悲しかったんです。
何もかもが。
佐祐理が居た暖かいところは全てが壊されてしまいました。
寂しかったんです。
何もかもが。
佐祐理は1人でした。いえ、そう思おうとしていました。
苦しかったんです。
何もかもが。
手を差し伸べてくれる手を振り払って、横に居てくれた人を追い出だしてしまいました。
何も無かったんです。
佐祐理には。
それでも優しく手を差し伸べてくれた人がいたのに、その人に酷い言葉を投げつけてしまいました。
今、それが間違いだと知ってどうする事も出来ません。
こんなだから、佐祐理が『私』と言えるようになるのは一体いつかわかりません。
いまさら都合が良いかもしれないけど。
我侭だと、自分勝手だと思うけど。
許されるなら。
赦されるのならば。
佐祐理にこの言葉を言わせてください。
ごめんなさい。
『私』の為にまた隣を歩いてください。
と言わせてください。
もし、その言葉を聴いたら……
美汐さん、真琴は佐祐理を許してくれますか?
舞は再び佐祐理の隣を歩いてくれますか?
祐一さんはこれから先、佐祐理の隣を歩いてくれますか?
手を差し伸べてくれた皆さんはまた手を差し伸べてくれますか?
怖いです。本当に。
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神の居ないこの世界で |
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