ふと目が覚めた。二度と覚めることは無いと思っていた目が。
そして辺りを確認し、自分を確認する。
窓一つ無く、長い年月の怨嗟によって澱み切ったこの部屋は、居るだけでも不快だ。
何日も放置された躰は、言うまでも無くボロボロ。動くこと自体、奇蹟と言っても良い。
そして私は外へ出る。
弱りきった躰で、ナメクジのように這いずりながら………。
静寂に満ちた白い荘厳な建物を抜け出し、私はただ必死に躰を動かす。
これが最初で最後のチャンス。
もしも、また此処へ連れ戻されることがあれば、私は死ぬ。躰は生かされても、心が死ぬ。
私は逃げた。復讐とか、怖れとかではなく。
――――――――――ただ、生きる為に。
Twin Kings
第八話「第三の王」
「あー、昨日は大変だったなぁ」
朝食の支度をしつつ思うのは、昨日の晩のこと。
遠坂とキングのアホらしい戦いは、互いには傷一つつけることは無かったが、居間をボロボロにした。
二人にはお説教とお仕置きをしておいたが……………懲りたんだろうか? 微妙だな。
「そうね。大変だったわ」
苦笑しながら同意してくれたのはメディア。
今日も着物姿に割烹着…………え〜っと、本当に英霊ですか?
メディアに関して少し調べてみたのだが、コルキスという国の王女だったらしい。
アプロディテ……俗に言えばヴィーナス神の勝手な都合で、会ったことも無い男を愛してしまう。
その愛は狂愛と言うに相応しく、男の為に弟をズタズタに引き裂き、海に捨てたという逸話すらある。
酷い話だ…………。勿論、メディアが酷いんじゃない。ヴィーナスが酷い。
メディアと話してみれば分かるが、彼女はそんなことをするような人じゃない。
連続昏睡事件だって、聖杯戦争後も愛していた葛木先生と一緒に居る為に仕方なくやってたことだし。
第一、絶対に死なないように配慮されていたものだ。……まぁ、加減を失敗したから昏睡になったんだが。
「そういえば、昨日はドタバタしてて言い忘れてたけど………有難う、昨日は助かったよ」
「そんな………良いのよ。私も居間が使えないと困りますからね」
彼女の口調がちょっと変なのは、そんな生まれからか。………元・王女様だしな。
それは兎も角、メディアには昨日二人が壊した居間を直してもらった。
それも魔術らしいが…………俺からすれば魔法のような手並みだ。俺がショボイという意見は無しで。
「それで、貴方は今日学校へ行くのかしら?」
「ん? 当然だろ」
「やめなさい」
突然の強い口調に、俺は首を傾げた。一体、なんで止めるんだろう?
「あの場所には結界が張られているわ。内部のものを溶解し、吸収する趣味の悪いものがね」
「なっ!?」
莫迦なッ!! あの場所には皆が……ッ!!
「恐らくはライダーでしょうね」
「ライダーだって!? そんな………確かあの人はセイバーが倒したはずじゃ?」
「人ね………クス。やっぱり変わってるわ、貴方」
俺を嬉しそうに、そして優しそうな目で見るメディアにちょっと気恥ずかしさを憶える。
しかし、それよりも話の続きが気になる。一体、如何いうこと何だ?
「サーヴァントはあの程度では消えないわ。それこそ、首でも刎ねないと。
あのマスターに、まともな魔力供給が出来るとは思えないけれど………」
少し考えるような仕草を見せるメディアに、俺も同時に考えさせられる。
「なぁ………サーヴァントって、首を刎ねられない限り死なないのか?」
「そうね。例え腕を斬り落されても、魔力を大量に消費して復元することも可能よ。
まぁ……それ程の魔力が供給できるとしたら、バーサーカーのマスターぐらいでしょうけど」
へぇ………イリヤってそんなに凄かったんだ。
「話が逸れたわね…………。兎も角、私が言いたいのは唯一つ、学校へ行くのはやめなさい」
真剣な顔で俺に言うメディアの瞳には、僅かな恐れの色が見える。
自分のマスターだった葛木先生のように、死んでしまうんじゃないか? という恐れ。
彼女も辛いのは分かる。けれど…………、
「いや、俺は行くよ。
俺だって魔術師の端くれだ。もしもの時は、皆を助けられるかもしれない」
うん。俺は皆を護る為に在るのだから、此処で隠れている訳にはいかない。
例え自分が危険な目に遭うとしても、必ず皆を護るんだ………正義の味方として。
「はぁ…………そうね。貴方はそんな人だったわね。
良いわ、好きになさい。ただし、コレを身に着けて行くこと」
そういってメディアが取り出したのは、長方形の水晶が付けられたペンダントらしきもの。
受け取ってみれば、仄かな温もりと共に魔力を感じられる。コレってもしかして……、
「
魔術道具 ? 効果は………対魔力の上昇かな」
「ッ! 驚いたわ…………まさか一瞬で効果を見破られるなんて」
メディアが驚きに目を見開き、信じられない、という顔をしている。
そんなに意外なのか?
