼れない。陸さんとは、手荷物を預ける前でさよならしている。
今頼れるのは、目の前の彼女だけだ!
粘って、受付カウンターがどこかわからないから、連れて行ってほしいと頼み、彼女も忙しいのに、見捨てられなくて最終的に連れて行ってくれた。
戻ってみると、そこは手荷物を預けたところだった。
そこでわかった、私は手荷物を預けながら、自然に受付を済ませていたのだ。
手荷物を預けない父は、宙ぶらりんの状態だったのだ。
復路の航空券だと思っていたのは、実は航空予約券であって、座席がどこなのか書いてないから、受付をしなくてはいけなかったのだ。
やっとの思いで戻って来られたANAの受付カウンターで、係員さんは、すぐに航空券を発行してくれた。っていうか、残っていたんじゃないの〜??
時間には余裕があったが、気持ちに余裕がなくて、早く戻って入国審査をしなくてはと気が急いていた。
それからというもの、私は中国人の入国検疫申請書を受け取る係員を相手に、テキトーな英語を駆使して、すごい勢い関門をくぐっていった。
“私たちのはもう渡したからっ”って意味にしたつもり。。“列に並べ、横を通るな”と言われても、“Again??”と露骨にイヤな顔をしたら、列の1番目にしてくれた。
言ってみるもんだわ。
ようやく入国審査のゲートに到着した。
人質になっていた、私のパスポートも返してくれた。
感謝×100倍の言葉を出国審査の係員達に浴びせ、父は審査を済ませ、こうして日本へ帰れるようになったのだ。
安堵したのは、言うまでもない。
ツアー仲間はすごく心配してくれていた。
一通り話をすると「旅のいい思い出ができたね」と言ってくれた。
そうね、今となったら笑って話せるね。
|
|
|
機内でCAVAのスパークリングワインを飲み、ゴーストライダーの映画を見て、日本に帰ってきた。
7時頃に上空から富士山が見えた。
せっかくだから、すっかり親しくなったツアー仲間の席に入って、撮らせてもらったのだった。
スチュワーデスさんの話によると、この時間に見えるのって珍しいとのこと。
夕焼けが染まってきれい〜〜。
旅行はいいもんだが、帰国はほっとする。
父を無事、何事もなく帰国させることができて、本当に良かった。
っていうか、私は連れてってもらったんだっけ。
中国に行ってみて
中国は大陸だ。スケールが大きい。
住んでる人々も、いろいろだった。
日本に着いて、電車に乗って、やけに車内が静かなことにびっくりした。
賑やかなことに慣れてしまったのだ。
マナーやモラルなど、中国には問題点があるだろうけど、成長していくエネルギーをとにかく感じた。
人間の生きていく原風景というか、原点を垣間見た思いだ。
お隣の国だというのに、文化の違いも感じ取れた。
これから、ますます身近になっていく国であるから、身を持って実体験したのは貴重だと思った。
中国が好きになった。
|