Rhapsody
Rain Of A Thousand Flames
背景・・・暗黒王アクロンの手に渡ってしまったエメラルド・ソード。それが暗黒の女王を蘇らせ、大地を切り裂き、大量殺戮を引き起こすのは明白である。魔法の国であるエルノアとトーライドは、アクロンの手によりこのまま滅んでしまうのか。。。
1.Rain OF A Thousand Flames
曲の始まりの展開が毎回同じで、それに飽きてきたファン(σ(^^)
) を考慮してか、毎度おなじみの重い本の表紙を開くような導入部分は残るものの、すぐにそれが終わってメインの曲に移るのがうれしい。
2.Deadly Omen
彼らにしては珍しい、ピアノの演奏で厳かに始まる曲です。
生ピアノの響きが美しい〜〜!!何となくルネッサンスを思わせる壮大な曲です。
そっか、ラプソディのメロディラインはルネに通じるんだぁ。
3.Queen Of The Dark Horizons
この曲も生ピアノを引き続き使っています。13:40もの大曲ですが、静と動をうまく使い分けていますので、冗長さはありません。
途中の低音で走るピアノはまるでルネのRunning
Hardだわ。
オペラのような、女性のスキャットが効果的に配置されています。
前作のDawn Of Victoryでは、隙間のない作りこみすぎのサウンドで、明らかにやりすぎで、このあとラプソディはどうなっちゃうのかと心配しましたが、この曲ではそれがすっかり改善されていて、静の部分は時が止まったような静けさを表現しています。プログレがかっています。
ベースで始まる間奏は、Rushの影響も感じられて、うれしくてにやっとします。個別の音がくっきりしています。
それだから、サビの部分のオペラを使ったコーラスは、効果的に力強く、感情移入しやすくなります。
ウン、私はこの曲のようなラプソディを待ち望んでいたんだわ。
文句なしの名曲です!!
Rhymes Of A Tragic Poem-The Gothic Saga (以下組曲)
4.Tears Of A Dying Angel
深刻な事態が起こっているのが聴いていてよくわかるような、暗くて緊迫感のある曲です。
でも、途中でなぜかHolloweenに通じるような、流れるような明るいサウンドを感じてしまったのでした。(^^)
後半は、長老(?)の語りがえんえんと続くのですが、私はコレが苦手でねぇ〜〜。
この部分を早送りしたいです。
5.Elnor's Magic Vally
誰が何と言おうと、この曲はめっちゃ好きです。
哀愁を帯びたヴァイオリンの音色、トラッド色豊かなそのメロディに、魂が揺さぶられます。
これから起こる悲劇の前触れを表現する曲ですが、その静けさと、長いこと積み重ねられた人々の生活が踏みにじられる直前の、ささやかな平和を感じます。
6.The Poem's evil Page
町が攻撃されてしまった場面です。物事が終わりを告げてしまったかのような、もの哀しいメロディのあとに、攻撃的なリフと、ルカの高音ですがやるせない感じを含んだギターソロが続きます。
そしてまた、美しくも哀しいメロディが始まり、絶望感のままこの曲は終わります。
ファビオの丁寧な歌声が、さらに悲哀を引き立てています。
7.The Wizard's Last Rhymes
アントニン・ドボルザークの交響曲「新世界」を全面的に使用しています。
う〜〜ん、あまりにも原曲のイメージが強くて、最初のうちは戸惑ってばかりでした。
あの新世界をラプソディ色に染め上げたのはすごいです。原曲の良さを生かしながら、メタル要素も、ファビオの情熱的なボーカルも、オペラ的な要素も練りこみ、堂々と演奏しています。あまりにも壮大です。
もともとラプソディは、メタルとクラシックの融合なんですが、これはクラシックの原曲を採用したことからして、完全に融合しています。
前作のサードアルバムである、Dawn Of Victoryで、Rhapsodyはヘヴィー路線を押し出すようになりました。
私はこのようなヘヴィー路線が続くようなら、もうそれほどはのめりこめないと思っていました。単なるそこらのヘヴィメタバンドとそう変わらないと思っていました。こってりしているRhapsodyではありますが、それを補ってあまりある叙情的なナンバーがなんとも美しく感動的で好きだったからです。
その私の願いが通じたのか、今回の4枚目の前編であるこの『Rain
Of A Thousand Flames』は、バロック調のメロディが戻り、さらにRhapsodyでは初めてじゃないかと思える、生ピアノを使った曲(AとB)の出来がものすごく良くて、これからのRhapsodyの活動に期待が持てます。
上にも書きましたが、ピアノの叙情的な演奏があまりにもルネに似ていてびっくりです。クラシックとロック、さらにトラッドとの融合は、スローなナンバーになると、結構同じ傾向になるのかも知れません。今までピアノを使っていなかったから気付かなかったのですが、全然違うアプローチではないと思います。
そしたら、もしもRhapsodyがアコギを使ったら、どういう音になるのかなぁ〜?ゼヒやってもらいたいものです。
その他の曲は、今までのRhapsodyを踏襲しています。変わることのない、スピード感溢れるヘヴィメタをやっています。そして、何となくギター音が美しく聴こえるのよね〜。
特筆すべきなのは、5曲目のElnor's Magic Vallyです。ロックファンも、トラッドファンもはまることでしょう!!
Power Of The dragonflameへ続く