戦闘には勝てる。作戦では負けはない。
俺達の少ない戦力で勝てるのはやはり水瀬さんの采配が凄いのだとわかっている。
そんな事は百も二百も承知。
だが、俺は良い。
狙撃主には危険も苦難もあまり無い。
安全なところから、味方も援護できる。
危険にさらされる事なんて滅多に無い。
だが、美坂、月宮や牧田さん、そして……七瀬さん。
この4人には凄まじい圧力が掛かっているとしか思えない。
美坂は良い。まだ、自分を保っていられるのだから。
月宮もまだ良い。地獄を地獄とも思ってないみたいだから。
牧田さんも良い。まるで自分の実力を高める為に戦えているのだから。
七瀬さんが心配だ。
作戦があるたびに、戦いをするたびにどんどんと壊れてく……
俺に彼女を支える事は出来ないのか……
何か出来ることが俺には無いのか……
自分がこれほど情けない存在だとは思わなかった。
畜生……
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神の居ないこの世界で−A5編− |
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