「その顔じゃあ、自分がどれだけ凄いのか、分かってないみたいね。
言っておくけど、効果を隠蔽する仕掛けを私が施したのよ。
それを軽く触ったぐらいで、見破るなんて……貴方、そういう魔眼でも持っているんじゃないの?」
自分が施した、という辺り、彼女は自分の力に相当な自信を持っている。
まぁ実際にその通り、それに見合うだけの実力の持ち主何だけど。
……しかし、魔眼ねぇ。そんなもの俺は持ってないし……う〜む、やはり二人を召喚した影響かなぁ。
「そういえば、二人を召喚した時から魔術の調子が良いんだよ」
「ふぅん…………全く有り得ない話じゃないけど、珍しいケースね」
興味深そうにメディアは頷き、その続きを促した。
「俺が使える魔術は、強化≠ニ解析≠フ二つだけなんだけど……前は成功率が一割を切ってたんだ」
「…………貴方、本当に魔術師なの?」
呆れかえった表情で、メディアは言う。………確かにショボイけど、そんな言い方は無いんじゃ。
「そこら辺に居る見込みのある一般人に魔術を教えれば、多分それ以上は楽にいけるわね」
容赦の欠片も無いお言葉に、俺はガックリと肩を落とす。
良いんだ。男は黙って、心で泣くんだい!
「話を続けるぞ。
ところが二人を召喚してから、一度も魔術に失敗していないんだ」
「へぇ……」
そういえば、投影≠熏ンったな。でもアレは実戦には向かないし。
「一番に考えられる理由として、あの子たちと貴方の波長が合った事が考えられるわ。
正反対の性格をしている二人と貴方っていうのが、ちょっと繋げ難いけど……。
他には…………まず無いと思うんだけど、貴方の中にある何かが触発された可能性もあるわ」
波長に関しては………う〜む、確かに考え難いな。
だとすると、俺の中にある何かが触発された可能性なんだが…………何かあるのだろうか?
俺は
切嗣 とは血が繋がってないし、遠坂みたいに魔術刻印を受け継いでない。IFの話をしても意味が無いけど、
切嗣 と出会わなければ普通に一生を終えてただろう。だから、俺の中には別に特別なものなんて無いと思うけど………?
「結局、原因は分からずじまいか。ま、良いか。
それより、メディアが持っているって事はコレも宝具なのか?」
既に身に着けたペンダントを指で摘み、メディアに問うと彼女は少しだけ寂しげな微笑みを作る。
「いいえ、それは私が召喚されてから作ったものよ。
キャスターのクラスには、道具作成のスキルがあるから…………宗一郎様の身を護る為に」
「あ…………」
所々抜けた言葉だったが、メディアの言わんとするところは分かった。
葛木先生は、俺の知る限り一般人だったはずだ。そんな人だと、簡単な魔術すら致命傷になりかねない。
メディアもそれを危惧して、このペンダントを用意したんだな。
「有難う、メディア」
「………?」
あれ? 何で呆けたような顔になるんだ?
「プッ…………クスクスクス、参ったわ。……クク……本当に、変な人」
もう堪えきれない、とばかりに大笑いをし始めるメディア。
目に涙すら浮かべながら爆笑するメディアに、今度は俺が呆気に取られる。
一体、何がそんなに可笑しいんだろうか? というか、変なこと言ったかな?
「普通………謝るものじゃないの?」
必死に笑いを堪えながら言うメディアに、俺がまた呆気に取られる。
だって、メディアの普通の意味が分からない。
「む、俺は別に悪いことは言ってないだろ?
葛木先生のことだって、話題にも出せず、そのまま忘れるなんて葛木先生が可哀相だ」
俺だって、
切嗣 のことを忘れられたら悲しいんだ。意見を押し付けるつもりは無い。けれど、メディアには葛木先生との思い出を、辛いと思って欲しくない。
はぁ……………やっぱり押し付けなのかな、これも。
「……………本当に、変な人ね。貴方は」
一瞬だけ驚きの表情を見せると、メディアは表情を消してそう言った。
メディアが何を思ってそう言ったのか分からないが、少なくとも俺の言葉を不快には思っていないようだ。
「如何してかしらね? 普段は情け無いのに、こういう時だけ鋭いこと言うのは」
クスッ、と淑やかでありながら、何処か妖艶な笑みを浮かべる。
そしてメディアは、そのまま細い手を俺の頬に当てる………って、うわっ!!
な、ななななななな何すんだッ!!?
