「え……?」

名雪と浩平の、決して大きくはない呟きは、けれど香里の耳にはしっかりと届いていた。
また、視力に問題のない香里に、目の前にいる者が自分の知り合いだということが……祐一と茜であることが、わからないわけもない。

けれど、それでもなお、香里は事態が把握できない。
意味のない呟きが、かろうじて口から漏れただけ。
それ以外に、反応らしい反応はとれなかった。

視覚も、聴覚も。
人間が外部から情報を得る際に使う感覚の中で、そのほとんどの役割を担う二つの感覚が示していることだというのに、理解できない。
導かれたその答えを、彼女の脳は受け入れることができないでいる。
端的に言ってしまえば、その時、香里の触覚とでも言うべきものが、視覚や聴覚が導いたものとは異なる答えを示していた。


“こんな空気の持ち主に、心当たりはない”


そう、香里の脳に信号を送っていたのだ。
そしてそれ故に、彼女は事態についていけなくなっている。



『誰? 誰なの?』

知らず、そんな疑問が頭を過ぎる。
突然の出来事と、不可思議な感覚と、想像もできないような現状が、彼女から冷静な思考を排していた。
普段はほとんど頼ることもない触覚という感覚。
だが、それだけに、今回鋭く送られてきた信号に、頭は過敏に反応を示さずにいられない。

『何で……?』

先の疑問の解も決定できないうちに、さらに香里の脳裏に浮かんでくる疑問。
ぐるぐると頭の中を駆け回る疑問。

なぜ、彼らがそんな空気を纏っているのか?
なぜ、彼らが神器を奪うのか?

わからない……わからない……

学年主席が聞いて呆れる……そんな内なる声が、聞こえてきた気さえする。
もちろん、そんなものは錯覚なのだろうが。
そのくらい、彼女は混乱していたのだろう。



栞の命を助けてくれた彼が。
栞の心を助けてくれた彼が。
あたしの心を救ってくれた彼が。



何で?

どうして?

わからない……

あたしには……

わからない……












神へと至る道



第19話  優しさは時に












静寂……それは、一瞬のことだった。
神器が奪われ、その奪った人間が学園の関係者であるという、信じられないような事実。
そしてまた、それを会場の人間が理解するよりも早く、更に別の乱入者が登場。
そんな常軌を逸したと言ってもいいような状況が、人々から言葉を奪う。

学校関係者とはいえ、触れることさえ禁忌に近しい神器を横合いから掠め取った盗人。
逆光のため、シルエットしかわからないものの、それでも間違いなく学園とは無関係な人間。
そんな招かれざる者達の出現のため、静寂が武闘会場を支配せんとばかりに広がる。

けれど、それは一瞬。
静寂をもたらした者が場の異端者であれば、それを破壊する者もまた、その彼らであった。



無表情に立っていた祐一が、屋上に立つ人物の言葉に、そのエネルギーの高まりに、まるで呼応させるかのように、自身のエネルギーを解放する。
その瞬間、会場の人間には、彼の全身から光が噴出したかのように見えた。
恐ろしいほどの力の高まり。
見るだけで気圧されるくらいに、それは苛烈。
平和な世界にいる人達には、まるで縁のない世界。
ほんの少し前の武闘会の熱狂さえ凍らせるほどの奔流。

観客席にいた人達は皆、ただ息を呑む。
凍りついたようなその表情は、まるで呼吸を忘れたかのようだ。
武闘会でさえお目にかかれなかったほどの強力なエネルギーを目の当たりにすれば、それも仕方がないだろうが。

誰もが、言葉を失い、意識を奪われ、ただ目を見開くのみ。
表情を変えていないのは、彼の隣にいる茜くらいだった。



「何のようだ? まぁ、聞かなくても想像はつくけどさ」

エネルギーを展開した状態を保ったまま、祐一が屋上の男に問いかける。
二人だけしか、今この場にはいないような会話。
観客席で静止している時間は、まだ動き出さない。

「はん、わかってるんだろ? 現行犯だからなぁっ!」

静寂が支配していたのは観客席だけだ。
男はまた、そんな祐一の言葉に、浮かべていた不敵な笑みを、さらに深くする。
それは、見る者に恐怖を喚起させるような笑み。
確かな喜びを表情に出しながら、男は吼える。

「さぁ! やるぜ!」

それでも、祐一は動じない。
まるで、この事態を予想していたかのごとく。
祐一の顔に微かに浮かぶ笑み。
まだ、会場の空気は凍りついたままだった。
そんな空気の中で、祐一が突然視線を男から逸らし、自身の横に向かって、大声で叫んだ。

「今だっ! 留美!」
「っ!」

その声に反応するかのように、祐一が目を向けた方向から、先の男と祐一と同じように、凄まじいエネルギーの高まりが発現した。
流れと呼ぶのも生温い……ほとんど爆発に近しい勢いで、エネルギーが展開される。
反射的に、その方向を向く男。



