海底資源開発
海底資源開発から生産への流れ
探鉱
石油探鉱・採掘権の取得
探査・探鉱
試掘
商業採算性の評価
開発・生産
生産設備の建造・設置
生産・貯蔵
精製・販売
輸送
貯油・精製
販売
海底資源の種類
LPG(Liquefied Petroleum Gas: 液化石油ガス)
原油採掘や石油精製時に発生するガスに含まれるプロパンCH3-CH2-CH3やブタンCH3-CH2-CH2-CH3を液化したもの。
LPGは常圧でマイナス42度まで冷却、或いは常温で8気圧以上に加圧すると液化する。
取扱いが比較的容易で、家庭用や自動車用に用いられている。
LNG(Liquefied Natural Gas: 液化天然ガス)
メタンCH4を主成分とする天然ガスを冷却・液化したもの。
LNGはマイナス164度まで冷却すると常圧で液化し、体積は約600分の1となる。
NGH(Natural Gas Hydrate: 天然ガスハイドレート)
天然ガスと水が一定圧力温度条件下で固体として安定したシャーベット状の水和物で、体積は約400分の1となる。
LNGに代わる新しい天然ガスの輸送・貯蔵手段として注目されている。
又、自然界にはメタンハイドレートと呼ばれるNGHが水深500m〜1,000mの海底下に埋蔵されている。
装置
固定式(Platform: 固定式プラットフォーム)
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甲板昇降(ジャッキアップ)型(Jack-Up)
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半潜水式海洋構造物(Semi-submersible)
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Sper
TLP(Tension Leg Platform: 緊張係留式プラットフォーム)
強制的に半潜水させた浮体構造物と海底に打設した基礎杭とをテンドンと呼ばれる鋼管で接続し、強制浮力によって生じる緊張力(Tension)を利用して係留される洋上プラットフォーム。
浮体構造物には常時垂直方向に対して1,000トン超の強い力がかかるため、プラットフォームは水平・垂直方向への動揺が小さな範囲にとどまり、台風等の悪天候の海象条件でも安定した状態を確保することができる。
TLPは固定式プラットフォームの使用が困難な大水深海域(水深1,000m超)での使用に適している。
TLPは海上作業台として汎用性のある設備だが、現在のところ海底石油生産設備として実用化されている。
TLP上には掘削装置や海底の井戸を制御する坑口装置の他プロセス設備が設置されるが、貯油設備を持たないため、貯蔵積出機能を有するFSOと併用したり、パイプラインに接続して石油・ガスの積出を行う。
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FPSO(Floating Production, Storage and Offloading system: 浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)
洋上で石油・ガスを生産し、生産した石油・ガスを設備内のタンクに貯蔵して、直接輸送タンカーへの積出を行う設備。
FPSOは浮体式の海洋石油・ガス生産設備の6割以上を占める最もポピュラーな生産設備で、現在世界で約110基のFPSOが稼動している。
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FSO(Floating Storage and Offloading system: 浮体式海洋石油・ガス貯蔵積出設備)
FPSOに対して石油・ガスの生産を行なうプロセス設備を持たない、洋上での貯蔵・積出専用の設備。
現在、世界で約80基のFSOが稼動している。
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FPSO/FSOは固定式に代わる新しい海洋油田生産方式として、1970年代から使用されるようになった技術で、他の海洋石油生産方式にはない以下のメリットがある。
・パイプライン工事や陸上施設が不要なため経済的
・あらゆる水深に適用可能
・厳しい海気象条件に対応
・陸地から遠く離れた油田や既存の施設から離れた油田の開発が可能
・早期生産開始が可能
・施設のリサイクルが可能
・海底坑井、プラットフォーム、TLPとの組み合わせが可能
・海洋での工事が少なく短期間での工事完了が可能
・デッキエリアが広く、また搭載物の重量制限が無い
LNGP(LNG Producer: 洋上LNG生産船)
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1. ヘリポート
2. 船橋
3. 採取装置
4. ガス不純物除去設備
5.
6. ガス成分調整設備、液化設備
7. 液化用窒素冷却設備
8. 液化用窒素圧縮装置
9. LNG貯蔵タンク
10. 採取装置
11. 係留装置
Bbls バレル(Barrel)の略。1バレルは約159リットル。
参考
⇒ 海洋調査
⇒ 海底資源開発
⇒ ソナー
⇒ 化石燃料(石油、石炭、天然ガス)
新規作成日:2007年8月29日/最終更新日:2009年3月5日