「フフ………こうして頬を赤らめている貴方は幼いのに、如何してかしら?」
あうあうあうあうあうあうあうあうあうあうあう。
うあ…………鏡で見なくても分かる。俺は間違いなく、茹でた蛸みたいに真っ赤になっている。
取り敢えず振り払えば良いんだが、それはそれでちょっと勿体無い気も………、
「朝っぱらから………何してんの」
「うわぁっ!!?」 「キャッ!」
どんよりとした雨雲のような声に、俺とメディアの叫びが重なる。
慌ててメディアとは反対側に飛び退き、声の主を見れば………、
「………………ひょっとして遠坂?」
「何よ、その間とひょっとして≠チていうのは?」
いや…………だってなぁ。
「…フ。凛、今の君を初見で判別するのは困難だぞ」
「う〜〜〜。五月蠅いわよ」
いつの間にか現れたアーチャーが、何時ものように遠坂をからかう。
しかし、遠坂の反論にも今一つ覇気が無い。
今の遠坂は、恐ろしく据わった目でノソノソと動く……普段とは全然違う状態だ。
遠坂 凛は朝が弱い、とは全校に知れ渡っているが、これほどまで酷いとは誰も知りえないだろう。
「牛乳」
「は?」
「牛乳ちょうだい」
要領の得ない言葉に、俺は困惑しつつも牛乳を渡す。
コップに注がれた牛乳を手渡すと、遠坂はそれを眺めること数秒。
空いた片手を腰に当て、牛乳を一気に飲み干す。………お、男らしい。
「プハァ………ん〜、漸く目が覚めてきたわ」
…………………理想と現実を知らされてきたが、これほど現実を辛いと思ったことは無いよ。
「で? 二人は朝から何をイチャついてたのよ」
「いいいイチャついてなんかないぞ!?」
「何で疑問系なのよ。……本当に、緊張感の欠片も無いわね」
いや、そんな眠そうな遠坂には言われたくないな。
「ま、衛宮君に緊張感を求めても無駄よね」
「なんでさ?」
鼻で笑う遠坂を半目で睨んでみても効果無し。
友軍を求めてメディアに視線を向けると………あ、目を逸らしやがった。
「ふん、このような半人前などに緊張感を求めるだけ無駄というものだ」
「五月蠅いぞ、執事の英霊の癖に」
「ほぅ………言ってくれるな小僧。その口、二度と利けなくしてやろうか」
白と黒の夫婦剣。陰陽一対の中華風の短剣を
創り出して 、アーチャーは言う。ひ、卑怯だぞ! 俺相手にいきなり宝具かよ!!
「ふん。如何した、もう臆したのか?」
「あー、もう。黙りなさい、この馬鹿アーチャー。
衛宮君相手に、いきなり宝具を持ち出すなんて正気?」
アーチャーの背中を景気良く叩きながら、遠坂は言う。その顔は、本気で呆れている顔だ。
そしてアーチャーを睨んでいた目を、今度はメディアに向ける。
「貴女も魔術の待機を解きなさい。
少なくとも、私の目の前で衛宮君を攻撃させはしないわ」
「そうね。でも、マスター………その英霊は一体何者なの?」
魔術の発動準備をしていたメディアが、鋭い眼でアーチャーを睨み言う。
その眼は、俺を攻撃しようとしたこと以上に…………何かを警戒しているような?
「さぁ? コイツってば召喚のショックで忘れちゃったんだって」
「それでは私が悪いように聞えるでは無いか、凛。
真実、君の乱暴な召喚の所為で記憶に混濁があるのだ。私の所為にされても困るな」
手に持っていた短剣を還元して、肩を竦めるアーチャー。
………あれ? 何故還元して、と表現したんだ? 何故創り出して、と思ったんだ?
今の短剣は宝具だ。それは間違いない………間違いないから可笑しい。
英霊を象徴し、その持ち物である宝具ならば……取り出して、戻すという表現の筈なのに、何故?
