ノー・ウォー美術家の集い横浜 事務局通信/2020年10月27日

2020年 核兵器のない世界へ、日本の役割が問われている。
   核兵器禁止条約の発効必要条件を達成に際し

 10月25日、国連で採択された核兵器禁止条約の発効必要条件の50カ国・地域が達成されたニュースが一に報道されました。おそらく世界中で。
 私たちノー・ウォー美術家の集い横浜は核兵器廃止を重要な共通コンセプトに展覧会をはじめ様々な取り組みをしてきました。2018年にはノー・ウォー横浜展でその前年の12月、ノーベル平和賞を受賞した核兵器禁止キャンペーン(ICAN)のメッセージと、13歳のときヒロシマで被爆したサーロ節子さんのオスロの授賞式のときの講演を音楽と朗読で紹介しました。
 核兵器禁止条約は2017年7月、国連加盟の6割を超える122カ国・地域の賛成多数で採択されました。この条約は核兵器の開発や保有、使用だけでなく、核兵器による威嚇、他国の核兵器を自国内に配備することなどを全面的に禁じることをうたっています。締約国がこの条約を破ることは国連条約違反となるのです。条約の発効を妨げようとする核保有国は様々な圧力をかけましたが、それを跳ね返し発効必要条約を達成したのです。
 ただしこの条約は締約国でなければ拘束されないと言う核保有国に有利な弱点をもっています。米国・中国・ロシア・フランス・イギリスの核保有国5カ国を説得する上で、力を発揮しなくてはならないのが、核軍縮進展に向けて核保有国と非核保有国の「橋渡し役」を担う」と度々発言してきた日本です。
 条約は来年1月22日に発効します。壮絶な被爆地獄を生き抜き、精神・肉体を奮い立たせて世界に被爆の実相を訴え続けた被爆者、その運動を支えた無数の人々の願いがついに75年間の人類の悲願、核兵器のない世界へ進む道の扉を開いたのです。そして世界は唯一の核兵器被爆国日本の動きを期待をもって見守っています。
 安倍総理(当時)は今年8月6日広島の平和記念式典のあいさつで核兵器禁止条約について一言も触れず、広島市の松井一美市長があいさつで核兵器禁止条約とNTP(核不拡散条約)について「ともに核兵器廃絶に不可欠な条約であり、次世代に確実に継承すべき枠組み」と述べたのと際立った違いを見せました。菅首相は安倍政権の踏襲を公(おおやけ)しています。核兵器禁止条約は来年1月22に日発効します。私たちは世界の核兵器禁止の声としっかり手をつなぎ被爆国日本の責任を果たすよう菅首相に厳しく迫らなくてはならないと思います。(事務局・藤井)