――四月末、保護機関本部にて――



「ようやく全員が揃いましたね」

本部内の会議室において、数人の人間が、何事かを話し合っていた。
しかし、それを会議と言うには、漂う気配が異質に過ぎる。
普通の人間ならば、ただそこにいるだけで精神を磨耗させるような、そんな空間。
張り詰めたその雰囲気にもまるで動じずに、その中心に座しているのは、十二使徒リーダーのマリア……いや、ヴァルゴ、というべきか。

「アルテマ……ようやくぶっ潰せるんだな」

震えるような声音……そこに窺えるのは、確かな悦びの色。
話すリーブラのその顔にも、彼の昂りを知ることができる。
この場において、無為に発言することは、本来あってはならないことだろう。
けれど、誰も咎めるようなことはしない。
そうする意味はないし、またその程度のことは、さして問題でもないからだ。
重視されるのは、礼儀や形式ではなく、成果。
望まれる戦果をもたらしさえすれば、それでよいのだ。

とは言え、発言したのは彼一人。
残りの四人は、ただ静かに次の言葉を待つ。



この場にいるのは、すぐ先に控えている対アルテマ殲滅戦のメンバーである者達、六人。
リーダーのヴァルゴと、アリエス、タウロス、キャンサー、リーブラ、サジタリウス。

十二使徒の他のメンバーは、それぞれ世界各国に散らばり、他のS級の監視に当たっている。
実際、この対アルテマのために集まった者達も、普段は何らかのS級を監視しているため、このように六人も揃って一堂に会することなど、滅多にない。



「まずは現状の報告からお願いします。彼らの現在の様子はどうですか?」

その言葉と同時に、つい最近までアルテマの本拠地の監視を行っていたサジタリウスへと目を向けるヴァルゴ。
もちろん彼が今ここに戻っているといっても、現在アルテマを監視している者がいない、ということはない。
十二使徒とは違う別の人間が、今もアルテマの動静を観察し、逐次報告をしているのだ。

「……変わりありませんね、全くと言っていいほど。もっとも、内部で何を企んでいるかまではわかりかねますが」

淡々とした言葉で報告するサジタリウス。
感情の起伏を感じさせないその声は、リーブラとは対照的だ。
だが、彼のまとうその雰囲気は、紛れもなく強者のそれ。
S級たるアルテマを前にしても、一歩も譲ることはないだろう。

「なるほど。準備万端、というところでしょうか」

サジタリウスの報告は、十分予想された範囲のもの。
仮にも相手はS級なのだ。
そう容易く手の内を見せてくれるはずもなかった。

「はい、そう考えた方がよろしいかと」
「そうですね。では、監視は引き続き怠らないようにお願いします。それと、彼らは……?」

次いで言葉を向けられるのはアリエス。
“彼ら”という言葉……それだけで、アリエスは全てを察した。
もっとも、対アルテマ戦を控えた今、わざわざそうした呼び方をする存在は、一つをおいて他にない。

「準備は既に整っているとのことです」

その答えもまた、予想されたとおりのもの。
ただ世界の安定のためにアルテマを殲滅せんとする十二使徒と違い、件の“彼ら”は、あくまでも私的な事情で参戦する。
そして、その事情こそが、今の“彼ら”の全てである以上、ベストの状態に持ってくることは疑う余地もない。