「ん? どうかした、衛宮君」
「…あ、いや、何でもない」
深く気にするようなことでもないか。そんな特殊能力を、持っているだけなのかもしれないし。
さて、料理もそろそろ完成だ。腹ペコな二人に、餓えたトラ。今日も賑やかになりそうだな。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「………それで、メディアから結界の件は大体聞かされてるのね?」
「あぁ、遠坂は始めから気付いてたのか?」
「当たり前でしょ。あんなに分かり易い結界………気付かないアンタが可笑しいのよ」
ホントどんな神経してんのよ、と遠坂は呆れながら言う。
そうは言われても…………なぁ。
「あ、衛宮君。あれ? と、遠坂さん!?」
後ろから掛けられた声に、俺と遠坂は同時に振り向く。
そこには驚きでポカーンとしている三枝さん。彼女の両サイドの氷室さんに蒔寺さんもポカンとしている。
「あら。おはようございます、三枝さん。氷室さんも蒔寺さんも、今日は早朝練習が無いんですね」
うおっ!? ………いきなり切り替わると、ちょっと焦るなぁ。
遠坂は優等生モードに入ったから、物騒な話はこれまでにしとくか。
「お、おはようございます。あ、あの衛宮君と一緒なんですね?」
「えぇ、今日は偶然にもお会いしまして」
ニコッ、と完璧な微笑みで三枝さんに返す遠坂。………やばい、コレは意外と笑える。
「ん〜、衛宮の奴ニヤニヤしてるぞ。はは〜ん、遠坂と一緒で鼻の下を伸ばしてたな」
「そ、そうなの衛宮君!」
何故か三枝さんが、ショックを受けたかのように叫ぶ。
いや、ニヤニヤしてたのは認めるけどな。
「そんなんじゃないぞ。ただ…………そう、面白かっただけだ」
「面白かった?」
達観したように感情の揺れない氷室さんの言葉に俺は応え、言葉を続ける。
「理想と現実の差が…………面白くてね」
「?」
俺の言葉の意味が分からない三枝さんは、不思議そうな顔をする。
氷室さんや蒔寺さんも似たようなものだが、唯一意味の分かった遠坂から結構キツイ視線が送られる。
その瞳は言葉よりも、雄弁に語っている。余計なことを喋るな、と。
「そんなことよりも、御三人と衛宮君は仲が良いんですか?」
「はい。衛宮君とはお友達なんですよ」
「そうだな、我々の共通の友人だ」
「去年からパーティに参加したしな」
遠坂の問いに、三者三様で返答する。
………あぁ、そういえばもうそんな時機だったな。危く忘れるところだった。
「お。その様子じゃあ忘れてたみたいだな、衛宮」
「あぁ、生憎忙しくてね」
蒔寺さんの言葉に、苦笑しながら言い訳する。
まぁ、忙しいというのは間違って無いしな。
「何だよ、薄情な奴だなぁ。由紀っちなんて、もう準備を始めてるんだぞ」
「ま、蒔ちゃん!!」
あわあわと、蒔寺さんの口を塞ぐ三枝さん。そっか、もう準備してるんだ……気が早いんだなぁ。
「ふむ。衛宮の、御主も相変わらず鈍いな」
「は? いきなり何だよ、氷室さん」
いや、だから衛宮 士郎なのだな、と一人納得する氷室さん。まったく意味が分からない。
「ねぇ、衛宮君。一体、何のお話なのかしら? 私にはよく分からないのだけど……」
一人、話題についていけない遠坂が聞いてきた。
「あぁ、それは……「おー、朝っぱらから華やかだねぇ」
今、まさに言おうとした時、タイミングを計ったように声が耳を叩く。
反射的に視線を声へ向けると、にしし、と良くない笑みを浮かべた美綴の姿。
「よう、美綴」
「あぁ、おはよ。それよか、何時から遠坂と知り合いになったんだ衛宮?」
さぁ話せ、と言わんばかりの美綴に、俺は溜息を一つ。
そういえば、美綴と遠坂は仲が良かったな。
「遠坂といるのは、偶々だよ」
「ほほぅ……既に、遠坂と呼んでいるんですかぁ」
うっ! し、しまった。ちょっと迂闊だったな。
「ほぅ。私たちを、さん付けで呼ぶのに対して遠坂嬢は呼び捨てか」
「あぁ? 何だそれ、あたしらも呼び捨てで呼べば良いじゃねぇか」
むむ……思い返して見れば、三人とは一年ぐらいの付き合いになるのに未だにさん付けだったな。
「そういえばそうだったなぁ」
「そうだったなぁ…じゃねぇよ。ほれ、呼んでみ」
「ん、蒔寺………なんか恥ずかしいな」
ちょっと頬が熱くなるのを感じる。急に呼び捨てにするのは、意味も無く恥ずかしい。
…………お? 何故か不機嫌そうな顔に。
「何で遠坂と一緒何だよ。あたしらは名前で呼ぶのが筋ってもんだろ?」
「えぇっ!?」
な、何でそうなるんだ!?
「落ち着け、蒔の字。普段の三割り増しで口が悪くなっているぞ」
「そ、そうだよ蒔ちゃん、落ち着いて!」
と、取り敢えず二人が諌めて………、
「しかし、衛宮の。蒔の字の言う事にも一理ある。
我等と知人になってから一年も経つのだ、名を呼んでも可笑しくはあるまい。
女性に対して抵抗があるのは分かるが、一年の間桐 桜は呼び捨てであろう?」
ぬ………比較的に無口な氷室が、ここまで饒舌に喋った上に強力な理論武装。
なんだか、三人に対して物凄く失礼だった気がしてきたな。
「でも、俺なんかに呼び捨てにされて………良いのか?」
「良いに決まってるだろ!」
「………そ、その、はい」
「無論。……衛宮の、御主は己を蔑ろにしすぎだな」
そこはかとなく、やり込められた感は拭えないが………まぁ良いか。
ちょっと恥ずかしいが、それは俺が我慢すれば良いことだな。
「んじゃ、あたしも名前で呼んでくれるんだろ?」
「え?」
「え? じゃないよ。あたしがこの中じゃ一番付き合いが長いんだ。
それに前々から苗字で呼ばれるのも、如何かと思ってたしね」
美綴………いや、綾子もか。今日だけで四人も名前で呼ぶ羽目に。
こうなりゃヤケだ、幾らでも呼んでやるぞ。
「分かった分かった。呼ぶよ、呼べばいいんだろ」
「はは、ヤケっぱちだな」
誰の所為だよ、と言いたがったが、男らしい綾子のことだ。きっと笑い飛ばすに違いない。
「ところで衛宮君、私は何時まで突っ立っていれば良いのかしら?」
……………あ。え〜っと、その……忘れていた訳ではありませんですよ。
「お、オイ。遠坂の奴、未だ嘗て無いぐらい怖い顔をしてるぞ」
「………問題ない。純粋な三の字には、いつもの優しい微笑みに見えている」
「そうだな。矛先は、取り敢えず衛宮の方にいってるし」
オイ、そこッ! 人を生贄にするつもりか!? 何て薄情な!!