と、その一瞬の隙をついて、茜の右手が閃く。
その右手にあるのは、つい先程神器を掠め取った、鞭のようなもの。
茜の手の動きに連動して、それが、意識を逸らした男へと、一直線に向かう。



それは、透き通るような、けれど同時に深海を思わせるような、そんな深い蒼だった。
一切の不純物を取り除いた湖ならば、こんな色になるのではないか、と。
そう考えたくなるくらい、それは深く純粋な蒼色だった。
もはや、武器ではなく芸術作品にも近しく思える。
それほどに、その蒼は見る者を惹きつけて止まない。

けれど今、それは美というヴェールを取り払い、まるで津波のように男へと襲いかかる。
恐ろしいほどの速さで、蒼い輝きが、男に対して牙を剥いた。
細身の剣のようにしか見えないにも関わらず、それは触れれば砕かれると思えるくらい、強烈な力に満ちている。



「ちぃっ!」

あのエネルギーの高まりはフェイント……気付いた時には手遅れだ。
単純なトラップだったが、高揚していた男は見事に引っかかった。
警戒していたのならともかく、不意打ちに近い今の茜の攻撃に対し、男は回避以外の選択肢は取れない。
自身に目掛けて押し寄せる蒼い輝きを目にして、舌打ちと同時に、男が天高く飛び上がる。
けれどそれも、祐一達の作戦通りだった。



「あははーっ、見事に引っかかって下さいましたねー」

男が、茜の攻撃を回避したと思った瞬間に、そんな声が彼の耳に届けられる。
反射的に声のした方向に、男が目を向ける。
それは、飛び上がった彼よりも、さらに上空。
そこにいたのは、巨大な竜に乗った二人の少女。

「なっ!」

男の表情に、少なからぬ驚愕の色が浮かぶ。
空高く跳び上がっている状態では、何の対処もできない。
それを把握しているからか、二人は余裕の表情だ。
おそらく、この瞬間まで、ずっと上空に待機していたのだろう。
と、男の思考を遮るように、そのうちの一人が、自分の身長ほどはあろうかという巨大な扇を、涼しい笑顔で振りかぶる。

「それじゃ、行きますよーっ」


――精霊達の息吹(ブレス・オブ・ロード) ――


少女がその扇を振り下ろすと、男に猛烈な烈風が襲いかかった。
強風などというレベルではなく、正しく人が吹き飛ぶほどの烈風。
およそ地上では、人が経験できないほどの空気の暴走。
呼吸もできないほどの烈風に、男はなす術もなく吹き飛ばされ、地面へと猛スピードで突っ込む。



衝撃の瞬間。
揺らぐ大地、響く大音響、舞い上がる土煙。
それはもはや、落下というよりも墜落だった。
凶悪と称していいだろう攻撃の応酬は、会場の人間から、落ち着きをさらに遠ざける。
そして、場は再び静寂に包まれた。





羽ばたきと共に、少女二人をのせた巨大な竜が、祐一達の近くに降り立った。
その巨体を大地に根ざすように下ろし、竜が静止する。

竜は、その体表を艶やかな緑色の鱗で固めており、生半可な武具では、傷一つつけられそうにない。
地面に降り立った状態でも、その体高は五メートルを下らない。
改めて見れば、本当に巨大な体を持っている……人間の十人やそこらなら軽く運べそうなほどに。
それがまた、会場の人間に威圧感を与えて止まない。



この世界において、竜という生物は、それほど多くはないにしろ、決して珍しい存在ではない。
魔獣の中で最強と謳われる存在……それこそが、魔竜である。

詰まる所、ハンターを目指す者にとって、魔竜の存在を知らないというのは、賞金首の存在を知らないというようなもの。
極めて強力な存在であるが故に、その存在や危険性については、重々教え込まれているのだ。
だから、決して珍しい存在ではない。

しかし、それは存在が確認されているというだけだ。
実際に竜を目の当たりにしたことのある者など、この学園にはいなかった。

もっとも、それは当たり前のことである。
そもそも魔獣は極めて危険な存在であり、ましてやその頂点に立つ魔竜ともなれば、危険度は確実にA級。
これはすなわち、A級レベルのハンターでなければ、逃げることさえ難しいほどの強さを持っているということを意味している。

そして、そんな魔竜の中にあって、今この場に立っているのは、それこそ伝説級の存在かと見紛うほどの威圧感とエネルギーに満ちている、そんな竜。
どこまでも強く、限りなく気高く、そして美しく。

非現実的な光景を目の当たりにし、会場の人間達は、自分達がおとぎ話の世界にでも迷い込んでしまったのか、と錯覚してしまう。
それほどまでに、これは不自然な光景であり、強大な存在だったのだ。

