私は銃だ。水瀬名雪隊長が引けと言えばためらい無く引き金を引くことが出来る。
忠実で裏切ることの無い銃。
しかし、それだけでは駄目だ。考え、行動する銃。
私にはそれがふさわしい。
それは確実に相手を吹き飛ばすライフルだ。
隊長に拾われたこの老いぼれの命。この短き命が尽きるまで名雪隊長に従う。
あの時、死んだはずだった私を黄泉返らせてくれた。
精神的に死んでいたのだ。自分という意味を見出せなかった。
そのほかの意味は要らない。だから、隊長には絶対の忠誠を誓う。
絶対に裏切ることの無い銃として。
私は存在し、この世界に居ることが出来る。
この身が、命が、尽き果てるその日まで。
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神の居ないこの世界で−A5編− |
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