夢の集まる場所で
第13話 あの日の誓いは今
夢を
夢をみている
あの人の夢を
あの少年の夢を
その夢は少しおかしな視点にあった。
中に入らずに、ただ外から見ているせいもあるのかもしれない。
けど、本人が2人同時にいるのだ。
1人は、黒い髪の少女と、栗色の髪の少女と、青い髪の少女、それからもう1人栗色の髪の少女。
みんな一緒にいる明るい少年の姿。
もう一方は、黒い髪の女性と、栗色の髪の女性と、青い髪の女性、更に数人の女性と、中には青年の姿もあり、背後には大きな影が居る。
そんな人達とちょっとだけ離れた位置で、ほんの少しだけ笑みを浮かべている少年。
2人の少年がいて、そのどちらも同じ少年なのだ。
背丈、姿は違えども、立っている場所が変わっていても。
そこに居るのは紛れも無くあの人で、周りにいる人は嘗て彼の傍にいた人と、今この時傍に居る人だ。
そんな事を確認する些細な夢。
うん、そうだよね。
貴方は笑えている。
例え、どんな事があったとしても。
例え、笑い方は変わっていても。
そこには確かに、貴方が幸いとするものが在るのだから。
だって、貴方は―――
昼過ぎ、ヨシノ邸。
昨晩の戦いから約半日が経過した。
今は昼過ぎで、随分遅くなってやっとジュンイチはリビングに顔を出した。
「あ、お兄ちゃん……」
「兄さん……」
既に起きていた2人の妹が出迎えるも、言葉が途中で止まる。
それは、昨晩の様に兄と認識できないから止まったのではない。
今のジュンイチは間違いなくジュンイチだと認識できる。
しかし、どう言葉をかけていいか解らないのだ、今のジュンイチに。
「ああ、おはよ……」
明らかに元気が無いジュンイチ。
普段からかったるそうにしていて元気では無い様に見えるが、今は生気すら感じられない。
昨晩、全て終った後、森の中で1人佇むジュンイチを回収した。
一応1人で部屋に戻ったが、その後はただベッドに倒れこむ様にして眠っただけだった。
だが夜が明けた今も、部屋に入るのを見届けた時と変わらぬ状態。
いや、むしろ酷くなっている様にすら見える。
あの覚悟を決めてしまった状態から、何かが一気に転落し、立ち直れていないのだ。
「ジュンイチさん、湯の用意をしてございます。
どうぞ、お使いください」
「ああ……そういえば、昨日あのまま寝たっけか。
……じゃあちょっと行ってくる」
ヨリコに連れられ風呂場へと向かうジュンイチ。
サクラとネムはただ見送るだけだった。
今の兄を見て、2人は昨日のあの覚悟を決めた状態よりは良いかもしれないと思いながら、でも今の兄を見ているのは苦しい。
迫り、追い込まれ、覚悟を決めて、そして、打ち砕かれた。
5日。
たった5日間でこうも兄の心をボロボロにしてしまった。
その原因が何であるか、2人の妹は考える。
言葉の無いヨシノ邸。
ただ、時間だけが過ぎていった。
ジュンイチはヨリコに連れられる様に浴室の前まできていた。
「ジュンイチさん、つきましたよ」
「あ、ああ……すいません」
目的地に到着したと言うのに、ぼうっとしたままのジュンイチ。
ヨリコに声を掛けられてやっと、目の前に扉があることに気付くくらいだ。
「お1人で大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫ですよ」
口ではそう言うジュンイチだが、大分フラフラしていて見るからに危ない。
昨日までも戦闘時以外はかったるそうにしていたが、今はそれと違う。
肉体のダメージは既にほとんど癒えきっているのだから、すべて心の問題であろう。
「ヨリコさん。
俺は昨日までちゃんと戦えていたでしょうか?」
扉を開きかけ、ヨリコに背を向けたまま突然そんな事を問う。
背を向けている為、ヨリコには今のジュンイチの表情は見えない。
だが、あまり人に接する機会がなかったヨリコにも解る。
今は、見せる様な顔ではないのだろうと。
「ジュンイチさん……」
問いに対し、どう答えていいか解らなかった。
確かに昨日までの戦闘の全てをヨリコは見ている。
この屋敷からのモニターを通して。
「俺は、何で戦ったのか……解らなくなってね」
戦う理由。
確か極最近、コトリに話した筈なのに、それがよく思い出せずにいた。
あの時は、確かにハッキリと答えられた筈なのに。
「大丈夫ですよジュンイチさん」
