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その情報は2つのルートから確認された。
GEの生き残りが居る。と言う情報が。
片方は石橋が、もう片方は詩子が別々のソースで確認していた。
「……こんなの嘘だったら良いのに」
詩子はそれを見て、溜息を吐く。それを祐一に伝えるのが怖い。
だが、伝えないでおく事の方がもっと怖い。
自身でも確認して、慎重に慎重を重ねた情報である。
間違いと言う可能性を全て排除しきった物がここにある。
GEナンバーの指令機であるナンバーが生き残っていた。
GE-09、それが生き残りのナンバー。
詩子はその経歴を全て洗ってみて、更に溜息を吐く。
「絶対に……祐一君は許さないよね」
指令機として、意識に余裕を持たせた。その調整の為に祐一が研究所を滅ぼした日にその場にいなかったのだ。
連れ出したのは久瀬圭吾。研究所に戻る事無く、その子をとあるエリアの議員に渡した。
もっとも、渡した当初は戦闘目的だったはずだった。
しかし、扱いきれるはずもなく精神を壊した。騙し騙し使おうにも既に研究所のメンバーは誰も居ない。
残された役目は簡単に想像がつくだろう。扱いは悲惨の一言。
「まぁ、その議員は捕まってるから問題無いんだけどね……その先よね」
その子を保護したのは世界政府だ。
たらい回しにされた挙句に、幽閉と言う形をとった。それが現状。
幽閉された場所は岬であるが、難攻不落として名高い場所。
その警備に聖ジョージ部隊が就任した。
情報にはそこまでが書かれている。
詩子は溜息を吐いて、祐一に渡す前に冷静な秋子に渡そうと心に決めた。
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神の居ないこの世界で−A5編− |
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