私は愚かだ。
そう、この言葉ほど私にピッタリな言葉は無いだろう。
この状況を見て、自分でも呆れるほどそう思ってしまう。
私は愚かだ。
目の前に見える、自由という名の安寧の牢獄。
それを見てわざとそれに入る機会を潰してしまった。
私は愚かだ。
私が選んだのは、戦いと言う名の怨嗟の牢獄。
しかし、それ以外に私に何が出来るのと言うのだ。
私は愚かだ。
私から戦いをとったら何が残る?
何も残りはしない。それが私の殆どを構成しているのだから。
私は愚かだ。
戦いが好きなわけではない。
むしろ嫌いである。でも、それ以外に何も無い。
私は愚かだ。
ただ、戦いは楽しい。
既に私は戦場無しでは生きられない。
私は愚かだ。
弟まで、私の我侭に付き合わせてしまってる。
ああ言えば、絶対に弟は付いてくるのが判っているのに。
私は愚かだ。
これから先、怨嗟の道を、茨の道を歩く事に落胆している自分が居る。
弟さえも巻き込んでいる。
私は愚かだ。
苦しいのが解っているのに、叫べない自分が居る。
悲しいのが解っていて、泣けない自分いるのに気が付いている。
私はなんて愚かなんだろう。
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神の居ないこの世界で−A5編− |
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