弱音を吐くジュンイチに、ヨリコは答える。
ジュンイチからは今のヨリコの表情を見ることは出来ない。
だがなんとなく、昨日傷の事を大丈夫だといった時と同じ顔なのだと解った。
「ジュンイチさんなら大丈夫です。
直ぐに思い出せますよ。
だから、今はゆっくり疲れを癒してください」
根拠など何処にも無い、ただ優しいだけの言葉。
だがヨリコの言葉に迷いは無く、単なる慰めという訳でもない。
ヨリコがジュンイチと出会ってまだ6日。
たったそれだけの時間であるが、これだけはヨリコは自信を持って言えた。
「ありがとう、ヨリコさん」
その言葉の意味する所の全てを、今のジュンイチは理解できない。
だがそれでも、ジュンイチは俯いていた顔を上げる事ができた。
「いえ」
そして、ヨリコはジュンイチが大浴場に入るのを見届けるとリビングに戻るのだった。
リビングに残った2人にもお茶を出して、言葉を交わす事が必要だろう。
でも、それだけでいい。
それ以上の事は必要ないと、ヨリコは知っている。
30分後、再びジュンイチとサクラ、ネムがリビングに集まった。
戻ってきたジュンイチは先ほどよりもやや顔色が回復していた。
サクラとネムの気持ちも落ち着きを取り戻しつつあった。
「昨日はすまなかったな、手伝えなくて」
昨日の本来の目的の作業を手伝わずに呆けていた事を詫びるジュンイチ。
人の事を気遣えるくらいには心も回復した様だ。
ただ、やはりまだ生気があまり感じられない。
「うんうん、大丈夫。
作業自体はもうそんなに無いしね。
十分間に合うよ」
「そうか……」
ジュンイチの言葉を最後にまた沈黙が降りる。
昨日までも人数が少なく、忙しかったのもあり、屋敷内は静かだった。
だが、今日のこの沈黙は昨日までの静けさとはまるで違う。
昨日までは静かであれ、そこに明るさが存在したのだから。
30分前よりは幾分かましだが、それでもまだ時間が必要なのだろう。
「俺は大丈夫だ。
俺は戦える。
だから、心配すんなよ」
痛い程の静寂に耐えかねた様にジュンイチは2人の妹に言う。
だが、その言葉は2人の妹の心を締め付けるだけだった。
こんな状態でも戦うという兄に対して、自分はどうする事もできないのだから。
そして、また静寂が場を支配した。
どうしようもない静寂が。
だが、静寂は予想外の形で破られる事になった。
「ジュンイチさん! 侵入者が!」
突然のヨリコの報告。
3人は立ち上がり、緊張が走る。
「こんな時間に入ってきたのか!」
確かあの男は、昨晩もかなりの傷を負った筈だった。
それがもう回復し、しかもこんな時間に行動するとは思ってもみなかった。
いや、今のこの4人にはそんな事を考える余裕すらなかった。
更には、戦闘はいつも夜だからと油断していたのもあるだろう。
急いで自分を切り替えるジュンイチ達。
しかし、続くヨリコの報告は更に予想外のものであった。
「いえ、この森ではありません。
侵入者の男はミズコシ邸に向かっています」
そんな事は起こらないと、無意識に決め付けていた。
だが考えれば何故そう思ったのか、それさえジュンイチはまだ思い出せていなかった。
「修復は不可能だな……」
ミズコシ邸の地下にある工房。
一本の折れた剣を前にして、ヒロユキは静かに呟いた。
「そうですか」
この剣はあの事件を共に生き抜いた剣だ。
それから修復と改修を重ねて今まで使ってきた。
それを昨晩、無茶な大技の連発で折ってしまった。
(いや、違う。
折ったのは技じゃない。
俺のせいだ)
ヒロユキをしても修復不能なほどの折れ方。
これを再び剣とするには、最早完全に0から、つまりは鉄塊状態から生まれ変わらせる事になる。
そう、剣としてはもう完全に死んでいるのだ。
「一応剣の他、各種武器も揃えてあるけど」
工房に入る際についてきたマコ。
マコも2人の様子からそう言う問題では無い事を知りながら告げた。
それでも戦わなければならない事を承知している、いやそれがマコが彼等に依頼した仕事なのだから。
「ああ、すまん」
「気にしないで。
寧ろ使ってもらわないと、私じゃ死蔵するだけだから」
一応という、そんな理由で取り寄せておいた武器の数々。
まさか、勇者が武器を破壊されて、それで必要になるとは夢にも思っていなかった。
それほどの大事になるとは―――