何より恐ろしいのは、その魔竜が、学内でも何かと有名な舞と佐祐理の二人に、完全に従っているという事。
魔竜の二人への態度は、紛れもなく従者の主人に対するそれであり、暴れ出す素振りなど微塵も見せていない。

どこまでも違和感に満ちた光景。
しかし、それは間違いなく現実。
驚いているのは会場の人間だけで、祐一達は、驚く様子など、欠片ほども見せていなかった。
それこそ、舞台に立つ役者のごとく、会場の人間を気にも留めずに会話を交わし始める。



「祐一さん、茜さん、作戦通りですね」
「祐一、茜、大丈夫?」
「おう、バッチリだったぞ、舞、佐祐理」
「舞さんも佐祐理さんもお疲れ様でした」

降り立った二人を、当然のように出迎える祐一と茜。
何もなかったかのような振る舞い。
その言葉には、僅かの動揺さえも見受けられない。
さらにそこに、男を引っかける一番手となった留美も歩み寄ってきていた。

「祐一っ、まだあの人が来てないけど、大丈夫なの?」
「大丈夫だって、留美。こんだけ派手にエネルギーを展開したんだ。無視するわけもないだろ」

若干心配そうな留美の声に対し、祐一は軽い調子で答えた。
その隣では、他の三人も頷いている。





「やるじゃねーかっ! てめぇらぁっ! そうこなくっちゃなあっ!」

と、そこで、咆哮とともに、大地に叩き込まれた男が立ち上がった。
大気を震わすその叫びに、祐一達の視線が集まる。
体は、さすがに無傷とはいかなかったが、大してダメージを負っているようには見えない。
男の声には、攻撃されたことに対する怒りはなく、強い者の存在に対する歓喜しか感じられなかった。
男が大地に両の足で立ち、ようやくそこで男の容姿が明らかになる。



身長は、少なく見積もっても二メートルは優に超えているだろう。
鋼を思わせるような肉体は、もはや全身を筋肉の鎧で覆っているとしか表現できない。
髪は鮮やかな金色をしていたが、伸ばし放題にされており、ほとんど手入れもされていないことが一目でわかる。
腰辺りまであるその長い髪は、見事にぼさぼさだった。
少なくとも、どう見ても紳士には見えず、むしろ荒くれ者と言った方がいい風体。



そんな見るからに粗暴な男の、恐ろしい笑みを伴った叫びに、会場の人間は震え上がる。
もっとも、それは外見だけによるものではないだろう。
一部始終を見ていた観客達にとって、あれほどの衝撃を受けてなお立ち上がれるレベルの能力者など、見たことがないのだから。

武闘会に出場した面々は、特にその傾向が顕著であった。
香里や浩平は、じっと耐えてはいるが、小刻みに震えていた。
北川などは、すでに立っていられない状態である。



けれど、それも仕方がないことだ。
強い者ほど、強い者には敏感になる。

強者は強者を知る。
観客席の人間は、目の前の事態に恐怖している者がほとんどだろうが、少なくとも今大会の八強に出揃った面々は、純粋に男の能力者としての力を恐れているのだ。
そのくらい、男が纏うエネルギーは厖大だった。





「へぇ、まだやる気か?」

しかし、その敵意を真っ向からぶつけられている祐一達五人は、全く動じていない。
全員が、涼しい顔で男のプレッシャーを受け流す。

「……でも、無駄です」

祐一の言葉から一拍置いて、茜が静かに口を開いた。
静寂の中、彼女の凛とした声が響く。
当然、男は黙っていなかった。

「あぁ?! ふざけんじゃねぇっ! 俺はお前らを殺すためにここまで……」
「そこまでですよ」



男が言葉を続けようとした瞬間に、何の前触れもなく、屋上に人影が現れた。
静かだが、力を持った一言で、男の言葉を遮る。
それから、その人影は、躊躇うことなく屋上から大地に降り立ち、そのまま祐一達の近くまで歩み寄ってくる。



現れたのは、さらさらの金髪を風になびかせた、美しい女性だった。
どうみてもアジア系の顔ではなく、ヨーロッパ系の、彫の深い顔立ちをしている。
飾り気のない黒一色の衣装に身を包んでいるが、それが却って彼女の気品を高めていた。

戦場には明らかに似合わない相貌だったが、彼女は確かな足取りで、祐一達の傍まで近づいてくる。
優雅に、軽やかに。
顔には微かに笑みさえ浮かべながら。
滑るように、という表現がぴったりの足運びで、ほどなく男の隣まで来る。

「何のようだ?! アリエ……」

男が怒りの表情で怒鳴り声を上げようとした瞬間、歩いていた女の右手が閃いた。
次の瞬間、男が縫いとめられたかのように動きを止める。

「……すぐに頭に血が上るのは、あなたの悪い癖ですよ」

動かない男を冷静に見ながら、どこか諭すように言う。
その言葉は、表情と同じく、どこまでも穏やかなものだった。
祐一達が間近にいたが、それを気にも留めていない。
そして、それは祐一達も同様だった。