「ぬぅ、遠坂! 早朝より何をしている!!」
す、救いの主が! ……って、一成!?
「おぉ、衛宮か。もう躰の方は良いのか?」
「あ、あぁ。心配かけたな」
「何、気にすることは無い。俺の方こそ、見舞いにも行ってやれず、すまなんだな」
すまなそうに言う一成に、俺は僅かに痛みを憶える。
その理由は、後ろめたさ。簡単に説明すると、葛木先生とメディアの記憶を改竄、削除したのだ。
葛木先生に関しては、急な用件で故郷に帰ったことになっており。
メディアに関しては、初めから居なかったことになっている。
葛木先生は、あの謎の影にやられたのだが………そんな非日常的なこと説明できる筈も無い。
だから葛木先生に関することを全て改竄し、メディアに関することを記憶から抹消した。
「如何した? そんなに難しい顔をして」
「いや、何でもない。心配掛けて悪かったな」
他に方法が無かったとはいえ、こんなにも快い友人を欺くのは心が痛い。
「む、やはり遠坂に何かされたのだな。
何、怯えることは無い。素直に言ってくれ、悪いようにはしない」
「失礼ですね。私は別に何もしていませんよ」
「ふん! 貴様のような女狐の言葉など、信用できるわけ無かろう」
あぁ……この二人はまたしてもバトルモードに。
セイバーとキングみたいに、二人揃うと沸点が低いんだから。
「二人とも、朝っぱら喧嘩すんなよ。
それよりも、そろそろHRが始まっちまうぞ」
おぉ、綾子。今だけ救いの女神に見え………って、本当にヤバイ時間じゃないか!!
「急がないと!!」
「どうして誰も気付かなかったんだ?」
「知るか!!」
言い合いをしつつ、駆け出す七人。
HRまで、あと五分。間に合うか、間に合わないか………藤ねえの遅刻が確率的に一番高い気がする。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「お待たせ、遠坂」
「遅いわよ、衛宮君」
軽く周囲を警戒していた意識を、目の前に立つ衛宮君に向ける。
相変わらず自然というかなんというか………緊張感の欠片も無いわね。
「つけられたりはしてないみたいね」
「当たり前だろ。というか、そんなに警戒する必要あるのか?」
っとに、コイツは………。
「あのね、朝の一件で懲りてないの?」
「いや、まぁ………でも、アレは俺が一人だけ吊るし上げくらって無かったか?」
そりゃそうだ。………って、そういうのが分からないから衛宮君なのよね。
「アンタは私の指示に従ってれば良いのよ。
兎も角、今日から通学と下校時はバラバラに行動しましょう。良いわね?」
「……了解」
ふぅ、なんて溜息と共に肩を竦める衛宮君は……ちょっとムカつく。
アレの意味も知らない子供の癖に………って、そうだ。桜のことを考えないと。
あの子は藤村先生の話だと、アレで休んでいるみたいだけど…………怪しいものね。
長引いているなら考えられるけど………衛宮君のところに電話一つ無いのは可笑しい。
どれだけ酷いのがきていたとしても、電話の一つぐらいする筈なのに。
「ねぇ、衛宮君。貴方のクラスの慎二も休んでたんでしょ?」
「あぁ………桜といい慎二といい、大丈夫かな」
心配そうに表情を曇らせる衛宮君は、本当に人が良い。
慎二の奴がやったことは、セイバーたちから聞いている。
それでも尚、衛宮君は慎二を心配できるなんて………普通ならとっくに見限っているようなものなのにね。
「なぁ、本当に桜は大丈夫なのか? 俺は見舞いにも行っちゃいけないみたいだし……心配だぞ」
「大丈夫よ。女の子には普通のことなんだから」
本当は桜のことはさっぱり分からない。ただ、怪しいとは言えるが。
とはいえ、そんなことを言ったら間桐家に乗り込みかねないので、絶対に言わないでおこう。
「う〜ん。大丈夫かなぁ、桜のやつ」
「心配性ねぇ」
うんうん唸っている衛宮君に、私は思わず苦笑した。
衛宮君を知れば知るほど、変な奴だと思う。
セイバーを同時に二体召喚した時は、思わず殺してやろうかと思ったけど………本人は自覚無し。
学校でも有名な便利屋。明らかに押し付けなのに、嫌な顔せず引き受ける変わり者。
ただし、命令されたりすると決まって反抗して、誰が相手でも一歩も引かない。
聖杯戦争以前、彼について知っていることはコレだ―――――いや、まだあった。
あの夕暮れの校庭、そして弓道場での彼の姿。