それでもオートマータの部品から多種多様な武器防具は、必要と感じて取り寄せた物だった。
マコの直感は恐ろしいくらいに当たってしまっていた。
「じゃあ、ちょっと武器庫にしてある倉庫の鍵を取ってくるわね」
そう言って工房を出るマコ。
残された2人は、ただじっと剣を見つめる。
もう、元に戻る事の無い剣を。
「なんて無様な……
俺はあの時誓った筈なのに!」
呟き、拳を握るヒロユキ。
握った拳から血が流れ落ちる。
だがそんな事に構う事無くヒロユキは拳を握り続けた。
「……」
ヒロユキの背に立つセリカは、ただ静かにそんなヒロユキを見つめていた。
今の彼に彼に掛ける言葉は無く。
また、下手な言葉は掛ける意味が無い。
そして、何より彼は自力で這い上がってくると信じているから。
「……武器庫に行こう」
暫く俯いて拳を握りつづけていたヒロユキだったが、次に顔を上げたときには8割くらいはいつものヒロユキに戻っていた。
そして、次の戦いの為の準備に向かう。
「はい」
ヒロユキについて工房を出るセリカ。
まだ8割だが、後は夜の戦いまでには自分を取り戻すだろう。
この時、セリカはそう思っていた。
マコに案内されて武器庫に移動するヒロユキとセリカ。
そして、武器庫と言われ入った場所。
確かにそこは『武器庫』といえるだろう。
「とても、一応という程度に集めた量と質じゃないな」
「やっぱりそう思う?」
このまま武器屋―――いや、上級武器の博物館が開けそうな数と質の武器に呆れるヒロユキ。
聞くところ、セバに揃えさせたらこうなったと言う事らしい。
ヒロユキの特性を知った上での事だろうが、いくらなんでも集めすぎだろう。
「武器とは言え、死蔵する手はないだろ、こんないい武器」
剣を手にとって品定めをしてみるが、どれも一級品だ。
一流の剣工の作品である事は間違いない。
昨晩折られた剣、ヒロユキ自身が使い易いように改修を重ねている為、それ以上とはいかないが、少なくとも『代用品』というレベルのものではない。
「とりあえずこれを借りるよ」
「解ったわ」
とりあえず、折られた剣の代わりとして品定めをした剣を借りる事にする。
これで、夜の戦闘に支障が出る事は無いだろう。
「ああ、そうそう、ところでさコトリ知らない?
ほとんど1日中歌いながら散歩している子だけど、今日は朝食の時間にも顔を出さなかったのよ」
ヒロユキ達が抱える問題が解決するのを待っていたのか、マコは突然そんな事を聞いてきた。
実際にはかなり心配している様子だ。
なにせこの島がこんな状態なのだから、この島に招いてしまった事自体を悔やんでいるのかもしれない。
「……いや、見てない」
ヒロユキは質問の内容に一瞬緊張しながらも答える。
答えながら、セリカに視線で確認するが、やはりこの屋敷内及び外にそれらしき人は居ないらしい。
更に、昨晩から一度でも帰ってきた形跡は無い。
(管理者と知り合いみたいだったからな。
管理者の所にいると言う可能性もあるが……いや、それはないか)
あの時のコトリの様子と、ヒロユキと管理者がやってしまった事を考えれば、コトリは管理者の所にはいないだろう。
そして、ヒロユキが居るこの屋敷にも。
(後はあの男の所だが……
いや、あの男はコトリを置いて行ったからな……)
傷があるから連れて行けなかったというのはあるだろう。
だが、連れて行く意思はなかった様に見えた。
それに、
(コトリにも追う意思は無かったしな……)
今までのヒロユキの考えならば、この場合の『追う』なんて行動はありえないものだ。
だがしかし、昨日の2人は―――
(……痛いな)
頭痛がする。
昨晩の最後のあの2人。
その全てが解らなかった。
いや、解る筈なのだ。
解らない筈は無いのに、しかし何かが邪魔で解らなくなっている。
そして、その何かが重要であると気付きながら、それが何かも解らない。
無理やりこじつけ様とすると、間違った答え故か幻痛が走る。
理解できない頭痛と理解しようとすると起きる幻痛。
その無限ループに陥り、もう全てを忘れたい気にすらなってくる。
だが、そんなわけにはいかない。
(もう一度コトリに会えば……)
会ってくれるかは解らないが、もう一度向き合い話が出来たなら、全てが解決する様な気がした。
そう、もう一度会えたなら―――
パリィンッ!
