趣味の英語  26

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仮定法

仮定法は現実に起こっている事柄、または起こった事実に関して、それと逆のことを

表現する方法です。

従って、原則として、事実がすでに成立していることが条件になります。

と言うことは、未だ事実が成立していない未来の事柄に関して仮定法というのはありえ

ないということになります。

これが原則なのですが、実際にはこの原則を破ることで、逆に起こり得ないということ

を強調することがあります。

更に、その事柄が起こり得るか起こり得ないかは当人の主観によるものなので、結果的

には未来の事柄に関しても仮定法が普通に使えるということになります。

仮定法と言えば、if clause を思い出しますね。

しかし、if clause には二つあって、単なる条件文にも使われます。

過去の事柄はすでに事実として成立してしまっているので、過去の事柄に対して

if を使った条件文という事はありえません。事実が成立しているので、過去に対して

条件を表現すれば、それは、仮定法になってしまいます。

条件文は、「ある特定の条件になったら、、、」というだけで時間とは関係ありません

過去とも現在とも未来とも関係ないのです。

しかし、それでは文として表現出来ないので、普通は現在形を使うことになります。

「もし、あした雨が降ったら、、、、」

これは、明らかに未来を表す言葉「あした」がありますが、これは単なる条件の一部

に過ぎません。
                               
ただ、頭の中でそういう条件を想定しているだけです。架空の世界の事を言っている

仮定法は違います。必ず、ある事実が成立しているからです。その事実と逆の事を

仮定するのです。この世のことを言っているわけですね、少なくとも、、、

だから、架空の世界の事を言っている条件文では、if clause に未来を表すwill

は使わないで、現在形を使って表現します。

つまり、 If it will rain tomorrow ,・・・・

のようには言いません。

   If it rains tomorrow ,・・・・・

のように言います。

実を言うと、時間や条件を表す副詞節すべてにこのことは当てはまります。

   When it will rain tomorrow, ・・・・・

とは言いません。

   When it rains tomorrow ,・・・・・

のように言います。さっきの if clause と同じように、未来の事を言いたいときでも

現在形を使います。理由は さっきと全く同じです。ただし、例外はあります。後ほどやりますが、

主語の意思を意味するときは条件文でも will を使うことがあります。

このように仮定法と条件文とは違うので、いつも頭に入れておきながら仮定法を

勉強しないと途中で頭がこんがらかってしまいます。

さて、本題に戻ります。

仮定法は、既成の事実が成立していることが不可欠の条件でした。

また、この禁を破ることによって、事実が成立していないのに、既成事実かのように

その事柄を強調することがあり、その結果未来についても仮定法があるという事を

学びました。

全国模試で常に10位以内に入っている人がいるとします。

「もし、彼が来年入試に失敗したら、、、、」・・・これを仮定法で言うことが

出来ます。殆ど、失敗するとは考えられないので、受かった事実がまだ発生していなく

ても、既成事実のように考えるわけです。

仮定法を使うことによって、それくらい受かるのが確かだ、と言うことを強調している

ことになります。

「もし、彼が来年入試に失敗したら、、、」・・・・・これは、普通だったら、まだ、

事実が成立していないわけですから、単なる条件文に過ぎません。

仮定法は使えません。

なにせ、事実と逆のことを言うのが仮定法ですからね。事実がまだないのですから、

どうしょうもありませんね。

ところが、「彼」は全国模試で常に10番以内に入っている人です。

来年になっても落ちるということは考えられません。

事実が成立していないけれども、成立しているのと同じ位確かなものに対しては

既成事実のように考えるわけです。

このようなときに未来のことであっても仮定法が使えます。

逆の言い方をすると、仮定法を使うことによって彼が失敗することなどありえない、

あるいは、もう入試に受かっているようなものだ、と言うことを、暗に提示(強調)

しているわけです。

従って、結果として、仮定法で言う必要のない ものまで強調のために仮定法を使う


人も出てくることになります。そして、そういう場合のための用法も用意されること

になります。

以上、基本は説明した通りです。

仮定法を勉強しているうちにこのことは忘れてしまいがちです。

常に頭にいれながら勉強してみてください。そうすれば、途中で頭がこんがらかる

ようなことはありませんよ。

今まで、頭の中でモヤモヤしていたものが、少しでもふっきれてくれれば幸いです。