「邪魔すんじゃないわよっ!」

留美の拳が、立ちはだかる男の顔面に叩き込まれる。
驚愕に表情を変える暇さえ与えられず、男の命は散った。
だが、二人にとっての戦闘は、未だ始まってすらいない。
成すべきは、能力者の打倒だからだ。

『この階に誰かいそうなの』

けれど、それもここまで。
とある階で足を止めた澪が、厳しい表情を廊下の奥へと向けた。
向ける視線の先には、間違いなく敵がいる。

「えぇ、そうね。すごいエネルギー……燃えるわ」

敵を片付けて、澪のスケッチブックによる指摘を見るや、どこかぎらついた目を、同じく廊下の奥へと向ける留美。
その目が追うのは、未だ見えざる敵の姿。
そして、それと戦っている自分。
それはさながら、出走前にいきり立つサラブレッドのように。
連続する戦闘が、彼女の闘争本能に火をつけてしまったらしい。



『落ち着いてほしいの! 目的を忘れちゃダメなの!』

ともすれば本能に忠実に駆け出さんとする留美を抑えるのは、澪の役目。
決して楽ではない役目ではあるが、彼女を抑える手綱は必要だ。
真っ直ぐなのは留美の長所だが、それも過ぎれば危機を招いてしまう。
猪突猛進してくる相手を御することは、容易いことなのだから。

必死にスケッチブックを振って、それを伝えようとする澪。
字が乱れているように見えるのは、彼女が少し焦っているからか。



「大丈夫よ、澪。こっちは任せて。上をお願い」

その言葉に、澪の動きがふと止まる。
そして、少し考えた後、コクリと笑顔で頷いた。

どうやら、興奮しているとはいっても、それほど問題はなさそうだ。
周りに注意を払えているのならば、とりあえず安心してもいいだろう。
それに留美の言うとおり、上の階に待つ敵の相手も、誰かがしなければならないのだ。
今二人がいるこの階の敵を留美に任せるのなら、上の敵の相手をするのは当然、澪しかいない。

『わかったの、任せてほしいの』
「えぇ。後で上に行くから」
『待ってるの』

ブンブンと手を振りながら、階段を駆け上る澪を見送ると、留美もまた廊下の方へと駆け出した。
彼女の駆ける音が、静寂の廊下に響き渡る。
目的地に近づくにつれて、どんどん相手のエネルギーが高まっていくのを感じ、留美の表情に浮かぶ色が深まっていく。
そこにあったのは、確かな喜び。

どんどんと集中力も高まっていく。
熱く滾る血潮を実感できる。
グッと拳を握り締める留美。
彼女の武器はこれだけだ。
彼女の力はこれだけだ。
特別なことなど何もない、単純な力。
だが同時に、何よりも純粋な強さ。
拳一つで戦い抜いてきたからこそ、得た自信がある。





鋭く研ぎ澄まされた刃のように、触れれば切れるほどの殺気を纏いながら、彼女は敵の待つ部屋へとなだれ込む。
広いその空間で待っていたのは、一人の男。
目を閉じながら、部屋の中央で仁王立ちしている。

「……」

留美が入室して、男と相対するように立ち止まった時、彼はゆっくりと目を開く。
鳶色の瞳が、彼女に焦点を合わせている。
ほとばしるようなエネルギーの充実度に、留美の心は高揚せずにはいられない。

見るからに筋骨隆々といった風体の男。
二メートルを優に超す長身。
手も足も、それに比例して長大だ。
正しく巨体。
鍛え上げられた筋肉は、まるで鋼のように見える。
丸太のような手足による攻撃は、当たれば骨さえ砕かれるかもしれない。
顔もまた、どこか獣を思わせる武骨で凶暴な面構え。
それこそ留美と比べれば、まるで子供を見下ろす大人のようだ。
けれどしかし、彼が彼女を見る目に、侮る気配など存在しない。
また、彼女が彼を見る目に、怯む気配など存在しない。