そっか………私は気付かないところで結構見てたんだ、コイツのこと。
「あれ…………」
「どうかした?」
「いや………呻き声が聞えないか?」
呻き声………? 耳を澄ましてみるが、別段変な音は聞えない。
「何も聞えないけど」
『いや、凛。20m先の路地裏から呻き声がするぞ』
「そうなの? アーチャー」
霊体化したまま話しかけてきたアーチャーに声を返した途端、横に居た衛宮君が突然走り出す。
あ、結構速いんだ。……って、感心してる場合じゃないわね。
私は衛宮君に追従するような形で、路地裏に入る。日の差し込まない暗い路地裏の影に、その人は居た。
灰色のショートカットに、耳にはブルーのイヤリング。
左に泣き黒子があり、顔立ちは非常に大人っぽい美女。………いや、姿から妙齢の女性何だけどね。
服装は思いっきり男装だが、それが似合う。まさに男装の麗人とはこのことだろう。
そんな彼女には…………右腕が無かった。
「大丈夫ですか!? しっかりしてください!!」
意識を失っている女性に、必死に声をかける衛宮君の声。
頬がこけて………肌が白いを通り越して、青くなってる。やばいわね……相当衰弱してる。
でもこの人………、
「何見てるんだ! 遠坂も手伝ってくれ!」
「ちょっと待って、その人恐らく魔術師よ」
魔術師ならば、聖杯戦争の関係者だろう。或いは、マスター権を奪いに来た協会の狗。
ならば助けるわけにはいかない。元気になられて、こちらに襲い掛かれては堪ったものじゃないから。
魔術師はヒトデナシであることが普通だ。恩を仇で返すことなんて、普通の行為といえる。
魔術師にとって重要なのは、結果的に真理へと近づいたかどうか。『 』にいけるかどうかなのだ。
人の情など、初めから無いに決まっている。
「態々敵を増やすことは無いわ。
一応、綺礼には連絡しとけばアッチで処理してくれるわ」
「ふざけるなッ!!! 人が死にかけているのに、魔術師もくそもないッ!!
分かったかッ!? 分かったら、運ぶの手伝えッ!!!」
「ッ!!」
こ、ここまで激怒した衛宮君は始めてみたわ。……昨日の(藤村先生に聞いた)ブラックより怖い。
思わず頷いちゃったし………と、取り敢えず逆らうとやばそうだから従っておこう。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
さて、路地裏で拾った人だが………メディア曰く、非常に危険な状態だったらしい。
少なくとも、そこらの病院に連れていってもまず助からなかったそうだ。
遠坂がこの人を魔術師だ、って言ってたから家まで連れてきたけど……それが功を奏したな。
「これで良し。地脈の流れから見て、明日までには目を覚ますでしょう」
俺には良く分からない魔術的な処置を終え、メディアが立ち上がる。
「一体、どういう状況だったの?」
「それに関して、全員に話があります。居間へ行きましょう」
メディアに促され、俺と遠坂は居間へと向かった。
「さて、あの女性ですが……間違いなく魔術師ですね。それも、マスターだったと思われます」
「だった………じゃあ、やっぱり右腕が無いのは!」
「えぇ、右腕ごと……令呪を奪われたのでしょうね」
メディアと遠坂の話を聞き、俺は目を見開いた。右腕ごと令呪を奪ったッ!?
「そんなこと出来るのか!?」
「簡単なことよ。サーヴァントさえ何とかできれば、ね。
令呪が付いた体の一部を切除して、魔術刻印と同じように移植すれば良い。
まぁ、神経を引っ掻き回されるような痛みを覚えるでしょうけど……魔術師である以上、苦じゃないわね」
いや、充分すぎるほど苦だと思うんですが。
けど…………一体、どのサーヴァントのマスターだったんだ?
「その辺りに関しては、あの女性が目覚めてからにしましょう。
問題は彼女が、どんな扱いをされていたのか? です」
「………? 如何いうことだ」
「あの人の衰弱振りは尋常じゃなかったわ。
私の見立て、そして推測では……生かさず殺さず、魔力を搾取され続けたことが見受けられたわ」
『ッ!!』
メディアの言葉に、全員が驚愕する。魔力を搾取され続けた、だってッ!?
「今回は運良く助かったけれど………後三日も過ぎてれば、この人は助からなかったでしょうね」
「誰がそんな酷いことをッ!!」
人を家畜のように搾取し続けたなんて………絶対に赦せない!!