ヒロユキの頭に直接、何かが割れる音が響く。
正確にはセリカが感じたイメージを共有したものだった。
「お嬢!」
「はい」
「マコ、屋敷から出るな!」
セリカに確認をとり、マコにそう言いながら走る。
そして、マコの返答を待たずに向かう。
この屋敷の敷地内に侵入してきた者の下へ。
「ヒロユキ、姉さん」
「セリカさん、杖です」
途中、アヤカ、セリオと合流し、屋敷を出る。
場所は森の入り口付近。
そこは結界の端であり、相手は結界を一歩入った場所で待っていた。
存在その物を隠している筈の探知型の結界を完全に見切られているという事になる。
「流石に早いな」
待っていた人物は、あの男。
昨晩コトリを庇い、撤退したダークドラゴンを駆る者。
ダークドラゴンの翼でできたマントを靡かせ、彼の身長ほどもある大剣と、それよりも幾分か細身の大長剣を背負った男。
「……」
見慣れない武装が増えているのは気がかりだが、そんな事よりまず彼自身の登場に身構えるヒロユキ達。
こんな時間にわざわざ追加武装を持って、ただ通りかかっただけなどという事はありえないのだから。
そしてもう一つ、彼は持ってきているものがあった。
その両の腕に抱きかかえられた人影。
風に揺れる赤い髪の―――
「……コトリ?」
その人物は確かにコトリだった。
着ている服も昨晩最後に見たものと同じで、白いベレー帽はその胸に持って―――いや置いてあるだけだ。
昨晩最後に見た姿と変わらぬコトリであるが、ただ一つ気になる事がある。
それは、ピクリとも動かない事だ。
「ほら」
などと言いながら、男はコトリを投げた。
ヒロユキに向かって。
「なっ! っと!」
突然の行動に、ヒロユキは持ってきていた剣を捨て、コトリを受け取る。
が、その瞬間に解った。
「冷たい……っ!? おい! コトリッ! コトリィッ!!」
呼びかけても応答が無い。
脈拍は微弱ながらあるのだが体温は人間が生きていられる限界まで下がり、生気が感じられない。
それに、何故か生気とともに魔力が感じられない。
「まあ、後1時間だな」
楽しげに告げる男。
そして、見せつける様に、昨晩まで使っていた大剣を抜く。
キィィィィ
引き抜かれ、姿を現した大剣には赤い塗料―――恐らくは血で文字が書かれていた。
古代の高等魔導文字だ。
そして、強い魔力を感じる。
人間1人分くらいの魔力を。
(この感じは……っ!)
コトリの魔力だ。
そして、それが意味する事は。
「テメェ! コトリの魔力を!」
「ただ殺す、なんてのは勿体無いだろ?」
ヒロユキの怒声を受けてより楽しそうに笑う男。
ヒロユキはコトリをセリカ達に預け、男と対峙する。
捨てた剣を拾う。
武器庫からそのまま持ってきてしまった、鞘のない剣を。
「コトリはお前を!」
ヒロユキは叫ぶ。
だが、言葉はそこで止まる。
実際どうしたかったのか、まだヒロユキには解っていない。
だが、確かにコトリは男の為に、何かをしようとしていた事だけは確かなのだ。
それを踏みにじり、今コトリは冷たくなって状態で男は投げ捨てた。
「邪魔だっただろう?
お前にとっても。
勇者様はこう言う確実な対処というのは出来ないだろうから、代行しておいたぞ」
男は笑う。
心から楽しそうに。
何がそんなに楽しいのか。
コトリの死か、勇者の怒りか。
いや、今のヒロユキにとって、そんな事はどうでもよかった。
「お前はぁぁぁぁ!」
ブンッ!
もてる限りの速力を持って走り、両手で剣を持ち、あらん限りの力で剣を振った。
男に向けて。
早く、重い一撃になる筈だ。
「ヒロユキ、お前は強かった。
だが―――」
男は平然とその場に立ったまま、僅かに構えてもう一本の剣を抜き、片手で振る。
ヒュンッ!
昨晩まで使っていた大剣よりはマシとは言え、人の扱う剣としてはあまりに大きな剣。
それを片手で操り、突進力も追加されたヒロユキの剣と―――
ガキィンッ!
衝突した。
そして、
バキィィィィンッ!
音を立てて砕けるヒロユキの剣。
言い訳はできない。
使ったのは新品であり、手入れにも問題は無かった一級品の剣。
相手の得物はソードブレイカーとしての機能は無いだろう、ただの頑丈なだけの剣。
その2つがぶつかり合い、ヒロユキの剣が砕けたのはヒロユキの剣を扱う技量が、この時相手より大きく劣っていたからだ。
ただ純然たる力量の差に過ぎない。
「……」
ヒロユキには剣が砕ける様がスローモーションで見えていた。
言葉を失くし、ただ剣の破片が舞い落ちるのを見守るだけしかできない。
そんな中、男は先の言葉の続きを口にしていた。
ゆっくりと流れる時間の中、剣が砕ける音で声は聞こえない。
だが、口の動きから何を言っているかが解った。
それは―――
「……っ!!」
目を見開き、動く事を忘れるヒロユキ。
剣士として戦いながら、一昼夜の間に2回も剣を折られた事は勿論、男が口にした言葉がヒロユキを思考を完全に停止させた。
「では、もう会う事もないだろう。
さらばだ、嘗て、勇者と呼ばれた者よ」
そう言い捨てて男は森の中へと消えていった。
ただ、呆然とするヒロユキを残して。
「ヒロユキ! ちょっとヒロユキ! しっかりしなさい!!
もう! 私達はアイツを追うわよ!」
それを追ってアヤカとセリオが森に入る。
残されたのはヒロユキと、セリカ。
そして、今この時死に瀕するコトリ。
「ヒロユキさん、まだ間に合います、手伝ってください」
セリカが言葉を掛けるも、ヒロユキは反応を示さない。
ヒロユキは折れた剣を持ったまま立ち尽くすだけだ。
そんなヒロユキにセリカは走り寄り、手を上げた。
パァンッ!