一瞬の沈黙。
交わされる視線。
ただそれだけが、戦いの合図。















神へと至る道



第53話  二度はない攻撃















気合一閃。
裂帛の掛け声とともに、留美が立っていた床が小さく破裂する。
様子見も出し惜しみも一切なし。

最初から全力で。
最後まで全力で。

限りなく高く。
どこまでも高く。

爆発するようなエネルギーの増大でもって、自身の全てを極限まで強化し、留美が駆ける。
それは、およそ人の達し得る領域を超越しているとさえ思える世界。
人が自身を鍛え上げていけば、どこまで到達できるのか……その極限に近いのではないかと思えるほどの高まり。



だが、迎え撃つ男も負けてなどいない。
獣を思わせる咆哮とともに、彼の周囲の空気が爆ぜる。
それほどまでの、エネルギーの高まり。
こちらもまた、様子見も出し惜しみもないらしい。

両者とも、遠慮も制限も一切ない、力と力の真っ向勝負。
双方ともに、それはまさしく望むところ。
触れれば燃えるほどに、熱い戦いの火ぶたは、こうして切って落とされた。










爆音。
轟音。
そうとしか表現しようのない激しい音が、二人が交差するたびに巻き起こる。
叫ぶ声すらもかき消すほどの衝撃音。

拳といわず脚をいわず、全身を凶器と化した二人の交錯は、爆発にも等しい。
空気が震え、床が爆ぜる。
両者ともに一歩も引かない。
つかず離れぬ至近距離での、究極の肉弾戦。

その巨体に見合った力で攻める男。
男から見れば小兵としか見えないだろう留美はしかし、それに負けていない。
巨躯から繰り出される攻撃は確かに凶悪だったが、それでもエネルギーの質では、留美が一歩も二歩もリードしている。
それが故に拮抗する力。
攻防はまさに一進一退。



拳の交し合いに、空気が燃えるような感覚を覚えながらの攻防。
この時点では、双方とも未だに直撃はなかった。



そんな中で、真っ向からのぶつかり合いに限界を感じたのか、男の表情が変わる。
それを見て、留美もまた気を引き締める。

ダンッと床を砕く音。
男が、気合を込める。
一瞬後、先程までより明らかに強力な一撃が繰り出される。
狙いは留美の顔。
岩石を思わせるその拳が、空気を引き裂いて迫る。

対する留美は、しかし避ける気配すら見せない。
重心を落とし、同じく気合一閃。
攻撃の軌道を逸らすべく、男の右腕に照準を絞り、すくい上げるように振りぬく。
刹那の狂いも許されないタイミングでの迎撃。
それを成す自信が、彼女にはあった。





だがしかし、彼女の顔を狙っていたはずの男の右手が不意に開かれ、そのまま留美の左肩を力強く掴む。
それと時をほぼ同じくして、留美の右拳が男の右腕に突き刺さる。
まるで何かが爆発したかのような激しい音が、両者の耳に響く。
だが、男は表情一つ変えず、掴んだ右腕をそのままに、左腕を振りかざす。

右の攻撃は、自分を固定するための囮……留美がそれに気付くと同時に、男の左腕が唸りを上げる。
狙いは心臓。
留美の右肩を押さえつけるようにしながら、左腕で彼女の体を破壊にかかる。
その破壊力の高さに疑う余地などない。
身体を固定され、それを受けざるを得ない状況。
だが、受ければそれはすなわち死だ。





「はぁっ!」

左腕が迫るその前に、留美の力強い掛け声が発せられる。
左肩を固定され左手は使えないし、右手は攻撃直後。
手では防げないと判断し、彼女は軽く跳ぶ。
男の右手が留美の左肩を固定していることを利用して、両足を揃えて、迫る左腕に突き出す。



中途半端な姿勢ではあったが、両足による蹴りによる迎撃。
勢いこそそれほどないものの、そこに集中したエネルギーは、確かな破壊力を実現するはずだ。
乾いた炸裂音とともに、グキッという鈍い音も響く。

