1996年に日本ファルコムから発売されたRPGです。 ストーリー性を重視した英雄伝説IIIの続編として、IIIの時代の55年前を描いたお話で、人間の意志の強さがテーマだと私は思います。 IIIに引き続いたシリアスなストーリーに、フリーシナリオを組み合わせた自由度の高いストーリーが人気です。 また、RPGの一つの見所と言える戦闘も、IIIとは打って変わって自由度の高い戦闘システムとなり、コンバットアニメも魅力的でした。 ただ、下に書くフリーシナリオの問題点とマップのつくりの甘さ、IIIに比べたストーリーの弱さもあり、人気はIIIに及んでいないかもしれません。
ファンには高く評価されている「フリーシナリオ」ですが(もちろん私も好きです)、何故これがIVの人気へと直結しなかったのか? それは、主人公アヴィンやマイル・ルティス以外の個性的なサブキャラクターの存在が完全に無視されているからです。 フリーシナリオによってはサブキャラクターの存在が必須のものもあって良いのですが、だいたいのシナリオは誰がいても無視されて話が進みます。 自然、サブキャラクターへの思い入れは薄くなり、せっかくの多彩なサブキャラクターが単なるパーティー構成要員にしかなりません。 この辺はWindows移植版である新・朱紅い雫にてうまく再構成されると思っていました。 しかしストーリーは重厚となったものの、残念ながらパーティーは固定となり、自由度は消えました。
98版・朱紅い雫はWindows上にて完成された「ガガーブ・トリロジー」の原点の一つと言っても良いはずです。 しかしながら、日本ファルコムのサイトを見ても、その原点をたどることは出来ません。 サイト自体は保存されているので、ご覧になることは出来ますが。
ソフトもハードもほぼ流通していない今となっては、98版・朱紅い雫は過去のゲームとなってしまいました。 このページを見て懐かしく思い出してくれる人がいれば嬉しい限りです。