「では……」
「はい、五月に入り次第、日本を発つ、と言っていました」
「連絡手段は?」
「いつもどおりです」
「わかりました」

淡々と紡がれる言葉。
端的な内容ではあるが、既に実行が目前に迫っている作戦なのだ。
今更深く話すことなどほとんどない。



「では、各自準備を怠らぬよう」

最後にそれだけを言うと、会議は終了となる。
順に部屋を辞し、各々の部屋へと戻ってゆく。



アルテマとの戦闘開始まで、あと僅か……















神へと至る道



第45話  一時の休息を















――同日、日本国、祐一達の家にて――



「おーい、弁当できあがったかー?」
「もうすぐです」
「もうちょっと待ってねー」

祐一の呼ぶ声に、佐祐理と詩子の答える声が重なる。
両者の声は、どこか楽しげな響きを持っていた。



何ということはない、彼らはアルテマ戦前の、最後の息抜きをしようとしているわけだ。
だからこそ、十人が十人とも、楽しげな声で話をしていたりするのだろう。

そして、佐祐理と詩子が今日の弁当係だった。
そんな事情もあり、玄関口にはそれ以外の八人が、今か今かと二人を待っている。
もっとも、祐一が発した言葉は確認のそれであり、決して急かそうという意図があるわけではない。





「お待たせしました」
「お待たせー」

玄関口で雑談していると、ほどなくして、二人が大きな弁当箱を手に笑顔で到着した。
八人も笑顔で迎え、十人揃って家を出る。

玄関を出て、彼らが向かうのは、家の裏にそびえる山。
山といっても、標高もそれほど高いわけではなく、描く稜線はなだらかなもの。
深い森に覆われ、今、緑一色に染まる自然の宝庫だ。





「久しぶりだな、ここに来るの」
「そうね。学園に行ってた時は来る暇なんてなかったし、帰ってきてからはきてからで色々忙しかったもんね」

山道を歩きながらの祐一の言葉に、留美が同意を示す。
リラックスしていることがすぐにわかる、軽やかな声音。
浮かべる表情にも、確かな喜びとゆとりが窺える。



しかし、それも当然だろう。
季節は春真っ盛り。

青々と茂る若葉が。
木々から零れる暖かな陽射しが。
鳥の紡ぐ愛の唄が。
そこかしこに咲き誇る花々が。

それを強く感じさせてくれるから。
春ののどかな空気が、全身で感じられるから。

一切人間の手がかかっていない、自然の織り成す春が、彼らを優しく包み込む。
暖かさと優しさとのどかさが、彼らの心を安らぎへと導く。

それは紛れもなく至福。
心も体もリフレッシュされる、そんな時間、そんな空間。



「ホントホント。いいよね、やっぱりここは」
「本当です」

詩子も茜も、穏やかな微笑みを浮かべ、目で、耳で、自然を満喫している様子。
目に映る青葉が、耳に届く歌声が、彼女達の心を満たす。



「……小鳥さん」
「空気も澄んでますね」

小鳥を見つけて喜ぶ舞と、深呼吸する佐祐理。
二人とも、自然がそのままに残るこの山は、大好きだった。



「……うん、空気が美味しいね」
「そうね。癒されるって、こういうものなのかもね」

胸いっぱいに空気を吸い込むみさきと、安らいだ表情で木々を眺める雪見。
いつもは花より団子、となることの多いみさきも、今はこの自然を心から堪能しているらしい。
隣の雪見もまた、リラックスした表情で、ただ自然を感じていた。



『ここ、大好きなの』
「えぇ。何よりも、誰もいない、というのがありがたいです」

にこにこと満面の笑顔を見せる澪に向かって、優しく微笑んで返す美汐。
澪の発言はともかく、美汐の発言は、結構大きな意味を持っている。

“誰もいない”ということ。
山を歩いているのなら、他の人間に出会う可能性はゼロではない……普通ならば。
だが。





「ん。まぁ、私有地なんだから、他人に入ってこられてたまるかって感じだけどな」

祐一が、美汐の言葉に相槌を打つ。
彼もまた、静かなこの森を気に入っているのだ。



この山は、祐一達に所有権が存在する、まさに私有地。
彼らは、麓に構えた家だけでなく、その裏山など、ここら一帯を買い占めたのである。
辺鄙な地にあることもあり、比較的安いとは言え、これだけの土地を購入するとなると、それこそとんでもない額の金が必要になる。