祐一達に剥き出しの殺意を向けていた男と、その仲間らしき女。
けれど、男が動きを止められてからは、誰一人攻撃の素振りさえ見せない。
どうにも不自然な光景だった。








「ご迷惑をおかけしましたね……大丈夫ですか?」

男の動きを完全に封じ込めることができたことを確信したのか、優雅な所作で、彼女は祐一達に向き直った。
祐一達もまた、友好的とは言えないまでも、それでも穏やかに返す。

「あぁ、予想してたことだからな。別に問題はないさ。えっと、“ナンバー1”って呼んだらいいんだったか」
「えぇ、そう呼んで頂ければ結構です」

女――ナンバー1は、穏やかな笑みを浮かべて答える。
それに対して、一つ頷く祐一達。

「となると、彼は、ナンバー7、と呼べばいいんですか?」
「えぇ、そうですね」

佐祐理の問いに対しても、彼女は表情を変えずに返す。
優雅な微笑を湛え、同じく優雅な所作の佐祐理と言葉を交わしている姿を見ると、それはまるで社交会場でのやり取りのように見える。
そのくらいに、彼女は一つ一つの所作が洗練されていた。





「ぐ……」

男――ナンバー7が呻き声を漏らす。
それを見て、ナンバー1が小さくため息をついた。

「さて、もういいでしょう? 帰りますよ」

そう言ってから、彼女は観客席から飛び降り、呻く彼の傍まで近づくと、その足元に屈みこむ。
それから、何かをしているようだった彼女が立ち上がった時、彼が舌打ちする音が聞こえた。

「くっそ、これが上の指示かよ?」

どうやら彼は解放されたらしく、不満げにナンバー1を睨みながら、不平を口にする。
そんな睨みにも、彼女は全く動じない。

「えぇ、そうですよ。私達の仕事は別にあります。勝手な行動は許されません」

毅然とした態度で、はっきりとそう告げた。
その言葉を聞いて、ナンバー7の表情がさらに不機嫌なものに変わる。

「ちっ。せっかく面白い戦いができるはずだったのによ」

荒れた様子で、けれど祐一達に襲い掛かったりはせず、くるっと回転し、出口へと歩いていく。
それを見たナンバー1は、苦笑を浮かべつつ、祐一達の方を見上げた。

「では、これにて。くれぐれも無茶な行動は慎んで下さいますよう」
「あぁ、わかってる。俺達だって、あんたらを敵に回したくはないんだ。約束は守るさ」
「それなら結構です」

交わされるそんな会話。
満足そうに頷いてから、ナンバー1は優雅に一礼し、身を翻す。
それから、振り返ることもなく、二人はその場を立ち去っていった。















「祐一っ! どういうこと?!」

二人が立ち去ってからほどなくして、名雪が硬直が解けたのか、急にその場を立ち上がり、祐一に向かって問いかける。
いや、それはもう、問いかけというより叫びに近かった。
彼女が浮かべているその悲痛な表情を見る限り、彼女が目の前で起こったことを認識し、半ば受け止めていることは間違いないだろう。
そして、その結果、自分達に何が訪れるのかを理解しているだろうことも。

それでもなお、問わずにはおれないのだろう。
その気持ちを理解したのか、祐一が、名雪達の方を向き、静かに口を開いた。

「見てのとおりだよ。俺達はただの学生じゃなかった。それだけさ」
「……何? 祐一、何言ってるの? わたし……わたし、わかんないよ! ねぇ、祐一?!」

祐一の、静かな返答……まるで、事前に考えていたかのように、それは滑らかに彼の口を飛び出した。
それを聞いて、名雪が、今度こそ紛れもない叫び声を上げる。
その言葉には、困惑、悲しみ、恐怖……そういった感情が入り混じっていた。



「そ、そうよぅっ! 祐一、何やってるのよ?! 神器を返して謝りなさいよっ!」

名雪の言葉に追随するかのように立ち上がる真琴。
こちらは、悲しみというよりも、怒りの方が強い雰囲気だった。
あるいは、名雪と違って、これから起こることを感づいていないだけなのかもしれないが。



「それはできませんよ、真琴さん」

茜の表情は、変わらない。
悲しくなるくらいに、それはいつものとおり。

「私達がこの学園に通ってたのは、このためだったんですから」
「……武闘会じゃないと、手に入れられないから」

茜の言葉に続いた佐祐理も舞も、やはりいつもどおりの表情。
話す口調は、どこまでも冷静で、落ち着き払っていた。
けれど、その内容は、当たり前の口調で話されていいことではない。