「ヒロユキさん! 人の命が掛かっているんですよ!
今呆けていてどうするんですか! あの時の誓いを忘れましたか!!」
一発の平手打ちと、セリカの怒声。
普段のセリカの声量を考えれば地を揺るがす程の大音量。
ヒロユキが知る限り、過去1度しかきいた事のないセリカの叫びだ。
「っ! すまん!」
その一発で何とか正気を取り戻したヒロユキは、直ぐにセリカと共に蘇生魔法の詠唱に入った。
外傷は無く、単純に魔力が抜かれた様にみえるコトリだったが、しかしそれだけだろうか。
兎も角、蘇生魔法で身体機能を維持しつつ、魔力の回復を試みる。
その頃、男を追ったアヤカとセリオは敵と遭遇していた。
あの男の仲間、青い髪の魔槍士と、栗色の髪の魔導師だ。
「足止めかしら?」
「……」
「……」
アヤカの問いに2人は何も答えない。
「彼は何を考えているの?」
違う質問をぶつけてみる。
あの男に関する問いだ。
「……」
「……」
昨晩はヒントみたいなものを含む返答が貰えたのだが、今日は言葉すらない。
「そう……」
ここでアヤカとセリオを足止めすると言う事は、あの男はまだ何かすると言う事だ。
恐らくは、ここに居ない黒髪の魔剣士と共に。
「いいわ、ちょっと力ずくでも退いて貰うわ。
アイツにはちょっと聞きたい事があるから」
だが、アヤカはそんな事どうでもよかった。
ただ、確かめたかった。
コトリの事を。
解り始めたあの男の事を。
アキコとサユリが足止めをしている場所から更に森の奥。
ユウイチは1人走っていた。
そして、後少しで黒い桜の領域と言う所だった。
「待て!」
当然現れる管理者達。
昨日と同じ盾を持った少年、ジュンイチ。
その背にステルスを掛けて隠れる管理責任者サクラ、ジュンイチの義妹ネム。
2人は感情が揺らぎすぎていて、ハッキリ言って隠れている意味が無い。
そして、ジュンイチも戦う事に迷いがある。
昨晩最後の状態から考えれば回復した方であろうが、昨晩と同じ盾を持ってきている時点で錯乱しているとすら言える。
「雑魚に用は無い。
さっさと後ろの女2人抱えて逃げるがいい」
昨晩までの管理者ならばそれなりに苦戦をしただろう。
だが、今の彼等ならば障害にすらならない。
故に、ユウイチはツマラナイモノを見るように彼等にそう言い捨て、大剣を抜く。
昨晩まで使っていた剣に血の刻印を入れ、コトリの魔力を宿した剣だ。
これを抜けば、今の堕落した管理者なら真正面から向かってくる、そう判断した。
しかし、
「そうはいかない。
その血文字の刻印を入れた剣で何をする気だ?
それも、わざわざ少量のコトリの魔力で表面を覆い、あたかもその力全てをコトリから奪ったかの様に見せかけた剣で」
ジュンイチは冷静に剣にかけてあるカモフラージュを言い当てる。
どうやら戦う事以外に関してはかなり回復している様だ。
おそらく、コトリを使った事も逆効果だったのだろう。
(ならば、仕方あるまい)
ユウイチは大剣を戻し、大長剣に持ち帰る。
刻印の意味を見破られる可能性も考えてだ。
尤も、例え見破り、その力を理解しても、それをどう使うかまでは解らないだろうが。
「ほう、どうやらそれなりに回復したようだな。
それとも、主に直してもらったのか?
人形の記憶、感情の操作なんてのは基本だしな」
ユウイチは笑う。
スギナミから得た情報という事実。
それをもってユウイチは回復しかけている管理者達を潰しに出た。
「……何を言っている」
僅かにであるが、確かに反応を示すジュンイチ。
そして、その背に隠れるサクラ。
ネムはユウイチが何を言っているのかはサッパリ理解できていないだろう。
彼女は何も知らないのだから。
「君の事だよ、ジュンイチ アサクラ君。
いや、サクラ ヨシノの使徒、ジュンイチ ヨシノ」
「っ!」
ユウイチの言葉で3つ乱れが生じた。
緊張と、動揺と、混乱だ。
この程度の指摘で解り易すぎる乱れ方をしてくれる。
「お前ほど便利に作られた使徒もそうはいまい。
有事には盾として先頭に立ち、魔導を使う時は構築及び処理の補助、更には魔力の補助タンクとしての役割。
強力な壁にして、魔導の補助ユニット、これだけでも十分使える使徒だろうな」
「っ! …………?!
