Jpn 護衛艦 DDG173 こんごう 型 JpnE

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イージス護衛艦
AEGIS DESTROYER
最新最強の艦隊防空中枢艦

海上自衛隊最大最強の護衛艦 天空の守りは鉄壁
護衛艦 DDG173 こんごう (DDG173こんごう型)
海上自衛隊、第四世代の対空誘導弾搭載護衛艦。言うまでもなく、最新鋭のイージス護衛艦である。
イージスシステムを搭載する艦は、アメリカの他は、本型と、建造中のスペインのアルバロ・デ・バザン(F101 ALVARO DE BAZAN)級のみである。
外観は、アメリカのイージス駆逐艦「アーレイバーク」そっくりであるが、防空中枢艦として、旗艦設備を充実させた為、艦橋は大型化し、かつての重巡洋艦「高雄」級を彷彿させる。ジェーン年鑑でさえ、建造中の本艦の艦名を「TAKAO」としたほどであった。
また、「アーレイバーク」が30隻を超える量産艦であるのに対し、細かい部分で、国産艦らしさを見せている。
本型の就役により、4個護衛隊群すべてに各2隻の防空艦を有する編成が達成された。
主兵器のスタンダードミサイルは、垂直発射機構VLS(Vertical Launching System)とされ、艦の前後に、埋め込まれて装備されている為、シルエットは、5インチ砲がポツンと見えるのみである。
使用する誘導弾は、スタンダードSM2-ERである。
イージスシステムは、アメリカの巡洋艦「タイコンデロガ」級で初めて搭載された、画期的艦隊防空システムで、フェーズドアレイレーダーと、高性能情報処理システムにより、同時多数の航空攻撃に対して、艦隊防空を果たす事が出来る。
フェーズドアレイレーダーは、かつての原子力巡洋艦「ロングビーチ」や、改装前の原子力空母「エンタープライズ」で採用されたレーダーで、レーダー板自体は固定装備されていて回転せず、電子的走査により、電波の進行方向を操作制御して、瞬時に天空を走査する、画期的レーダーである。艦橋構造物の周囲に4枚設置されているが、各々90度の範囲を担当し、4枚で全周をカバーしている。性能上、各90度を超える範囲もカバーできる。
一般のレーダーは、1回転するのに、1秒前後必要で、レーダー板が裏を向いている時間は、目標の監視が出来ていないが、フェーズドアレイレーダーでは、常に目標の監視を継続する事が出来る。
搭載される対空ミサイルの誘導方式も、発射から到達までを艦から制御せず、慣性航法と、時分割的な指令で誘導され、為に、誘導装置の個数=飛行中のミサイルの数 と言う、従来の制約から脱皮している。従って、ランチャーも、従来の方式では性能を引き出せない為、垂直発射機構VLS(Vertical Launching System)とされ、ほぼ同時に何発もの発射を可能としている。
また、システムの設計上では、他艦搭載のランチャーから発射されたミサイルをも誘導する事が可能となっている。
中距離弾道弾の脅威に対抗する為、イージスシステムにも、この対応能力の付与がアメリカを中心に研究されており、21世紀には、日本海防空艦隊が出現するかもしれない。
主機はCOGAG方式であるが、本型ではLM2500ガスタービンを4基としており、統一形式により、メンテ性が向上している。
(従来の方式では、巡航用+ブースト用の観点から、2種類のタイプが搭載されている。)
搭載する127mm砲は、OTOメララ社の物で、本型で初めて採用された。
Mk41 VLS 垂直発射機は、スタンダードミサイル、アスロック、シースパローの発射が可能。
8セルを1組として、「こんごう」型には、4組(32セル)と8組(64セル)が搭載されているが、各3セル分はキャニスター搭載用クレーンの格納スペースに使用されており、ミサイル弾数は、29発と61発となっている。
海上自衛隊の護衛隊の編成は、通常同型艦で編成されるが、現在、対空誘導弾搭載護衛艦に限って、ハイ・ロー・ミックス(高性能のイージス艦と、在来の対空ミサイル護衛艦)各1隻で編成され、戦力の均一化を計っている。
「ちょうかい」は、2001年5月16日〜8月3日「ひえい」「さみだれ」P3C 5機などと共に、派米訓練を行っている。
DDGの艦名は、これまで「かぜ」の名前であったが、本型より、山岳の名称がつけられている。
艦名の「こんごう」「きりしま」は、山岳の名称では有るが、言うまでもなく、旧連合艦隊の、戦艦の名称で、これにより、戦艦「榛名」級4隻の艦名復活が達成された。「みょうこう」も「妙高山」に因んでいるが、重巡洋艦「妙高」級、「ちょうかい」も「鳥海山」であるともに、重巡洋艦「高雄」級の1艦のリバイバルである。
「あまつかぜ」以来、対空誘導弾搭載護衛艦は、みな、三菱重工長崎造船所で建造されてきたが、ノウハウを持つ造船所は東西に複数の方が好ましいと言う見地から、「ちょうかい」のみ、東京の石川島播磨重工業で建造された。
「こんごう」は、平成12年5月30日〜7月5日にハワイ周辺海域で実施されたリムパック2000に、第2護衛隊群司令の指揮の下「八八艦隊」を構成して参加した。
「きりしま」は、2002.12.16、イージス艦としてはじめてインド洋に派遣されている。
尚、ミサイル防衛(MD)導入費として、04年度予算概算要求に1423億円を盛り込まれたが、イージス艦1隻の改修費が含まれており、以降04年〜07年にかけて毎年イージス1隻の整備を進め、10年度には航空自衛隊とあわせて4隻・4高射群体制のMD体制完成を目指す。
初のMD対応艦は、イージス艦「こんごう」の予定である。
平成18年度予算では、この改修費用に1隻分約309億円が成立している。
平成19年度予算では、この改修費用に4隻目の予算要求が盛り込まれている。
同時に、SM-3ミサイルの取得と、発射試験も盛り込まれている。
なおMDの導入に伴い、「防衛計画の大綱」を改定するとともに、「中期防衛力整備計画(2001−2005年度)」についても見直し、イージス4艦体制によるMD構想を明記される方針である。