「ばっ……神器を盗むために学園にいたってのか?!」

二人の言葉を聞き、北川が驚愕の表情に変わる。
信じられないという目で、祐一達を見る。

「そういうことだよ」

が、祐一の返答は、やはりどこまでも冷静だった。
間違いなく、自分達の意志で、神器を奪ったのだ、と、彼は告白した。





「……生徒会の人間として、黙っているわけにはいきませんね」

祐一の言葉が引き金になったのだろうか。
そんな言葉と同時に、生徒会の役員である久瀬と斉藤が、一歩前に出る。

「……倉田さん。あなたまで犯罪行為に手を貸しているのですか?」

冷静ではあっても、やはり隠し切れない驚愕の色。
久瀬は、地元の名家である倉田家の長女たる彼女が、こんな行為に手を貸しているとは、俄かには信じ難かった。

既に引退しているとはいえ、この地方において、倉田家の名は、決して弱いものではない。
表舞台から姿を消して久しいが、その影響力は、依然として有効なものだった。
それなのに、娘が犯罪行為に……しかも学園の宝である神器の強奪に携わるなど、およそ正気の沙汰とは思えない。



「今ならまだ間に合います。大人しく神器を返して下さいませんか?」

久瀬が、静かに説得を試みる。
学園内で起こった出来事だから、今すぐに神器が返還されれば、罪も決して重くはならない。
もし説得に応じてもらえるならば、可能な限りの弁護を、彼は祐一達のためにするつもりだった。

同時に、説得に応じてもらえないのならば、武力に訴えることも辞さない。
彼もまた、覚悟を決めていた。
けれど。



「久瀬さん。佐祐理はもう、“倉田家の”佐祐理ではありませんよ。“ただの”佐祐理です。それに、申し訳ありませんが、いずれにせよ神器を返すことはできません」

佐祐理は、言葉こそ丁寧なものの、明らかな拒絶の意思を言葉に含めた。
それを聞き、微かに顔を歪める久瀬。
だが、彼の決断は早い。

「そうですか……残念ですが、仕方ありません。力に訴える手段はとりたくありませんが」

そう言うが早いか、久瀬の周りにエネルギーの塊が五個出現する。
確かな力強さを感じさせるエネルギー。
そして、出現すると同時に、祐一達の方へと、それは襲いかかった。

けれど、それが見えていないわけでもないだろうに、祐一達は、動く気配すら見せない。
そのことに久瀬が疑問を抱くよりも早く。



「あははっ、だーめだめ。こんなんじゃ私達は止められないよ」

微動だにしない祐一達の前に、突然一人の少女が現れた。
少女――詩子の手には、きれいな刺繍が施された、カラフルな布が握られている。

「ほいっ」

詩子が、そんな軽い掛け声と共に、手に持った布を一振りする。
そこに吸い込まれるように飛来するエネルギー球。
と、振るわれた布に触れた瞬間、それらは全て消滅していた。
一切の衝撃も、一切のダメージも、そこにはない。
まるで、その布にエネルギーを全て吸い込まれてしまったかのようだった。

「なっ……」

信じられない、といった表情で呻く久瀬。
避けられたのでもなく、防がれたのでもなく、まるでなかったことにされたかのような状況に、彼は驚愕を隠せないでいた。

「ナイスタイミングです、詩子」
「当然だよ、茜」

場の空気も忘れたかのように、茜と言葉を交わす詩子。
その態度は、敵視する人間の前でとるものとは、およそ思えない。
まだ、目の前にはそういう人間がいるというのに。





そんな隙を目にしたからか、斉藤が、予備動作なしで、刀に手をかけて祐一に迫る。
居合い……斉藤が最も得意とする技だ。
彼が動き始めた次の瞬間には、既に一足飛びで間合いに入っていた。
しかし、今まさに刀が閃くか、と思われた瞬間に。



虚空から突然現れた、甲冑を着込んだ、身の丈三メートルはあろうかという騎士が、抜刀寸前の斉藤の刀の柄を掴んでいた。
斎藤の動きごと剣を止めるほどに、その騎士の腕は力強さに満ちている。

「何だ?! この……」

斎藤の驚愕の言葉は、けれど最後まで続けられなかった。
一瞬の溜めの後、騎士が腕を振るうと、斉藤は元いた場所よりさらに後方へと吹っ飛ばされる。
かなりの速度ではあったが、追撃があったわけでもないので、彼も危なげなく着地はできた。

だが、斉藤の表情には、確かに敗北感のようなものが浮かんでいた。
不意打ちでも通用しなかったのでは、たとえ再び攻撃を仕掛けようとも、届くことはないだろうから。



『ごめんなさいなの』

いつの間に現れたのか、澪が、ペコリと頭を下げた後、スケッチブックに書かれたその文字が斉藤に見えるように、それを精一杯高く掲げていた。
そのことが、さらに斉藤の敗北感を高めたりしているのだが、澪はそのことには気付いていない。

彼女のすぐ隣には、先程の騎士が跪いていた。
それはまさに、姫に忠誠を誓った騎士の姿だった。
全身を白銀の甲冑で覆われているため、表情どころか、中身があるかどうかさえ確認できないが、その動きは確かに人間のそれ。
と、その直後、騎士が再び虚空へと消えた。