けれど祐一達は、誰にも生活を邪魔されたくなかったから。
誰にも、このすばらしい自然を侵害されたくなかったから。
美しい自然を残したい、と思ったから。

そういう理由で、ここら一帯を私有地にしようと考えたのだ。
ずいぶんと破天荒ではあるが、それも個性だろう。

ともあれ、一帯の買占めとなると、かなり骨が折れるかと当初は考えていた祐一達だったが、これは杞憂に終わる。
それほどこじれずに話が進んだのは、彼らにとって僥倖だったと言えよう。
単に、都市から離れているこの場所の資産価値がそれほど高くなかった、ということなのかもしれないが。



何にせよ、彼らはこの山を手に入れてからは、時折こうしてピクニックやら森林浴やらを楽しんでいた。
心身のリラックスの意味もあったし、単純に自然が好きだったから、ということもあるだろう。
ともあれ、こうして山へ出向くのは、彼らにとってそう珍しいことでもないことなのだ。










「はぐはぐ……美味しいよー」
「ちょっとは落ち着いて食べなさい、みさき」
「あ、舞! それ俺が狙ってた唐揚げ!」
「……早い者勝ち」
「あははー、大丈夫ですよ、まだまだありますから」
『この卵焼き甘いの』
「あ、それは茜専用だよ」
「美味しいです……」
「う……さすが佐祐理さん。あたしもまだまだなのね……」
「何も泣かなくてもよろしいのでは?」

穏やかでのどかな風景が広がる山頂付近での、どこか騒がしく、けれど温かい光景。
遠く目を向けても、雄大な緑と壮大な青しか目に映らない、まさに絶景を拝むことができる場所
山へと足を向けた時、彼らはいつもここに来る。

山も祝福してくれているのだろうか?
歓迎してくれているのだろうか?

そう思えるくらい、彼らを包む空気は、優しいものだった。
次から次へとお弁当を平らげてゆくみさきと、それを苦笑しながら見守る雪見。
舞との熾烈な争奪戦を繰り広げる祐一に、その二人を微笑みながら見ている佐祐理。
甘い味付けのモノを避けるように食事を進める澪と詩子に、その味付けのモノしか食べない茜。
目の前のお弁当から、何やらショックを受けている留美と、それに冷静にツッコむ美汐。

それからしばらく、そんな平和な光景が展開され続けていた。
天気も五月晴れ。
風は穏やか。
空気は暖か。
山だけじゃなく、この地の全てが、祐一達を歓迎してくれているのかもしれない。










「狐さん……」
「可愛いですねー」
『ホントなの』
「可愛いです……」
「あんまりじろじろ見てると逃げられちゃうよ」

豪勢な弁当を食べ終わると、広々とした草原に体を預け、それぞれに休息をとる十人。
そのうち五人は、ひょこっと茂みから顔を出した狐に夢中。
あまり祐一達を警戒していないのか、別段逃げようともしていない。



「んー……いい気持ちだなー」
「食後すぐ寝るのは感心しないわよ、祐一」
「でも、何だか私も眠くなってきちゃったよ」
「食後すぐ寝ると牛になりますよ」
「その言い回し、古過ぎると思う」

大きく伸びをしてから、ごろんと寝転がった祐一をたしなめる声。
けれど、その顔に浮かんでいるのは、苦笑。
別に咎められているわけでもないことがわかっているのか、祐一は起きる気配を見せない。
その向こうでは、おばさんくさいと言うのですか?! とか、そ、そんな意味じゃないわよ、とか。
そんな言葉の応酬があったりしたのだけれど。





ともあれ、彼らはのんびりと時間を過ごしていた。
何に縛られることもない、静かな時間。
ゆったりと流れ、ゆっくりと過ぎる時間。
どうでもいいように見えて、その実、本当に満たされる時間。

大好きな自然に囲まれて。
大切な仲間に囲まれて。

優しい時間の中で。
優しい空間の中で。

彼らは、休日を心から楽しんでいた。










帰り道。
やはり彼らは楽しそうに笑いながら、色々なことを話していた。
けれどというか、当然というか、目前に迫った戦いについての話題は、決してそこに上ることはなかった。