「くっ……!」

留美の口から、苦痛の声が漏れる。
同時に、彼女の体は後方へと吹っ飛ばされる。
そして。

「ぐぅっ……」

男の口からも、苦悶の声が漏れる。
その巨体を引き摺るように両足でブレーキをかけながら、同じく後方へと移動する男の体。










「くっ……なんて女だ」

呻くような男の言葉。
彼の右腕は、完全に折れてしまっている。
留美の拳をまともにくらった上に、蹴りの際の衝撃まで受けたのだ……もう戦闘には耐えられまい。
だが、それは彼も覚悟していたことだろう。

問題は左手……こちらは、拳が砕けている。
ところどころ骨が突き出しており、完全に修復することはできないだろうとさえ思える。
男の右手が固定していたこともあり、留美の両足のエネルギーの多くが、そこに集中してしまったせいだろう。
これでは、両腕ともに使い物にならない。



「いったー……」

左肩を抑えたまま跪いている留美。
痛みをかみ殺しているかのような渋い表情。
零れる声にも、苦悶の色が滲む。
左腕が、不自然に垂れ下がっている……どうやら、肩が外れているらしい。
痛みも強いのか、左手は小さく震えている。

だが、肩が外れたのは僥倖と言うべきだろう。
それがなければ、あるいは左肩が砕かれていたかもしれないのだから。
留美もまた、それは覚悟していた。

あの状況では、他に手はなかった。
男の左拳を回避する方法は皆無。
となれば、固定されてしまった左肩は捨てて、相手の攻撃を潰す。
相手に掴まれた左肩だけで支えられた状態で、相手の攻撃を迎撃するのだ……左肩を潰される可能性は大きかった。
どうせやられるなら、せめて一太刀浴びせる。
その徹底的な攻めの姿勢が、活路を見出した。

幸いにも、衝突のエネルギーが左肩に集中された瞬間に肩が外れたため、折れた男の右手ではその後も固定することはできなくなり、エネルギーは留美の身体を後方に吹き飛ばすにとどめた。
これは幸運だったと言うしかない。





「っ!」

ゴキッという音が、彼女の肩から響く。
痛みに歪む顔。
留美が、力ずくで外れた肩を直したのだ。
痛みはまだ強く、とても動かせる状態でもないだろうが、彼女の右腕は無事。
彼女の目は、まだ輝きを失わない。
それに対して。



「くっ……」

両腕を破壊された男。
右腕も、左腕も、戦闘以前の問題だ。
両足が残っていても、とても戦闘に耐えられないだろう。
激痛からか、脂汗を流す顔を見れば、それは明らかだ。

だが、男の目もまた、輝きを失ってはいなかった。
ぎらつくような目。
獲物を前にした猛禽のような、突き刺すような視線。
彼の心はまだ、折れていない。










「くっ……くくく」

苦痛に歪んだ顔で、男が不意に笑い始める。
いびつに歪められた口から漏れる笑い声は、まるで地の底から響いてきたかのように、暗く低い。
凄惨な笑みとはこのことか。

あまりの苦痛に気が触れたのか、と留美は一瞬思ったが、目を見る限りそれはなさそうだと判断する。
その目は、やはり彼女を真っ直ぐに射抜いていた。
彼女を倒すべき目標と認識し、それを果たすべく意志を固めている目。
断じて狂っているわけではない。



「……何がおかしいのよ」

多少苛立った口調の留美。
なぜ男が笑い出したのか、判断しかねていることが、容易に見て取れる。
元より彼女は、物事を深く考えるタイプではないため、そういった考察は苦手なのだろう。