「お待たせしました」
「話は終わった?」
「……って、まだみたいね」

一瞬にして訪れた静寂を破る声。
少し離れた位置から、美汐とみさきと雪見が、祐一達の所まで歩み寄ってくる。
三人の表情は、やはり落ち着いたものだった。
祐一もまた、落ち着いた声音で返事をする。

「あぁ。まぁ、あんまり愉快な話じゃないからな」
「そうですか……まぁ無理もありませんけど」
「うん、そうだね」
「とりあえず、あの二人がいなくなってるんだから、問題はないけどね」

そんな言葉のやり取りの後で、祐一達は、改めて名雪達の方へ向き直った。
交わされる視線と視線。
けれど決して、想いが交わることはない。










「……何でだ? 何でだよ? 何でお前らが、こんなことを……」

浩平は、悲痛な表情で、搾り出すようにして、そんな言葉を口にする。
隠し切れない苦しみの色が、浩平の声にはあった。
今まで、浩平がこんな表情をしたところなど、学園の誰も見たことはない。

いや、たった一人、瑞佳だけは記憶にあった。
悲しい記憶……忘れたい記憶……忘れている記憶……
そんなことも思い出し、悲しげな表情をさらに色濃くした瑞佳は、浩平を無言で見つめているだけ。



「……それは、言えません」

茜は、ただ静かに答える。
変わらぬその表情からは、感情を読み取ることはできない。

「どうしてだよ?! 茜?! 今からでも遅くはないだろ?! だから……」

さらに悲痛の色を濃くする浩平の表情。
絶叫にも近い言葉。

「浩平……」
「……?!」

と、そんな浩平の言葉を遮るように、茜が、徐に浩平に向かって深く頭を下げる。
そして同時に……



「ごめんなさい」



窓辺に揺れる風鈴のような、涼やかな、透き通った声が、茜の口から発せられる。
それは決して大きな声とは言えなかったが、それでも、その場に深く深く、染み入るように響いた。
耳ではなく、頭でもなく、それは心に響く音。
そのために、誰も何も言えなくなる。


けれど。


その声に込められているのは、謝罪の念ではない……それがわかる人は、真実を理解している人は、その場にはほとんどいない。
だが、そんなことはどうでもよかった。
会場にいる大部分の人には、どう解釈されようが構わない……ただ一人、浩平のみに伝われば、彼女はそれでいいのだから。
そしてまた、茜の希望どおり、理解できる者のみが、理解してしまったらしい。


浩平と、そして瑞佳の表情が、何よりも雄弁にそれを物語っている。
瑞佳が、無意識にだろう……浩平の方に目を向ける。
一瞬、何かを言おうとして口を開きかけるが、思い直したように口をつぐむ。
堅く、堅く……ややもすれば、何かを喋ってしまいそうな自分を叱咤するかのように、堅く……

祐一達は、ただ目を伏せていた。
茜に遠慮したのか、雰囲気に合わせたのか、見たくなかったのか……
ともあれ、時間が止まったかのような空間が、そこに形成されていた。


無言で顔を上げる茜。
その瞳には、何の感情も浮かんではいなかった。
けれどそれは、いつもどおり、とは言えなかったが。
そして、それと同時に、止まっていた時が動き出した。










「名雪、真琴……」



次に口を開いたのは、祐一。
表情は乏しかったが、それが逆に、彼の心情をより強く表しているような、そんな顔をしていた。

「ごめんな……お前達とは、ここでお別れだ」
「!」

予想していなかったわけではないけれども、それでも聞きたくなかった言葉に、名雪がビクッと肩を震わせる。
真琴は、ただ呆然としている……あるいは、まだ情報が整理しきれていないのかもしれない。

「この一ヶ月、楽しかったよ。ありがとう。だけど……俺は、俺達は、これ以上お前達と共にいることはできない」

そんな二人に、表情を変えることなく、祐一は淡々と言葉を続ける。
言う側も、言われる側も、共に辛いだろう言葉を、淡々と。

そんな言葉が紡がれてゆくにつれて。
祐一の言葉が脳裏に染み入るにつれて。
名雪の瞳が静かに揺れる。



「何で……? どうして……? どうして、そんなこと、言うの? ねぇ、どうして……?」

震える声で。

「ねぇ、ゆういち……? わたし……わたし……」

それ以上に震える肩を、自分の手で抱いて。

「わたし、ずっと……」
「名雪……ごめん。でも、ダメなんだ。俺達は、ここにはいられない」

けれど祐一は。
名雪の言葉に被せるように。
名雪の言葉を封じ込めるかのように。
言葉を紡いだ。

絶望を与えると知りながらも、それでも、半端な希望を持たせるよりは傷は小さく済むだろう、と。
何も残してやれない祐一の、それは最後の思いやり……あるいは何よりも残酷な、優しさ。





