さて。
私は、彼を、厳しく、叱る事が
僕は、君を、愛しく、支える事が
俺は、きみを、優しく、救う事が
自分は、彼方を、強く、求める事が
あたしは、貴方を、心強く、癒す事が
わたくしは、彼女を、激しく、包み込む事が
出来るのでしょうか?
それとも、
出来ないのでしょうか?
一体。
私は、何を、話したいのか
僕は、それを、触れたいのか
俺は、これを、感じたいのか
自分は、あれを、聴きたいのか
あたしは、どれを、視たいのか
わたくしは、何処を、どうしたいのか
解っているのでしょうか?
それとも
解っていないのでしょうか?
私の声は、彼に、届くのでしょうか?
それとも、届かないのでしょうか?
僕の思いは、君に、伝わるのでしょうか?
それとも、伝わらないのでしょうか?
俺の気持ちは、きみに、解ってもらえるのでしょうか?
それとも、解ってもらえないのでしょうか?
自分の姿は、彼方に、見てもらえるのでしょうか?
それもと、見てもらえないのでしょうか?
あたしの事は、貴方に、包み込んでもらえるのでしょうか?
それとも、包み込んでもらえないのでしょうか?
わたくしの存在は、彼女に、認めてもらえるのでしょうか?
それとも、認めてもらえないのでしょうか?
でも、お父さんとお母さん達は何も言わずに、私達を包み込んでくれるんです。
私達にこんな日が来るとは思っていなかった。
みんなが優しくて、みんなが嬉しくて。
こんなに世界が輝いて見えて穏やかな場所が有るなんて。
私達は知らなかった……
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神の居ないこの世界で−A5編− |
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