Rhapsody
Dawn Of Victory
背景・・・魔の軍団を打倒すべく、究極のポジティヴ・フォースを持つ“エメラルドの剣”をようやく手中にした“氷の戦士”は、魔法の国を守護すべく、悪の侵略者と戦う。
友を失い希望が断たれようとする中で、“氷の戦士”はリヴェンジに立ち上がる。
1.Lux Triumphans
いつものRhapsodyらしい、荘厳さと大仰さを前面に押し出した導入です。
このパターンは崩すことはないのかな? あまりにも彼ららしくて笑ってしまいます。
2.Dawn Of Victory
これもお決まりのパターンで、スピード感のある2曲目に仕上げています。
手に入れたエメラルドソードで、暗黒王から祖国を取り戻す戦いの幕開けを告げています。
3.Triunph For My Magic Steel
攻撃的でいて美しいイントロが印象的な素晴らしい曲です。
全体的にオーケストラオアレンジが加わっていて、それがヘヴィーな曲をもう一段高い作品に仕上げています。3分ちょっとのところで終わらせると、ただのヘヴィメタになってしまいますが、Rhapsodyはそれに中世的なメロディの間奏によるひねりを加え、力強さの中に信じられないくらいの流れの良さを表現しています。
4.The Village Of Dwarves
曲の旋律そのものは、それほどでもないと思うのですが、アレンジがとにかく美しいです。
冒頭のスキャットは、ファビオのものなのかなぁ。
ラプソディの良さは、曲そのものの魅力というよりも、アレンジの凝りようとそれらのつながりの良さにあるのがよくわかります。
5.Dager, Shadowlord Of The Black Mountain
陰と陽、静と動を、それほど重くならず軽く表しています。
これもクラシカルやトラッドのサウンドを取り入れています。
私はこうゆうシンプルな曲を歓迎しているのですが、なかなかやってくれないのです。
6.The Bloody Rage Of The Titans
最強戦士であるタイタンを召喚して戦う場面です。
どうも似通って聴こえてしまうRhapsodyの各曲ですが、この曲の個性は際立っています。
地に足がついたような、コーラスをたっぷり取り入れたサビが特に印象的です。
ギターソロも美しく、曲とマッチさせているのに、情感たっぷりです。もうちょっと長めに聴かせてくれたらさらにうれしいんですけどね。
7.Holly Thunderforce
これはまた力強い曲です。ファビオのボーカルは、珍しく声を絞っています。
これまでのアルバムでは、このあたりでスローでメロディアスな曲を入れるのですが、サードではメタル調で押していきます。今回は戦いの場というコンセプトを押し出しているんでしょう。
ボーカルスタイルがロニー・ジェームズ・ディオに酷似しています。
8.Trolls In The Dark
いきなり始まる幼児による、“なななななな〜なな、ななななな”の純真無垢な歌(なんのこっちゃ?)に心が洗われます。
はっとする束の間、このアルバムでは一番長いギターソロを、スピーディーかつクラシカルフレイバーたっぷりに聴かせてくれます。
9.The Last Winged Unicorn
Trolls In The Darkを引き継いで、そのままの勢いを保って始まります。
早弾きのギターソロが爽快です。(←そうかい?:いちいち反応しちゃう。。^^;)
キーボードは、重厚で荘厳な中にも流れるようなフレーズが時たまあり、キラリと光っています。
10.The Mighty Ride Of The Firebird
さぁ、ラストはこれまたお決まりの大曲だぁ〜〜!!
よくぞここまで大仰に仕上げてくれたものです。
静と動のメリハリがめちゃくちゃ利いた、とんでもない曲です。次への展開は、聴き勧めないと予測できません。いや、聴いていてもわからないわぁ。これも、前作同様1曲目を一部取り入れています。
賛否が分かれてしまうと思います。これを盛りだくさんと楽しんでくれる人は、完全にRhapsodyの世界へのめりこめるでしょう。疲れる人は。。。多分正常です。^^;
はじまりのフルートの美しさと、終盤のドラマチックな終わり方には、満足感を覚えます。
今回の『Dawn Of Victory』は、今までと違って、ヘヴィーさを前面に押し出しています。
これまでなら、ヘヴィーな曲とスローな曲を交互に配置していたのですが、後半ではほとんどヘヴィーで通しています。スローさは、曲の中に取り入れ、さらに複雑にしています。
それがいいか悪いかは、個人の感性によって違いますが、私はこれほどヘヴィーでない方が好きです。
ギターソロもたっぷりあるようなんですが、キーボード音と連動していて、ギターの音だけをなかなか拾えなくて残念です。それは、曲としてのまとまりがいいということにも繋がるんですが、私はどうもその素材ひとつひとつがわかるような音作りが好きなので、これほど作り込まなくてもいいのではと思うのです。
これは単に私の要望です。これを抜きにして聴いてみると、今回も捨て曲がなく、クォリティの高い作品が目白押しです。いやぁ〜、疲れるぜい!
完成されつくしています。ただでさえ完成されていたと思うのですが、それ以上の完成ってあるものだと気付きました。
Rain Of A Thousand Flamesに続く