休む時は休む。
きちんと休息をとらなければ、ベストの状態に持っていけるわけもないのだ。
今日は休みだ、と決めた以上、仕事のことは一時忘れることにする。



今日の彼らの目的は、心身のリフレッシュ。
けれど、そんなことをわざわざ考えずとも、のんびり過ごせたのだからそれで良い。
これは息抜きだ、などと意識してしまっては、本当の意味で休むことはできないだろう。
その点、彼らは非常に上手な休息のとり方を実践したと言える。










「さて、じゃ、準備するか」

それから家に帰り着き、夕食をとり、一服した後の祐一の言葉。
これが意味するもの、それは。

「明後日ですよね、出発は」
「もう必要なものも買ってあるし、別に準備も何もないけど」

そう……アルテマとの戦いのため、明後日にまた、この家を留守にすることになるのだ。
アルハース家に赴いた時と違い、今回はそれほど時間がかかることはないだろう。
とは言え、危険度は前回とは比べ物にならない。



何しろ、相手はS級。
紛れもない強者。
寄せ集めの人間達ではなく、犯罪請負組織。
真に百戦錬磨の能力者達との戦いになるのだ。
保護機関との共闘であるため、その全てを相手にするわけではないにしても、やはり危険度は相当に高い、と判断せざるを得ない。



「それで、向こうに着いてからは具体的にどうするんですか?」

代表するように、佐祐理が質問する。
具体的な行動予定がわかっていた方が動きやすいのだから、彼女のこの問いは至極当然のものだろう。

「あぁ、まずは、あっちが指定したホテルに入って、その二日後の午前十時に行動開始だ」

祐一が、手元の紙に目をやりながら、それに答える。
細々と字が書き詰められていることから察するに、今回の作戦の計画メモのようなものなのだろう。
祐一は、一度全員の顔を見回してから、さらに言葉を続けた。

「で、アルテマの武闘派構成員は、二つの拠点に集中してるらしい」
「あ、それじゃ、保護機関とあたし達が別れて、その二つの拠点を同時に急襲するってことね?」

祐一の言葉を聞いて、得心のいった表情を見せる留美。
それに対し、祐一は小さく頷いてみせた。

「そうなるな。一応本拠の方に十二使徒が行くらしいけど、俺達の方が楽とは限らないんで、注意しといてくれ」
『どうしてなの?』
「相手が何考えてるかわからないしな……もしかしたら、裏をかいて本拠の方を手薄にしてるかもしれない。まぁそれでなくとも、相手が相手だしな」

澪の疑問に、静かに答える祐一。
全員に警戒を促す言葉。

しかしそれも当然のことだ。
元より、能力者を相手にして、油断をしていいはずもない。
ましてや、今回祐一達が戦う相手は、紛れもなく彼らよりも格上の存在。

となれば、最大限に警戒すべきだろう。
一瞬たりとも油断してはならない……生き残りたいと願うのならば。





「あっちと合流とかするのかしら?」

雪見の質問……彼女の言ったあっちとは、十二使徒のことだろう。
あるいは様々な作戦の相談や、アルテマ制圧後のことなど、顔を合わせる機会がないとは限らない。
そう考えての発言だったが、祐一は静かに首を横に振る。

「いや、それはない。その必要もないし、何より、下手に接触すると、俺達が攻撃されるかもしれないしな」
「そうだよね、やたらに戦いたがってる人もいたしさ」
「……笑い事ではありません」

祐一と詩子が言うのは、リーブラなどの、いわゆる好戦的な者達のこと。
先の学園での出来事を思えば、接触による危険は、言を待たずとも明らか。
詩子は楽しそうな笑顔で話していたが、確かに茜の言うとおり、笑い事ではない。