「くくくっ……なに、大した、ことじゃない」

男は息を切らしながらも、それでも笑うことをやめない。
それがまた、留美の心に波紋を呼ぶ。

「……あなた、今の状況わかってるの?」

声にもまた、それは表れる。
棘のある声音。
それはやがて表情にも広がり、鋭い目を男に向ける。

「くくっ……わかってるさ。お前は強い。そう、俺よりも……」

もはや男の表情は、苦痛で歪んでいるのか、笑っているだけなのか、判別できなくなっている。
恐怖さえも喚起させる、明らかに異質な笑み。

「……?」

留美の心に、微かに沸き起こる疑念。
男は、自分の方が弱いと言いながらも、勝負を捨てているようには見えない。
いや、むしろ自分の勝利を未だ信じている様子に見える。

一瞬の思考。
一瞬の停滞。

留美が見せた一瞬の隙。
男には、それで十分だった。





突然跳ぶ男。
彼は、一足飛びに真っ直ぐ留美に迫る。
苦痛がそうさせるのか、凄まじい形相で。

驚愕を感じながらも、反射的に拳を振るう留美。
それは、カウンターになるはずの一撃。
だが。










何かが潰れるような鈍い音が、二人の耳に届けられる。
予想していたものとは異なる衝撃が、留美の手にあった。

「っ!」

はっきりと驚愕の表情を見せる彼女の目の前では、砕けた拳で留美の右手を受けている男の姿。
その手の様は、もはや治る治らない以前の問題だ。

このままでは危険だ、という本能の警鐘に、留美が今度は左手を閃かせる。
だが、これもまた男の折れた右手が受ける。
再び響く骨の砕ける音。
けれど男は怯まない。





「こいつで終いだッ!」

完全に砕けて使い物にならなくなった両手を、しかし振り回すようにして留美の両肩に当てる。
感覚もないだろうその両手は、掴んでいるというよりも触れているだけだったが、男にはそれで十分だった。





刹那後、轟音。
視界に広がる真白き世界。
耳をつんざく爆発音と、目が眩むほどの光量。

悲鳴も聞こえない。
何も見えない。

立ち込める煙と、鼻をつく異臭。
まるで肉が焼け焦げるかのようなにおい。



「ぐっ……さすがに痛いな」

吹っ飛ばされたのか、片側の壁際にもたれている男の口から、そんな言葉が零れる。
壁に背を預けている格好……どうやら彼は、もう身動き一つとれないようだ。
だが、それも当然だろう。

「やはり両腕を使うのは無茶だったか。くそっ……」

男には、もう両腕がなかったのだから。
右腕も左腕も、肘から先がなくなってしまっていたのだから。

二度はない攻撃(エクストラ・ヒート) ……できれば使いたくなかったが、止むを得ないか」

ぼやくように、呻くように。
激痛にさいなまれながらも、彼の悪態は尽きない。
それはしかし、勝利を掴んだと確信しているからこその言葉。
今の攻撃を受けて、なお立っていられるはずがないという確信があるからこその言葉。
だから。















「……無茶苦茶もいいところね、こんなの」

聞こえてきた言葉に、動きを止めてしまう。
まるで凍りついたかのように、男の身体が静止する。

「な……まさ、か……」
「まさか、ね、ホント。さすがに、自爆技なんて想像できなかったわ」

コツ、コツ、と。
下を向く男の耳に、誰かが歩く音が聞こえてくる。
ありえないはずの、そんな音が。

「そんな……そこまで……」
「両腕を、爆弾に変えたってわけね。ホント、危なかったわ」

そしてまた、さっきまで聞いていたのと同じ声が、鼓膜を震わせる。
少しずつ、少しずつ大きくなっていきながら。

「そこまで……力の差が、あるのか……」
「そうね、こっちの防壁の方が、少し上だったみたい」

微かに震えながらも、彼はゆっくりと顔を上げる。
男の視線の先にあったのは、先程と変わらぬ少女の姿。
彼女の視線は、揺らぐこともなく、強い輝きを宿し続けていた。





「……」
「……」

留美は、体中に火傷を負ってはいたものの、どれも重度とは言いがたい。
服にしてさえ、ところどころ傷ついているが、動くことに支障もない。
男の両腕を犠牲にした攻撃をも、その身に宿るエネルギーで防ぎきったのだ。