おい、サクラ!」
ユウイチの口にする『事実』を止めんとジュンイチは手をユウイチに向けた。
先日、あの魔法を放った時の様に。
だが、何も起きない。
それに対し魔法を構築する筈の者の名を呼ぶ。
ユウイチの言葉に動揺し、魔法を構築できなくなっている契約者の名を。
「だが、それだけでなく常時は魔力ほとんど使わない限定特殊魔法により和菓子の精製。
精製の代価は緊急時に必要な魔力ではなく、己の生命力だそうだな。
そして、それらの機能はインプットされた擬似的な『アイ』によって自律制御される。
ああ、『アイ』を強制しているのはおまえ自身の力だったな。
なんとも素晴らしい使徒だよ」
「ちっ!
ファイアーボール!」
ゴゥッ!
サクラが戦闘不能と解ったジュンイチは昨晩も使った魔石を起動する。
ユウイチの言葉を止める為に。
サクラの為にでもあり、それに義妹の方には聞かれたくない話であろう。
ドゴォォォォンッ!
ユウイチがいた場所に着弾し、爆発する火炎弾。
ユウイチは真正面から放たれた火炎弾の爆炎の影に隠れ、更に木々に紛れて移動する。
「信じられないか? 仮初の妹、ネム アサクラ。
不思議に思わなかったのか?
昨日まで普通の人間だったこの男が、この森に来た途端に勇者とも対等に戦える戦士に変貌した」
ユウイチは気配を消し、木々に隠れながら言葉を続けた。
ネムに近づきながら。
「くそっ!」
魔法を乱打してでもユウイチの言葉を止めるかとも予想したが、ジュンイチはただ気配を探り、ユウイチを見つけ様とするだけだ。
それなりに冷静さを遺しているのか、それとも魔石が残り少ないという事も考えられる。
だが、今はどちらでも構わなかった。
「何故、お前の兄は常にかったるそうにして、何事にも全力を出さない?
そんな兄が何故、ここに来てまるで人が変わったかの様に戦闘に立つ?
簡単な事だ、ネム アサクラ。
それは、お前が兄だと思っていた男は、サクラ ヨシノを護る為の存在であったからだ。
故に、それ以外の事は可能な限り力を使わずに温存してきたのだよ」
「ネム、3時方向! 狙わなくていいから撃て!
ネムッ!」
「あ……兄さん……私……」
ジュンイチはネムの援護射撃を要請するも、混乱しているネムは自分が武器を持っていることすら忘れているだろう。
所詮一般人でしかないネムには、ユウイチの大部分が事実の邪推を前に正気でいられる筈もない。
「お前との生活は全て擬態だったんだよ。
ネム アサクラ。
全て、有事の時まで兵力を隠す為のカモフラージュだ」
ユウイチはネムの背後に回り、距離はあるが耳元で囁く様に言ってやる。
ネムはまだ姿を隠しているが、先のジュンイチとのやりとりで完璧に位置が割れている。
そんな事も解らないくらい、ネムは混乱し、移動する事もしない。
「そこか!」
ヒュンッ!
ユウイチの居場所に気付いたジュンイチが、盾の一枚を飛ばしてくる。
ネムの横を掠め、正確にユウイチが居た場所を通り過ぎていく。
だが既にそこにユウイチの姿は無く、ユウイチは別の場所に移動していた。
「そういえば、サクラ ヨシノにはもう1人使徒がいたな。
そう、メイドの様に私生活面で使役し、更に依り代としても使っている奴だ」
「ぐ……」
再びユウイチを見失ったジュンイチは、必死でユウイチの姿を探す。
見つけて直接叩く以外、ユウイチの言葉を止める事はできないのだから。
「年をとる事も排除し、この孤島を自分だけの楽園として。
自分の代わりに死ぬペットを囲い、自分をアイしてくれる人形を作る」
「……違う」
ユウイチの言葉が響く中、弱々しい声と共に膝を地に付く音が聞こえた。
音と声がした場所は乱れきった心のある場所。
「カリソメのフシを得て、ヌルマユのアイに浸かる」
完全に位置を掴んだユウイチは、ネムにしたのと同様に背後に回る。
そうしてネムにしたのと同様に耳元で囁く様に、されど全方位から叩き付けられる様な、そんな錯覚を覚える声で言うのだ。
「お前は最高の『魔女』だよ」
「イヤァァァ!!」
少女の悲鳴が響く。
全てを拒絶するような悲鳴が。
「サクラ!」
その悲鳴に一歩遅れジュンイチがサクラの前に立つ。
あの矛盾した、タテを持って。
「雑魚に用はないよ。
誰も護れないお前になど」
ヒュンッ!
言葉と共にユウイチは大長剣を振り下ろした。
今は、ただ頑丈なだけの剣を。
ユウイチがもつ大剣と変わらぬ、特異な力など何もないただの剣を。
ガキィンッ!
「くっ!」
その一撃を両の盾を持って受けるジュンイチ。
武器こそ違えど、嘗てジュンイチはユウイチの一撃を完全に防ぎきった事がある。
そう、嘗ては。
だが、
ギギギ……
盾から不吉な音が漏れ出す。
ジュンイチの腕も下がり始め、膝も曲ってしまう。
それはジュンイチがユウイチの力に押し負けているのではない。
そうしなければならないのだ。
嘗ては、確かに何事も無かったかの様に受けられた筈なのに、今はそうしなければ受ける事ができないのだ。
しかし、それもサクラが後ろに居る以上、限度がある。
そして、
バキィィィィンッ!