DDG とは Guided Missile Destroyer の略号で、元来は、ミサイル駆逐艦 の意。

同型艦
艦種 記号・番号 艦名 竣工/編入 配属 定係港 建造所 計画年度 退役 備考
護衛艦 DDG173 こんごう 平成5年3月25日 第2護衛隊群 第62護衛隊 佐世保 三菱長崎 S63
護衛艦 DDG174 きりしま 平成7年3月16日 第1護衛隊群 第61護衛隊 横須賀 三菱長崎 H2
護衛艦 DDG175 みょうこう 平成8年3月14日 第3護衛隊群 第63護衛隊 舞鶴 三菱長崎 H3
護衛艦 DDG176 ちょうかい 平成10年3月20日 第4護衛隊群 第64護衛隊 佐世保 石播東京 H5

基準排水量:7250t / 満載排水量:9485t
主要寸法 全長161m×幅21.0m×深さ12.0m×喫水6.2m
主機:COGAG ガスタービン4基2軸, 出力:100000PS
速力:約30kt
船型:平甲板型(遮浪甲板型), 乗員:約300名
主要装備:  127mm54口径単装速射砲:1基
 高性能20mm多銃身機関砲(CIWS):2基, イージス装置一式
 4連装SSM発射機:2基, 3連装短魚雷発射管:2基
電子装備:  OPS-20 航海レーダー
 OPS-28D 対水上レーダー
 SPY-1D フェーズドアレイレーダー
 SPG-62 射撃指揮装置(スタンダードSAM管制用)
 FCS-2 射撃指揮装置2型
 NOLQ-2 電子戦装置(ESM/ECM)
 LINK16 アンテナ
 UPX-29 IFF
 ORQ-1 ヘリコプター用データリンク装置
 OE-82C 衛星通信アンテナ (DDG175-176: USC-42 衛星通信アンテナ)
 インマルサット衛星通信アンテナ
 スーパーバード衛星通信アンテナ


参考
防空システム イージスへの系譜
イージス防空システム
弾道ミサイル防衛
日本の弾道ミサイル防衛
2006.6テポドンへの対応


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新規作成日:2001年11月27日/最終更新日:2006年10月18日