趣味の英語 29
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it の用法
(1) 前出の3人称単数を受けてもちいる人称の
it
すでに述べた事柄、動物および性別を考えない場合の幼児に用いる。
時として人にも用いられるが、特殊な場合である。
同じものをさして反復を避けるために用いられるが、同種不特定のものに対
して反復する場合は one を用います。ただし、この場合は 可算名詞に
限られます。 また、one には所有格の次にはもちいられません。
ただし、修飾語がつけば可能になります。
my one とは言わないが、 my new one
とは言う。
なお、one は代名詞です。代名詞には修飾語は普通は付けないですが、
one については例外と言えます。
one who 〜 とか one which 〜 のようにも言うことができます。
代名詞に修飾語が付けられるのは この
one くらいです。
that にもごくたまに修飾語がついているのを見かけますが、普通は代名詞
には、形容詞は付かないと覚えておいてください。
ものに対して使われる人称代名詞としての
it は前に出た語、句、文、事柄
にたいして使われます。
問題なのは、前の文を指して使われる It でしょう。
一つの文の中で it より前に出た文や句を指して使われる
it はそれ程問題ないと
思われます。しかし、独立した前の文を指して使われる
it はそれが、人称の it かどうか
と言うのは、ちょっと難しいような気がします.
まず、人称の it は名詞の代わりに使われるのが普通ですから、文を指していると相手にわから
せるだけの、文の流れがなければなりません。普通は前の文やパラグラフを指す場合は、
this とか that が使われます.
it は 使うとしても、前の文だけです。それ以上前の文をさすことはありません。
また、it が前の文を指すといっても、じゃ、it
の場所に その文を変わりにいれて文が
成り立つかと言うと、先ず正しい文にはならないでしょう。
それからしても、it が前出の文を指す用法が 人称の it
であると断定するのにはちょっと
気が引けます。文の内容、事柄を指しているわけですから、むしろ 状態・状況の it
に近い
かもしれません。
Don't mention that she has put on weight,,,,,she
is very sensitive about it.
この it などは、前の文の内容か、wight
という名詞の代用か、疑義があるところです。
これは、前の文と言っても、本来 because
などで結ぶべきもので、二つの間にはかなりの
関連性があります。
How long will a suit like this last me?
It depends on how often you
wear it.
これも、二つの文の間には、問いと答えと言う重要な関連性があります。It
で答えても先ず
誤解する人はいないでしょう。 それ意外では、名詞の代用をしている代名詞と考えられる
のが普通だから、むやみには使えないのではないかと思います.
He seemed to want to tell me something
though wasn't aware of it.
Though I wasn't aware of it 、 he seemed
to want to tell me something.
私は気が付かなかったのだが、彼は私に何か言いたかったらしい。
この様な構文では、it が後ろの文を指すことも有り得ます。
以上は 人称の it です。 いわゆる代名詞としての it
の説明でした。
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完全に独立した別の文に対しては、this とか that が使われることになります。
下の説明で、・・・・・・・・・・・は文を表します。
(a) A が純粋の名詞の時 人称代名詞の it
(・・・・・・・・A・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・) 前の文
↑
(・・・・・・・・it ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・) 次の文
(b) 同一の文の中で、文や句が前にある時
人称代名詞の it
(・・文・句・・・・・・・・・・it ・・・・・・・・・・・・・・・)同じ文の中で
↑___________」
文や句が it より前にあることが条件です。
****** 付録ですが、this と that
に付いては、******
(a) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・前のパラグラフ・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
↑
(・・・・・・・that・・・・・・・次の文・・・・・・・・・・・)
このように、前のパラグラフ全体を指すときは、that
を用います。
論説文などで使います。
また、次のような場合もあります。
(b) (・・・・・・・・・・・・直前の一文・・・・・・・・・・・・・・)
↑
(・・・・・・・・・・・・・・that ・・・・・・・・・・・・・・)
会話調・一般的な文で使います。
このように、独立した前の文にたいしては
it ではなく that を使います.
一方、this は 直後の文に対して使います。
(c) (・・・・・・・・・・・this ・・・・・・・・・・・・・・・・・)
↓
(・・・・・・・・・・直後の文・・・・・・・・・・・・・・・・・)
勿論、it は使いません。
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指をさして、「それ」という場合の「それ」は 普通、it
ではありません。
必ず、this か that になります。
一度、this か that が出れば、あとはそれを受けて it
を使えます。
もう一度、this や that を使っても構いません。
人を表す he she you they は唐突に出てきても、人称を表す代名詞としての it
が急に出てくることはないのが普通です。
(2)天候、寒暖、時間、距離、明暗、事情状態 などを述べる文の主語として用い
る。意味のない便宜的な it です。
It is raining now.
It is warm today.
What time is it now ? It is five o'clock.