ついに、音を立てて砕けるジュンイチの盾。
「ぐ……」
「うう……」
砕ける瞬間、力に弾かれ真後ろにいたサクラと共に飛ばされたジュンイチ。
その結果、サクラはジュンイチという砲弾を受け、ダメージを受けて動けなくなっている。
ジュンイチは飛ばされはしたものの、サクラがクッションになってダメージは少ない。
ジュンイチは護る筈だったサクラを逆に傷つけ、自分はダメージを軽減した事になったのだ。
「つまらん」
そんな2人を見て、ユウイチは完全に興味が失せた様に背を向けた。
そして、森の奥へと進んでいく。
最早立ち上がることすらできないジュンイチ達を置いて。
ユウイチは走っていた。
森の中心に向かって。
この森の中央にある桜の巨樹。
黒い花を撒き散らす狂った魔法システムの本体へ。
既に辺りは黒い桜が立ち並び、闇の花びらが舞う異界。
視界は黒一色に染まっている。
事実狂って咲いている黒い桜の花びらを掻き分ける様にして進む事となり、触れる黒い花びらは重く感じられる。
(まだハッキリとは解らないが、この黒い花びらの中は瘴気の中にいるのに近いな)
肉体からも、精神からも、そして魂すらも警告を上げてくる。
ここには居るべきではないと。
(一般人なら10秒ともつまい)
黒い花びらで光は届かず、手持ちの光源があったとしても視界はほぼ0。
それも全て黒い花びらによってである。
更に、それらが全て瘴気を孕んでいるのと同じなのだ。
勇者でも気を抜けば、狂って死に至るだろう。
(それも、中心に近くなるにつれて加速度的に濃くなるな)
既に花びらの量は限界を超え、花びらで埋め尽くされた中を進んでいるに等しかった。
それら全てが瘴気を孕んでいるのだとしたら、つまりは、瘴気の海を掻き分けて進んでいるに等しい行為だ。
強行するユウイチではあるが、流石に肉体、精神、魂からの警告は絶叫に変わりつつある。
(だが、最早止まらぬ。
ここへ来るまでに消費した分の成果を上げるまでは!)
最早口も目も開く事かなわぬ場所故、心の中だけで叫ぶ。
そして、前方に現れた深く、濃く、それでいて酷く歪な闇。
間違いなくこの島の魔法システムの中心の桜だ。
その場所に飛び込む。
バシュッ!
「……っ!!」
中央区画と言えるその場所に突入する瞬間、何かにぶつかる様な感覚があった。
そして、足を進めようにも、まるでスライムの体内を泳ぐかの様に体中に絡みつく重い何かがあった。
物理障壁があった訳ではない。
だが物理的な何かで満たされていると感じ、事実体に影響を与える程のものがそこにあった。
(どう言う密度の瘴気だ!?)
黒い色、そして中心からくる闇の正体。
それは単純な色からくるイメージではなく、調査の結果として予想はしていた。
だが今ユウイチが身体で感じているのは、まるでスライムの体内に飛び込んだかと思う程のもの。
つまりは、物理的な現象を引き起こすまでに至ったという濃度なのだ。
(一般人ならうっかり化け物になりかねないぞ。
まだ若干の時間があるかと思ったが、もう条件はほぼ満たされているな!)
ユウイチは大剣を抜く。
マイの血と魔力を持って『繋ぐ』という意味の古代魔法言語が描かれた大剣を。
そして、剣に込められた魔力を使い、進んでいく。
ユウイチは感じる。
後10m先に巨大な桜の樹が、魔法システムの本体があるのを。
進むにつれ身体に掛かる負荷は大きくなる。
これほどの瘴気はその為の対策を施し、対処法を知っているユウイチですら、体が腐っていく様な感覚が沸き起こってくる。
自分の体を少しでも疑えば、そこから実際に腐っていくだろう。
ユウイチは精神力でそれに耐えながら進む。
だが、物理的な重さまで感じるのだ、精神力だけではそう長くは防御しきれない。
(それでも!)
ユウイチは進む、1歩1歩確実に。
そうして樹の前まで辿り着き、そこで剣を振り上げる。
先ず1つ目の手順として、それをシステム本体に―――
ブンッ!
ザシュッ!
突き刺した。
(よし、鍵は刺せた。
続けていく……)
それから今朝シグルドに転送してもらった、秘蔵の大長剣を抜き、構えた。
しかし、その時だった。
ゴッ!
突然、ユウイチに圧力が掛かった。
ユウイチをこの中央区画から排出しようとする瘴気による圧力だ。
(くっ! 来るとはおもったが、やはりこれ程になると!!)