「それで、潜入はどんな感じでするのかな?」

みさきが話を戻す。
当日にどう行動するのか、何か作戦はないのか……それが今の本題なのだから。
その言葉に、我が意を得たり、とばかりに口の端を持ち上げる祐一。

「うん、そこだ」
「……どこ?」

だが、舞の言葉に、一瞬祐一の動きが止まる。
その後祐一は、気にするな、とだけ言い、気を取り直すように全員の顔を見回してから、改めて口を開く。

「今回もアウェーでの戦いになる。そうである以上、相手方は準備万端で待ち受けてるって考えなきゃならない」
「そうね、保護機関の動きに気付かないわけないもの」

十二使徒がアルテマを潰そうと考えていることを、未だにアルテマが知らないなどとは考えられない。
けれど、ここに至ってもなお、アルテマに目立った動きはないらしい。
されば、彼らが迎え撃つ気満々でいると考えなければならないだろう。

となると、そこに何らかのトラップなり目論見なり作戦なりがあると考えた方がいい。
もし勝算がない、あるいは低い、と考えているのなら、何かしらの動きを見せているはずだ。



「とにかくだ。あっちが何仕掛けてくるかわからないのに、こっちはただバカ正直に突っ込んでくだけってのは、いかにもまずいし、何より気に食わない」

そう言うと、祐一が不適な笑みを浮かべる。
それは、いたずらを考え付いた子供のそれに似ていなくもなかったが、考えていることは、もっと恐ろしいことだ。
何せ、敵を殺すための、目標を殲滅するための、何らかの策なのだから。



「まぁ、真正面から何の考えもなしに突っ込むだけっていうのは、さすがにどうかとは思うわね」
「えぇ、確かに」

雪見と美汐の理論派コンビもまた、少し不敵な笑みを浮かべている。
それは、祐一の策に期待しているだけなのかもしれないし、あるいは何らかの策を自分達でも考えているということなのかもしれない。
いずれにせよ、この場は祐一に譲るつもりだったらしく、これ以上何も言うことはなかったが。



「それで、何を考えてるの?」
『どうするつもりなの?』

留美と澪は、単純に祐一の言葉を待っている。
そこに見えるのは、絶対的な信頼。
二人の言葉を待ってましたとばかりに、祐一が少し笑みを深くして、次の言葉を口にする。

「だから、こっちもちょっと意表を突いてやろうかな、と思ってな」
「もっと具体的に言ってください」
「うんうん、もったいぶるのは止めようよ」

茜と詩子が、待ちきれない、といった感じで、続きを促す。
焦らされるのは、確かにあまり気持ちのいいことでもないだろう。

とは言え、雪見と美汐は、ある程度の予想がついているのか、別に焦っている様子もない。
佐祐理はいつもどおり微笑んでいるし、舞もまたいつものとおり表情を動かさずにじっと待っている。
留美と澪とみさきは、少し焦れているように見えるが。



「あぁ。それで、佐祐理と美汐に頼みたいことがあるんだよ」
「ふぇ?」
「……なるほど」

祐一に呼ばれ、ちょっと驚いた表情の佐祐理と、納得したような美汐。
雪見もまた、納得したような表情を見せている。
それ以外の面々は、少なからず不思議に思っているようだが。

祐一は、そんな反応を見て、満足そうに一つ頷いてから、詳しい説明を始める。
話が進むに連れて、全員が、納得の表情に変わっていく。





そうして、夜は更けていった。
その日は、かなり遅くまで色々と話し合っていたが、それでも日付が変わる前には、全員が各人の部屋に戻り、就寝となった。
疲れを残すわけにはいかないのだ。

アルテマとの戦いは、もう目前に迫っている。
相手が何を企んでいるのか、その先に一体何が待っているのか、その戦いがどういう結果になるのか。
それを事前に知ることは、当然できない。

だがそれでも、先を信じて、祐一達は進む。
策を練り、先を読み、戦いに備える。
戦いの幕は、既に上がっている。









 続く












後書き



戦い前の一時です。

嵐の前の静けさって言うと大げさですが、まぁちょっとした息抜きってところで。

まぁそうあっさりと戦闘に入られるのも味気ないですし。

準備も作戦も、それぞれにあるわけで。

まぁもう少しお待ちくださいませ。