私の存在している理由はなんだろうか?
祐一に出会う前ならば、佐祐理に拒絶される前ならば、はっきりと即座に言う事は出来た。
佐祐理のためだと、私のお母さんの為だと。
今の私にはそれを迷わずに言う自信がない。
でも、私に暖かな物を感じさせてくれる人がいる。
私をものすごく心配させる人がいる。
私の不安を吹き飛ばしてくれる人がいる。
こんな感情を抱いた事は今まで無かった。
自分の感情を抑える事が出来ない事なんて無かった。
私は壊れてしまったのかもしれない。
今までの自分に戻れないそんな予感が有る。
私をこんなにした人の隣でその人に寄り添う。
それが私の存在意義で良いと今は思える。
祐一は強い。誰にも寄り添う事無く生きて行く事だって出来ると思う。
でもそれは悲しいと思う。
だから、せめて私くらいは隣に居てあげたいと思った。
誰が何と言おうと。
誰がどんなに否定しようとも。
私は祐一を絶対に否定せずに隣に居続け共に歩く。
それが私の存在意義。
それで良いと思える自分をほんの少しだけ好きになれた。
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神の居ないこの世界で |
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