システム本体に外部から物理的な侵入があったのだ、防衛が働くのは当然。
ユウイチは最初からそれに対し、備えもしていた。
だが、予想外のこの瘴気の濃度。
どうしたところで抗う事のできない、津波の様な圧力がユウイチに襲い掛かる。
(まだだ!)
ヒュンッ!
ユウイチは圧力が掛かっていない部分を見極め、大長剣についている鎖を桜の樹の枝に引っ掛ける。
そして、それを支点にして圧力なんとか乗り切り、作業を続行せんとする。
だが、
ゴウッ!!
その前に、瘴気の圧力は土石流程の力を持ってユウイチを排出しようとする。
(くっ! だが、まだこの程度では!)
先に鎖を投げられた様に、圧力は全面に掛かっている訳ではない。
よって、圧力の掛かっていない方向に逃げればいい。
だから、ユウイチは跳んだ。
まるでサーフィンで波に乗る様にして圧力を受け流し、この場に留まり続ける。
巨樹に刺した大剣の鎖を握り、自らの身体を引き寄せる。
(よし! これで!)
排除しようとする力を受け流しながら、再度システム本体に近づく事に成功したユウイチ。
まだ波に乗る様な形ではあるが、今度は大長剣を振り上げる様にして構える。
これが成功すれば、これまでに払ってきた代償分の成果となる筈だと、ユウイチは考えていた。
しかし、その時ソレは現れた。
フッ
(何っ!?)
最初にユウイチが認識したのは手だった。
視界は無い為、大凡の形しか解らないが、確かに手の形をしたナニカであった。
そして、次いで感じたのは、確かに『経験』のあるものだった。
(なっ! これは!)
声が響いた。
ユウイチ自身に直接。
肉体に、精神に、魂に。
音ではなく、それは意味と力を持つ言葉として直接刻み込まれる。
そして、放たれる絶望を内包する闇の砲弾。
ゴウンッ!
「おおおおおお!」
キィィィィィッ!
ユウイチは、構えていた大長剣を盾として防御する。
そして、同時に手持ちの全ての道具、今日回復したアンチマジックアイテムも総動員して力の相殺にかかる。
が、相殺しきれない。
(シグルド! 第1級緊急召還!)
押し負けると解ったユウイチは友に援護を要請した。
第1級緊急召還とは、即座にシグルドの援護が無い場合、この作戦行動に多大な支障を来たしたり、死ぬ可能性があるという事態だ。
今まで片手で数える程しかなかった、強制召喚にも近い召還要請だ。
だが、
(すまぬ、こちらも第1級緊急事態発生中だ!)
返って来た応えは、その要請を唯一無効化できるもの。
つまりは、シグルド達にも同程度の事態が降りかかっているというものであった。
別行動をとる2人が、同時にそれほど追い詰められるなど今までに無い経験だった。
(くっ!)
完全にあてにし、頼り切った訳ではないが、今の状況はいかんともし難い。
ドウゥゥゥゥンッ!
幾分か威力を削いだものの、まだ十分な破壊力を持ったソレはユウイチを中央区画から押し出す。
それは黒い花びらすら押しのけて森の外まで排出する勢いだ。
黒い花びらの中を押されて進む事になる。
花びらのプールだ、イメージとしては柔らかいが、それは黒い花びらであり、瘴気の塊と言える。
それは例えるなら硫酸の中に押し付けられているに等しい。
それに、森にあるのは花びらだけではない。
「オオオオオオオッ!!」
ズドドドドォォォォォォンッ!!!
森に音が響いた。
ユウイチの咆哮など完全に掻き消されるくらい音が。
巨大な爆音にも似た破砕音が響く。
日は沈み、島は夜を迎えようとしていた
後書き
さて、いよいよ最後が見えてきた13話になります。
ラスボスっぽいのもチラっとでてきましたしね。
前回の戦闘から夜が明けてまたいきなり戦闘というハードスケジュールです。
ただ、戦闘がありながら13話は短いです。
実は、14話と足して普通の容量かと思うくらいに。
これにはいろいろ理由があるのですが、また後ほど。
管理人の感想
T-SAKAさんから13話を頂きました。
前話の半分以下ですが……また極端な。(笑
今回はユウイチ容赦ねぇの回。(爆
実際彼は我が道を邁進し続けてますよね。
ヒロユキのプライドを叩き折ましたし、サクラの心もおっちゃったのかな。
まぁどちらの陣営も一筋縄ではいかない面子ですから、きっと立ち直るでしょうけど。
ある意味そこからが本当の勝負でしょうか。
で、最後にちょっと出てきた手。
後書きから察するとラスボスでしょうか。
なんか使った魔法に見覚えがあるなぁ。
となると敵はアレか、アレに類するものでしょうね。
やっぱりまた美味しいところで終わった今回。
今度はユウイチがどうなったか気になる方は下記まで感想をどうぞ。(笑
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