「……くくく……なるほど、相手が悪かったな」

またも笑いを零す男。
だが、今度の笑いには力がない。
負けたことを認めた者の声。
心は、折れた。



「そういうことね」

留美が右拳を握り締める。
爆発の余波でかなり消耗してはいるが、それでもなお力強い輝き。
生命力に満ち溢れたその姿には、僅かの揺らぎも見えない。

「……」

男にはもう、エネルギーは残されていない。
もはや、能力も使用できない。
できるのは、ただ死を受け入れることだけ。

「さようなら」

表情を変えることなく、男の前に立つと、留美は拳を振り上げる。
そして一瞬の後、エネルギーを込めた拳を振り下ろす。
それは、一切の容赦を見せることなく、男の命を刈り取った。















「いたたっ……」

部屋を出て、ふらつく足を叱咤する留美。
だが、やはり痛みは隠し切れない。
あちらこちらが痛い。

外れていた肩は、まだ満足に動いてくれない。
爆発の影響をまともにうけた二の腕も、焼けるような痛みが走り続けていた。
それ以外の部分にも、熱や衝撃による浅からぬダメージがある。

「あーあ……急がないといけないのに」

思わず零れる愚痴。
上階では、澪が戦っているのだろう。
激しいエネルギーのぶつかり合いが感知できる。
微かに響く振動……あちらもまた苦戦している様子だ。
とすれば、確かに落ち着いてなどいられない。
けれど。



「とりあえず、応急手当てくらいはしとかないと……」

階段の近くまでくると、彼女は廊下に座り込み、懐からテープや包帯を取り出す。
やはり肩の痛みは強く、できる限りでも固定しておきたかったのだ。

「いたっ……はぁ」

他にも、血が出ている箇所などに、一応の手当てを施す。
走る鈍い痛みに、顔をしかめて、徐にため息をつく。
少しだけ、憂いを秘めた表情で。



「こんなことじゃ、乙女なんて程遠いわよね……」

激しい肉弾戦を繰り広げた後で、いつも彼女はそうして軽く落ち込む。
無論、彼女とて自分の力に不満があるわけではない。
あるわけではないが……望むならば、もう少し優雅さがほしかった。



「茜とか佐祐理さんなんて、あんなに華麗なのになぁ」

呟く留美。
次いで、また小さくため息。

何処までも深い蒼(ミスティック・ブルー) で、踊るように舞い戦う茜。
高き学習能力(ソウル・マスター) で、様々な能力を優美に使いこなす佐祐理。

どちらの力にしても、その姿には華がある。
同じ戦闘用の能力なら、ああいう能力の方がよかった、などと考えてしまうのだ。
それに対して、力に任せてぶつかり合う留美の力……これは、お世辞にも優雅とは言えない。
いや、むしろ猛々しく勇ましい。



「……」

それでも、彼女の力はこれなのだ。
これがあるからこそ、この力があるからこそ、仲間の力になれる。
仲間のために、戦える。

「……うん、頑張ろ」

そしてまた、そのことを思い起こし、立ち直るのもいつものこと。
たとえ荒っぽくても、どれだけ優雅さに欠けていても、仲間のために振るえる力があることに、不満などありはしない。
何が大切なのか……彼女はきちんと理解している。





再び手を動かし始める。
上の階で戦う澪……こちらに手助けはいらないかもしれないが、さらに上階にも敵の気配はあるのだ。
いつまでも休んではいられない。

一応の手当てを終え、再び立ち上がったとき、留美の目は、やはり強く綺麗に輝いていた。
歩き出すその足取りもまた力強い。
彼女の歩みは、止まらない。









 続く












後書き



ようやく話が進み始めました。

いや、展開は相変わらず遅いわけですけども(汗)

舞台が変わってますが、茜と詩子の出番は、またもう少し後になります。

さておき、今回は七瀬。

基本的には力と力のぶつかり合い。

ただ、小細工抜きで純粋に力だけで戦う人間と、小細工を用意して戦う人間の差が出たって感じで。