2002 第2期北西太平洋鯨類捕獲調査船団

通称「調査捕鯨」として、毎年実施されている、船団を紹介します。

2002 第2期北西太平洋鯨類捕獲調査船団の船舶

写真は撮影時点当時の姿であり、今回の航海で、異なっている場合もあります。

(1)調査母船 
  日新丸(7,575トン、遠山大介船長以下124名)
back
日新丸 (95.5.3 田浦) 元大型トロ―ル漁船

通称「捕鯨母船」。本船は、元遠洋トロール漁船で、先代の捕鯨母船 第三日新丸 の老朽化に伴い、改造就役しているが、トロ―ル漁船時代と比べて、外観はさほどの変化はなく、船内に、調査研究設備・鯨加工設備、増設がされているものと思われる。

(2)目視採集船
  勇新丸(720トン、亀井秀春船長以下18名)
back
勇新丸 (共同船舶 新造紹介パンフレット より)


  第1京丸(812トン、三浦敏行船長以下20名) 
  第25利丸(740トン、小宮博幸船長以下21名)
back
第一京丸、第十八利丸、第二十五利丸 (95.5.3 田浦)

通称「キャッチャーボート」「捕鯨船」。昔の捕鯨船団では、この型の船が10〜20隻、船団になって活躍していた。
尚、本年の船団には、中央の「第十八利丸」は参加していない。


(3)餌生物調査船
  俊鷹丸(889トン、嶌田佐船長以下20名)
p1892/p1892026.
漁業調査船 俊鷹丸 (2001.6.27 横浜)
この任務の船については、詳しくないが、鯨の餌について観測調査するものと思われる。


調査計画の概要

1 目的:
@鯨類の摂餌生態、生態系における役割の解明
A鯨類及び海洋生態系に対する海洋環境(汚染物質、海況他)の影響調査
B鯨類の系群構造の解明

2 捕獲頭数:
各年、ミンク鯨150頭(うち50頭は沿岸域調査)、ニタリ鯨50頭、マッコウ鯨10頭、イワシ鯨50頭(これまでは、ミンク鯨100頭、ニタリ鯨50頭、マッコウ鯨10頭)
3 調査海域:三陸沖からカムチャッカ半島南方水域
4 調査時期:4〜10月
5 調査船団:
沖合域:母船1隻、標本採集船3隻、目視専門船1隻、餌生物調査船1隻
沿岸域(ミンク鯨50頭):小型捕鯨船3隻、餌生物調査船1隻、目視調査船1隻

捕獲上限頭数 資源量(北西太平洋)
ミンク鯨150頭 2万5千頭
ニタリ鯨 50頭 2万2千頭
イワシ鯨 50頭 2万8千頭
マッコウ鯨 10頭 10万2千頭

○調査期間:
平成14年6月29日〜9月23日(出港〜入港、調査開始日は7月3日を予定)
○調査実施主体:
日本鯨類研究所(TEL:03-3536-6521)
水産総合研究センター遠洋水産研究所(TEL:0543-36-6000)


(参考)国際捕鯨取締条約第8条
1 この条約の規定にかかわらず、締約国政府は、同政府が適当と認める数の制限及び他の条件に従って自国民のいずれかが科学的研究のために鯨を捕獲し、殺し、及び処理することを認可する特別許可書をこれに与えることができる。また、この条の規定による鯨の捕獲、殺害及び処理は、この条約の適用から除外する。各締約国政府は、その与えたすべての前記の認可を直ちに委員会に報告しなければならない。各締約国政府は、その与えた前記の特別許可書をいつでも取り消すことができる。
 
2 前記の特別許可書に基づいて捕獲した鯨は、実行可能な限り加工し、また、取得金は、許可を与えた政府の発給した指令書に従って処分しなければならない。


南氷洋捕鯨〜調査捕鯨

南氷洋捕鯨は、ノルウェー式捕鯨とも呼ばれ、 その昔、捕鯨母船1隻、タンカー1〜2隻、冷凍冷蔵運搬船1〜2隻、キャッチャーボート10〜20隻、探鯨船(キャッチャーボート)1〜3隻、を1つの船団として、日本から1〜3船団が活躍していた。
戦前には、これらの船舶は、その特性により、補給艦や、駆潜艇 としての転用も念頭に置かれ、海軍に大切にされていた。
戦後は、厳しい食糧事情を補う為に、鯨は貴重な存在となっていた。
その後、西欧諸国の偏見・エゴとも言える発想により、商業捕鯨が禁止となり、通称「調査捕鯨」として、細々と活動されている。
余談だが「鯨を殺すのは野蛮だ」と叫ぶ彼らは、ブタやウシを平気で食べているし、第一、太平の江戸時代、産業革命で「鯨油が必要」となったとたん鯨を追っかけて日本まで来て「補給させろ」と開国までさせて、挙句の果てに、自分たちの用途が終わったとたん、あたかも、今まで鯨など撫で撫でした事しかないような口振りの議論は、ついて行けない。
別の見方をすれば、日本人はご飯のときに「いただきます」と言い、これは、ご馳走になるものの命を頂くことに感謝を込めて言っているが、欧米人は、神の恵みに感謝する。すなわち、神(と言っても人間が決めたものだが)を中心とした都合であり、食べられるための生き物とそうでない物と言う、勝手な選別主張に基づいている。このことは、かつては人種差別にも繋がっていた。

参考・引用資料 平成14年6月28日 水産庁遠洋課捕鯨班 プレスリリース



戻る TOPに戻る

新規作成日:2002年7月16日/最終更新日:2002年7月16日