「祐一……また、どっか行っちゃうの? 真琴を置いて、どっかに行っちゃうの?」

名雪の横で、沈黙していた真琴が、ゆっくりと口を開いた。
事態を把握し始めているのか、弱弱しく、けれど、はっきりと響く声が、祐一の耳を打つ。
一瞬言葉に詰まる祐一は、けれど言葉を止めない。

「真琴。お前はもう、一人じゃないんだ。帰る場所がある。一緒にいてくれる人がいる。もう俺に頼る必要はないだろ?」

祐一の言葉が、二人の耳に染み入った瞬間。

「嫌よ! 祐一が行くならあたしも行く! ねぇ! 連れてってよ!」
「そうだよ! いやだよ……こんなところでお別れなんて、絶対にいや!」

その祐一の言葉に、真琴と名雪が、反発するかのようにそう叫ぶ。
悲しみや苦しみや混乱や恐怖や、そんないろいろなものが複雑に入り混じった表情で。

悲鳴……もう、二人の声は、そう表現すべきものだった。
聞いている方が心を抉られるような……そんな、声。

二人は泣いてはいない。
けれど、むしろそのことの方が不自然に思える。



「ダメだ。お前達を連れて行くことはできない」

祐一は、変わらなかった。
何の感情も見せず、淡々と言葉を紡ぐだけ。
けれど、それが却って痛ましく映る。

「どうして?!」

重なる名雪と真琴の声。
悲痛の色は変わらない。

「……俺達の生きる世界で、お前達が生きていくことは、できないからだよ」

淡々と語る祐一。
お前達では足手まといだ……暗にそう言われているような気がした。

「そんなことないっ!」
「そうだよ! わたし達だって能力者なんだよ?! だからっ!」

それに反発し、二人が紡いだ必死な言葉にも、祐一は、表情を変えない。
変わらぬ表情のまま、静かに言葉を続ける。



「残酷な言い方になるけど……お前達は、勘違いをしている」
「……勘違い?」

呆然と目を見開いた状態のまま、二人が祐一の言葉を復唱する。
そんな二人に対し、祐一は、はっきりと告げた。

「あぁ。お前達は……能力者じゃない」

この部分だけは、本当に残酷な響きがあった。
そのことが伝わったらしく、二人は文句を言おうとするも、結局口を噤んだ。
祐一は、さらに話を進める。

「能力を使えることは認める。だがそれでも、お前達は能力者じゃない。能力者の定義は、そんな甘いものじゃないんだ」
「そ……」
「名雪、真琴」

そんなことない……そう言おうとした声に被せて、祐一が、二人の名を呼ぶ。
言葉を止める二人。

「それを抜きにしても、お前達を連れていけないことに、変わりはないんだ」
「……何で……?」

薄々わかっているのだろう……二人の声にも覇気がなくなってきていた。
そう、たとえ、自分達がこれ以上、何を持ち出して何を論じたとしても、祐一は答えを変えないことを、もう二人は感じ取っていた。

じわ……と。
二人は、視界が揺らぐのを感じる。
景色の中の色々なものが溶け合っていく、その一歩手前。



「お前達は、この学園に、仲間に、そして何より、秋子さんに、永遠の別れを告げることができるのか?」



そして突きつけられる過酷な選択肢。
がん……と。
頭を殴られたような、そんな気さえした。
母を……仲間を……家を……切り捨てることが、できるか?
そう問われたならば、首を縦に振ることなど、彼女達にできようはずもない。

「さらに言えば、神器を強奪したお尋ね者となっても平気だって言うのか? 悲しむ者、苦しむ者を、平気で残していけるのか?」

決定的だった。
もちろん二人とも、自分の想いを軽視するつもりなど毛頭ない。
けれど、多くの人に不幸を招くと知ってなおその想いを貫くには、彼女達は優しすぎた。

祐一の言うとおり、もしここで祐一達と共にいけば、自分達も神器強奪の仲間ということになる。
そうなった時、母が、寮や学園の仲間が、どれだけ苦しむか……どれだけ辛いか……想像できない彼女達ではない。