「多分、ランサーのマスターね」
「え? どうしてそう言えるんだ、遠坂」
「簡単よ。イリヤスフィールはそんなことをする必要が無いし、慎二は直接やってた。
残るマスターは、ランサーのマスターぐらいでしょう?」
私たちはそんなことしないし、と続ける遠坂。成程、言われてみれば確かにそのとおりだ。
「未だに姿を見せない、謎のマスター…………まさか、こんなことをしてるなんてね」
遠坂も拳を強く握り締めている。良かった……やっぱり遠坂は善い奴だ。
女の人を助けるのを制止された時は、怒りに任せて怒鳴ったからなぁ。
やっぱり遠坂には、あんなことは言って欲しくないからなんだけど。
「良かった良かった」
「…? 何が良かったのよ」
「あぁ、いや……何でもない」
「そう? なら良いんだけど…………」
カランカラン
遠坂が言葉を終えるのと同時に、結界の警鐘が作動する。
何か言葉を発するよりも疾く、セイバーとキングの二人が居間を飛び出し、庭へ出る。
メディアは俺と遠坂の前に、アーチャーはセイバーとメディアの中間の位置に立つ。
二人によって開け放たれた戸の外には、庭が広がっており、そこには青き獣…ランサーが立っていた。
「ランサーとはな……ふん、狗にしては気が効くか」
「オイ、俺を狗と呼ぶんじゃねぇ!」
キングの言葉に、ランサーから強い怒気と殺気が漏れる。
理由は分からないが、狗と呼ばれるのが嫌いなようだ。…………まぁそう呼ばれて喜ぶ奴も稀だけど。
「何を否定する? 貴様の名であろう……
ホリンの猛犬 ≠諱v
「グッ!!」
く、クー・フーリンだってッ!? ケルト神話の英雄じゃないか!!
そうか、ランサーが初めて宝具を使おうとした時、アレほど嫌な予感がしたのはそういうことか。
クー・フーリンの持つ槍といえば、魔槍ゲイボルグ。
様々な謂れを持つ槍だが、それに共通するのは心臓を穿つ≠ニいうこと。
宝具の効果も、同じだろう。
つまり、発動すれば絶対に心臓を穿つ………対人では最強と言っても過言ではない。
「チッ、有名すぎるのも考えものだな。そこの弓兵にもバレてたみたいだしよ」
面倒臭そうに言うランサー。そして再びキングを睨み付ける。
「つーか、テメェは何者だ? ブリューナクを使うわ、ミョルニルを使うわ………この節操無しが」
「誰が節操無しだッ!! この無礼者! この場で斬り捨ててくれるッ!!」
怒り心頭といった様子のキング。……そういえば今まで気にしなかったけど、キングって何者なんだ?
ブリューナク、ミョルニル、レーヴァティン………関連性なんて、あったものじゃない。
「まぁ良い。それよりも、今回は頼みがあってな」
「頼み?」
どうも妙だ。ランサーは戦いに来たのではなく、頼みに来ただなんて。
「あぁ、それは―――――――――ッ!!」
突然後ろを振り向き、睨みつけるように見るランサー。如何したんだ?
「シロウ、新たなサーヴァントの気配です」
「何だってッ!?」
セイバーの言葉に、思わず驚愕の声が口に出る。
まさか、イリヤか!? それともライダーなのか!?
「ふはははははははははははははははははははははッ!!!」
わ、笑い声が近づいてくる!? 滅茶苦茶不気味だぞ。
そして謎のソレは、恐るべき疾さで結界内に進入し、何かをばら撒いた。
「これは………薔薇の花?」
『まさか………』
薔薇の花を見たセイバーとキングの顔色が変わる。
何か物凄く嫌なことを思い出した顔だけど………?
「全員注目ッ!!!」
新たな侵入者の声に、全員が反射的に屋根の方を見る。
まるで男の声に強制力でもあるかのように、一斉に動き、屋根の上に立つ男を見る。
ブロンドの髪はウェーブが掛かっており、背の中ほどまで伸びている。
真っ白な白亜の鎧に、真紅のマント。男は童話に出てくる王子様のような姿だった。
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ………女を口説けと、我輩を呼ぶッ!!
我輩こそは偉大なる世界王イスカンダルッ!! マイハニー! 愛してるよぉーーッ!!!」
………………取り敢えず中身は全然違うことが、たった今判明したな。
しかし、世界王イスカンダルだって!? あの有名なアレクサンダー大王じゃないか!!
「何なの……あのキチガイ」
「さぁ?」
遠坂とメディアの言葉も尤もだ。
屋根の上に立つイスカンダルが、仮に本物だとしても………それ以上に変人ぶりに目がいってしまう。
「おぉっ!! 何と美しい………嫁に来ないか!!」
「行くわけないじゃない」
「行くわけありません」
意味が分からない……………いきなり遠坂たちを口説き始めたぞ。
「ランサー………いえ、区別する為にイスカンダルと呼びますが、10年前と変わっていないようですね」
「勿論さ、ハニー。我輩の愛も変わってないよ」
「しかし、貴様がまた喚ばれているとはな…………」
「それは違うさ。我輩は10年前から現界し続けているのだよ!!」
『なっ!?』
イスカンダルの語る言葉に、俺たち全員が驚愕していた。
10年前にあったという聖杯戦争。それに生き残り、今まで生きていただってッ!?