How far is it from here to the station? It
is two miles.
It is ten minutes' walk to the station.
It is quite dark when I goto home.
It is two years since I saw you last.
How is it going with you?
などです。
例えば、
「あなたは、身長はどれくらいですか?」 に対して
「1メ−トル57センチです。」
は 主語がありません。しかし、私は とか 私の身長は などの主語を補って
文にすることは誰でもやっています。日本語では主語を省略することは珍しいこと
ではありませんが、英語では原則として主語なしの文は考えられません。
ところが、上の例文集では、主語を特定出来ないものばかりです。当然主語の重要性
がないものばかりです。また、特に主語を見付けだして文を作るとぎこちないものに
なるものばかりです。
「今日はあたたかいです。」 は日本語では 主語は 「今日」となっています。
英語でもこれを主語にすることができます。
Today is warm. これなどは、特にぎこちない文とは言えませんね。
しかし、これはむしろ例外です。
仮に、「今日は雨が降っています。」だったら、日本語では一見「今日」が主語
のように見えるからといって、
Today is raining. と言ったのでは、とてもおかしくなります。
が
これは、raining 動作を表す言葉だから、おかしくなるわけで、warm
のように
形容詞のときは、うまく切り抜けられることになりますね。しかしむしろ特別だと
言えます。
ちなみに、「私の誕生日はあたたかかった。」にしてみると、これはもともと
「私の誕生日(に)は」という意味で、普通は英語に直すと、on
という前置詞を使
って副詞句として使うのがわかります。
そう、もともと副詞なわけです。today もれっきとした副詞があって前置詞が要らない
ので、ちょっと気が付きにくいだけです。=を表す
be 動詞のようなもの以外では、
先程の raining のように矛盾が生じて来るのをみても、today
は副詞として使うべき
ものであることがわかります。
こう考えてみると、改めて主語を何にしようかと言うことになるわけです。
で、便宜的に考えだされたのが、it だったんですね。
従って、主語がはっきりしている文では、たとえ時間、距離、、、その他でも、勝手に
it を使ってはいけません。上の例文集は、だから、定型文として覚えておかなかけれ
ばいけません。上で it を使うのはあくまでも便宜的に使っているからです。
It is two miles from here to the station.
をちょっと変えて、
It is a long way from here to the station.
を考えてみましょう。
これは、
It is a long way to go from here to the station.
となると話が別です。
これは、あなたが(私が、我々が)ここから駅まで行くには長いみちのりです、と
言う文で、上の定型とはことなる普通の表現文になります。
たまたま、内容が距離に関するものだっただけで、いわば偶然なのです。
ここでの、it は it 〜to 〜 の形にも見えますが、それはちょっと無理です。
それだと、it が仮主語になり、to go from here
to the station が本主語と言う
ことですから、
To go from here to the station = a long
way
ということになり、理論的に不可能となります。(第二文型参照)
このような場合、
There is a long way to go from here to the
station. または、
You(We) have a long way to go from here to
the station. のようにします。
以下は事情状態を表す it と考えられます。it
は何を指すかと言われても、具体的に
答えられません。殆ど慣用表現の部類に入り、その時の状況でわかるのと具体的に
何を指すか考える必要がないものです。
It is two years since 〜
は、れっきとした慣用構文として覚えたほうがいいでしょう。
since は時の起点を表し継続を意味しますから、It
is の部分が It has been 〜
とする用法もあります。 since 以下は常に過去形であることも覚えましょう。
How is it going with you. もこのまま覚えましょう。
ここでは、そのまま覚えるものばかりです。
Take it easy.
Who is it? I's me.
It's all over for me. I lost all the money.
That's it! それだ! その通り! それは名案だ! そこが問題だ!
a Christmas gift that is really it. クリスマスの贈り物として最適の品
When it comes to lying, she's really it.
嘘をつくことにかけては、彼女は天才だ。
How is it going with you?
形式の it と間違いやすいものは次の(3)で説明してあります。
(3)形式的に使われる it
これは、次の2つが考えられます.
仮主語になる形式的な it
仮目的語となる形式的は it
形式の it は必ず it が指す文や句は it の後にあります。
It is clear that he is a great inventor.
It is not clear whether he is a great
invetor or not.
It is difficult learning a foreign language.
It is difficult to learn a foreign language.
It is difficult for her to wall for herself.
以上は形式主語として用いられている例です。いわゆる仮主語です。
なお、 It was kind of you to help the old
man.
には、見方が別れているようです。
一つは、先の it 〜 to 〜 の形で it は to
以下を受けた形式主語(仮
主語)とする考え方。
もう一つは、 to 以下を副詞句とする考え方です。
そもそも、It was kind of you to help 〜
で、kind は you の意味上の補語になります。
「あなた」が「親切」と言うことですね。 この点は、It
is 〜 for・・to 〜
とは、扱いが違います。
訳し方も、「あなたは、〜するとは親切です。」あるいは、「親切にも〜」と
訳すはずです。 即ち、
You were kind enough to help the old man.