「……そういうことだ。わかっただろ? 俺達とお前達では、住む世界が違い過ぎるんだよ」

あくまでも優しく。
限りなく冷酷に。
祐一の言葉は、そんな風に二人の耳に響いた。





「……じゃあ、祐一達は……? それで、いいの? 悲しむ人は、いないって、言うの?」

名雪の声は掠れていた。
もう、臨界点の突破は目前。
それでも、声を絞り出すようにして発する。
そうしていないと、立ってさえいられない気がしたから。

「あぁ。俺達には、俺達しかいない。そして、それで充分なんだ……」

そう言うと、祐一は目を静かに閉じる。



「なぁ……気付いてないだろうけどな。お前達が生きている世界って、本当に幸せな世界なんだ」

何かに想いを馳せるかのように。
何かをぐっと堪えるかのように。

「だから、手放すなんてバカなことはするなよ。普通に生きていけることは、本当に、幸せなことなんだから」

優しげで。
けれど、どこか儚げで。

「失ってからじゃ……遅いんだ」

笑っているのか、泣いているのか。
それさえも判別できない、様々な感情の入り混じった祐一の声に、名雪も真琴も、何の反応も返すことができない。

名雪も真琴も、悲しくて……辛くて……
でも、祐一達もきっと、悲しくて……辛くて……
そして昔、もっと悲しいことがあって……辛いことがあって……

そんなことが伝わってきたから。
だから、何も言えなくて。

堰を切って溢れ出す、想いのこもった雫を、止めることもできず。
もう、祐一の顔も何もわからなくなって。
立っているのか、座っているのかさえも把握できないまま。
ただ、受け入れるしか、なかった。















「では、行きましょうか」

しばしの静寂の後、美汐が言う。
それと同時に動き始める面々。

「そうですね……」
「もう、用事は終わったから」

何も言えない浩平達を一瞬だけ見てから、佐祐理と舞が返事をする。
そのまま、彼女達は振り返ることもなく竜の足元に向かう。

「それでは皆さん、どうかお元気で」
「うん……みんな、元気でね」

茜は静かに一礼しながら、詩子は少し沈んだ声で。
二人もまた、皆に別れの言葉を告げた。

『みんな、ごめんなさいなの。それと、ありがとうなの』
「うん、楽しかったよ、学園生活。本当にありがとう。ごめんね、みんな」
「わたし達には、神器が必要だから……だから、ごめんなさい。そして、さようなら、みんな」

澪は、スケッチブックの一ページを最大限に使って、想いを言葉にする。
みさきと雪見も、謝意と別れを、それぞれの言葉で示す。

「真希、繭、瑞佳、ごめんね。でも、あなた達と友達になれて、嬉しかったわ。ありがとう……さよなら」

留美が、特に仲の良かった三人に、申し訳なさそうな声音で、同じく別れを告げる。
それを聞いた三人は、けれど硬直したままだった。
何も言えない、状態だった。

「……もう会うこともないだろうけど、元気でな、みんな」

最後を締めるかのように、祐一が言う。
誰も何も言えない……それを見て、祐一達はその場を離れようとする。
と、その時。





「……相沢君」

沈黙を守っていた香里が、静かに口を開いた。
そこには、何の感情の色も窺えない。

「……何だ? 香里」

祐一が、振り向くことなく聞き返す。
こちらの言葉にも、何の感情の色も窺えない。

「一つだけ、聞きたいことがあるの……あなたにとって、あたしと栞は、何だったの?」

視線を祐一達から外したままで、香里が言う。
何かに耐えるかのように、その手は、きつく自分の腕を掴んでいた。

「……それは言わない」

その言葉にもまた、いかなる感情も見出すことはできなかった。
振り返りもしないので、表情は確認できないが、おそらく無表情に発したのだろう。

「どうして?」

対する香里も、感情を感じさせない声で返す。
まだ、祐一達の方を見ない。

「言えない」

祐一の声は変わらない。

「“言う意思はない”のね」

香里の言葉も、変わらない。

「あぁ」
「そう……なら、いいわ」

そこで、ようやく香里が祐一達の方に目を向けた。
同時に、祐一も香里の方に目を向ける。

一瞬だけ視線が交錯すると、祐一は、再び香里に背を向け、後ろに控えていた竜のところへ向かう。
他の九人もまた、それに倣う。



両者を同時に見ている者がいれば、気付いたかもしれない。
だが、一瞬のことだったので、そんなことができた者はいない。
だから、気付いたのは、祐一達と、香里だけ。



最後の瞬間、二人が微笑んでいたことを。



そして、誰も何もできず、何も言えず、祐一達を見送る形となった。
実際に見送っていたのが、何人いたのかはわからないが。

祐一達をその背に乗せた竜の羽ばたく音が、日常の崩壊を知らせるサイレンのように、浩平達の耳に響いていた。
そして、悟らずにはいられなかった。



もう、当たり前の光景が見られないことを。
昨日まであった笑顔を見ることが叶わないことを。
日常に溶け込んでいた人達との別離を。



流れる一筋の雫が、それを雄弁に物語っていた。
それが誰のものなのかは、わからなくても。









 続く












後書き



久方ぶりの投稿になります。

ここからは、まぁコンスタントに投稿していきたいと思います、はい。


しかしまぁ、何のかので重い話になってますね。

まぁそれはさておき、序章の改訂もあと少しです。

ホントにもう、大変過ぎです。

それでも、やっぱり改訂にも限度はあるし、正直どの程度マシになってるやら。


あと三話で、今度は過去編の改訂……こっちはさらに大変そうだ(涙)

まぁできるかぎり頑張ります。

それでは。