「そんな莫迦な!! 貴方は確かに私の宝具で……」
「はは、ハニー。あの時の君の愛は痛かったよ」
「いや、その後
我 の蔵を持って完膚なきまでに消滅させてやった筈なのに!!」
「チッチッチッ、我輩の愛は不滅なのだよ!!」
………イスカンダルの所為で言っている意味が良く分からないが、倒したと思っていたのか。
ところが生きていた。……まぁその辺の詳細は、後で二人に聞くとしよう。
「俺たちに何のようだ」
「ん? 君は…………あぁそうか、君が二人を喚んでくれたのだな!!
ふはははは、君には感謝するよ。お礼にコレを進呈しよう」
そう言いながら放り投げたのは、一冊の本。
何だコレ? 魔術的要素は無いみたいだけど…………。
「何々、『偉大なる世界王イスカンダル様の一日』?」
「フッ、自伝だ!!」
………………………。
取り敢えず、メディアとアイコンタクト。そして、
ヴォワッ!!
「あぁっ!! な、何ということを!! 我輩の初版本が灰にィ!!」
あ、頭が痛い。何なんだ、コイツは。
「クゥッ!! 何ということだ、コレはもう増刷せよという天のお告げに違いないッ!!」
『違うッ!!』
思わず全員からツッコミが入る。しかし、自分に酔っているイスカンダルは聞く耳を持たない。
「さぁ、帰るぞランサー。我輩の自叙伝…第二弾を書かねばならん!!」
「……………」
イスカンダルの言葉はさて置き、ランサーがイスカンダルと仲間?
とてもそうは見えないが、少なくともランサーは否定しない。
「待ちなさい! 貴方はこの場で斬り捨てます!!」
「そうだな。貴様のようなキチガイは、この場で死ぬのが似合いだ!!」
完全な臨戦態勢の二人。見ればアーチャーとメディアも準備万端だ。
「ふふん。折角のお誘いだけど、今日は顔見世だけなのだ。
だから……………帰らせてもらうぞ」
―――――――――フッ
一瞬にして、視界からイスカンダルの姿が消失した。
ば、莫迦な。消えただとッ!?
「さぁ、帰るぞランサー」
塀の前に立つランサーの横………そこにイスカンダルの姿があった。
そんな…………なんて速さだ。遠目で見て尚、影すら見えないなんて…………。
「ハニー、最後に訊いておくが………君に我輩の動きが見えたかな」
イスカンダルの言葉に、どれ程の衝撃があったのか………セイバーとキングは、震えていた。
怒りか、怖れか、屈辱か…………どれにしろイスカンダルに見逃された、という事実は覆らない。
それを楽しげに見やるイスカンダル。そして笑いながら奴はこの場から姿を消した。
「シロウ………頼みがある」
今まで沈黙を保っていたランサーが、顔を上げ、俺を真っ直ぐに見ながら口を開いた。
「バゼットを頼む」
一言だけ言い、ランサーは踵を返した。
そして俺の返答を聞くことなく……………ランサーも、姿を消す。
残された俺たちは、ただ呆然とランサーたちが消えた場所を見ることしか出来なかった…………。
後書き
あ〜、漸くテスト終了。結果は聞かないで下さい。(泣
どうにも毎回毎回長くなっている気がする放たれし獣です。
今回はサブキャラをメインに攻めてみました。三人娘に美綴。そして女魔術師と……マニアックに。(笑
そしてタイトルにありながら、最後だけの登場…第三の王・イスカンダルの登場です。
性格は滅茶苦茶はっちゃけているようですが……………まぁ良し。(核爆
いや、イスカンダルについて調べていたら何処かで女好きだったという記述を見まして、こんな性格に。
口調がちょっと微妙なのは、まだキャラが確立して無いんですよ。申し訳ない。
さて、今回はこの辺で。テストも終わったんで、これから執筆を頑張ります。ではでは。
管理人の感想
8話です。
登場から強烈な印象を残してくれた第三の王。
彼はあれですね、容姿は一級でも性格で三枚目と言う。(笑
見所はやはり女魔術師さんでしょうか?
こう言った登場の仕方は斬新ですね。
確かにあれに使った方が効率は良いもんなぁ。
彼女のもたらす情報がどう生きていくか、気になるところです。
しかし、今回も士郎は女性と縁が。
毎話毎話新しい女性と遭遇していると言ってもも過言ではないかも。(笑
感想は次の作品への原動力なので、送っていただけると作者の方も喜ばれると思います。
感想はBBSかメール(isi-131620@blue.ocn.ne.jp)で。(ウイルス対策につき、@全角)