の事なのです。
it が形式の主語なら、to help the old man
= kind となるはずなのですが、、、
kind は形容詞なので、文法的には間違いではないのですが、意味はおかしいですね。
you = kind だったはずですからね。
という事で、to help 以下は 形容詞 kind
を修飾する副詞と見る方が正しいような
気がします。
このit は、状況を表す it と考えられます。
覚えておかなければいけない構文です。
また、かなり前のペ−ジでやったと思うのですが、次ぎのような場合もあります
から、注意してください。
It is easy for you to read the book.
It is easy for you to do.
上の二つの違いは、read と言う他動詞に目的語があるかないかの違いです。
他動詞は必ず目的語を必要とします。なのに、下の文は目的語がありません。
下の文の目的語は it なのです。
read it の it が前に出ただけなのです。
前に出てきた具体的な何かを指している人称の代名詞というわけです。
The book is easy for you to read. で book
が it になっただけです.
前者は to read the book = reasy と言うことで、
後者は this book = easy のことで、意味も文型も全く違います.
この例の場合だったら、book の代わりに it
を使っているので、人称の it
と言うことになります.だから、
It is easy for you to read this book.
の it は形式の it です。to 以下を指す仮主語です。
It is easy for you to read.
の it は、人称の it 、本来の代名詞として使われています.
形式の it が指す真主語、真目的語は、だから、動詞や前置詞の目的語
がきちんとそろっているものでなければなりません。
He told me that he could finish the task
by Monday,but it seemed to me
impossible. これは、前の文の事柄を指しているので、人称の it
です。
It seemed to me impossible that he could
finish the task.
これは、形式の it です。
it が指している文や句が後ろにあるか前にあるかは重要になってきます。
しかし、It seems that he can not finish the
task by Monday.
では that 以下は it の補語となっており、形式の it
とは言えません。
形式の it だと that 以下が真主語となり、今度は、補語がないことになって
しまいます。
it は仮主語のように見えますが、違います.(2)の部類の状況状態の
it
です。これも、覚えなければならない構文です。
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そのほか分類上は入り乱れるので、注意しながら読んで下さい。
What does it matter? それがどれほど重要か?どうでもいいじゃないか。
( matter は通例疑問文・否定文に用いられ、it
を主語にする。)
上の例では、what は 副詞です。it が主語、matter
が動詞でこれは自動詞
なので目的語は取りません。what が目的語のような気がしますが、辞書をひい
てみれば分かるように, what には副詞があります。「いかに」「どれほど}
という意味です。
さて、もとに戻ってみると、じゃあ、it は何を指しているのかと言うと、具体的
には言えないものです。だから、(2)に属する
it ですね。
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It does not matter what you eat. 君が何を食べようと問題はない。
これは、it は what 以下を指しますから、形式の
it です。
it が 仮主語で what 〜 が 真主語です。
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What does it help to cry ?
これは、it は to cry のことですから、仮主語で形式の it
です。
what は help の目的語です。 help
what で what を助ける、what の役に立つ
と言う意味です.to cry が主語ですから、「泣くことが何の役に立つのか?」と言う
意味になります.
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It is not death itself that matter but
the fear of death.
問題なのは、死そのものではなく、死を恐れる気持なのだ。
これは、未だ説明していないですが、強調の it
です。分類すると(4)
に入れるべきものです.
強調では、only とか no 〜 but とか not
〜 but あるいは上のように
〜self などの語句が付くので分かります.
it は that matter を指しますから、形式の
it になりそうですが、
これを形式の it と隔離して 強調の it
とするのが一般的です。
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Is it all right if I take seat here ?
ここに席を取ってもいいですか?
これは一見すると it は if 〜 を指しているように見えます.
しかし、意味から言っても if 以下は副詞節です。
この文では、it が主語、is が = を表す動詞、そして、right
が補語になっています。第二文型で、完全な文になっています。
if にも名詞節を導く用法がありますが、辞書をひいてくれれば分かりますが、
意味が全く違ってきます.( I don't know
if 〜 のように 「〜かどうか(を)」
の if clause は名詞節です。know の目的節になっています。)
「〜しても」と言う意味では 副詞と考えざるを得ないのです。
it がいくら意味のない it でも 代名詞には違いないのですから、
it は副詞を受けて 主語にはなれません。it
が指すのは、必ず名詞の
語、句、節でなければなりません。ここでの
it は (2)の状況を表す
it です。意味のない便宜上の it です。
しかし、意味の上では、it は if 以下を指しています。
事実を把握していれば、it は if 以下を指す仮主語と考えてもいいのでは
ないかと、個人的には思います.