趣味の英語 38
must
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今日は must を勉強します。
must は 〜しなければならない、と言う意味では、みなさんも知っているようにそれ
程難しいことは出てこないと思います。
must は大まかに二つの意味に分かれます。
一つは、〜しなければならない、で、もう一つは、〜に違いない(はずだ)と言うこと
になります。
1 義務、強制、必要、忠告、勧誘 などですが、殆どが 〜しなければならない、の訳で
済むものが多いです。
ここで、大事なことがあります。それは,〜しなければならない と言う訳では、
これが意味の上で未来であるということです。
must には、過去形や未来形がありません。だから、原則としてそれらを表すこと
が出来ないので、have to を代用します。
have to は must と殆ど同じですが、全く同じと言うわけではありません。
must は過去を表せませんが、間接話法では、時制を一致させる場合に限り
must を過去として使うことが出来ます。また、時制の一致でなくても、誤解の
生じない場合も使われることがあります。
You must do as your teacher told you to.
これは強制の部類に入るでしょう。
You must make allowance for his age.
= You must consider his age.
必要ないし忠告の部類です。
You must visit the temple when you go
to Kyoto ; It is very fantastic.
これは、勧誘、忠告 などにあたるかも知れません。
You must read this book.; It is very interesting.
must の否定形
must の否定は、don't have to が使われると言うことは誰でも知っているでしょう。
You must do it. しなければならない。
You must not do it. してはいけない。となります。これは、意味の上では、
前者の否定にはなっていません。しなければならない、の否定は しなくてもいい、
する必要がない、という意味になるはずですね。
だから、後者は前者を機械的に否定にしただけの否定文ということになります。
You don't have to do it. それをしなくてもいい、する必要がない、でこれが
意味のうえでの本当の否定になります。
必要がない、と言う意味では、need not もありますね。従って、
You need not do it. でもいいです。
要するに、強制や義務の否定は、する必要がない、という不必要のことです。
must not は 禁止 を意味します。
have to は 同じ「〜しなければならない。」でも、must
より柔らかいと言われ
ています。
また、have to は have got to の形で用いられることが特に会話では多いようです。
ただし、have to は 助動詞と共に 用いられますが、have
got to は助動詞と共に
用いることは出来ません。
〇 I have to go to work.= I have got to
go to work.
〇 I will have to go home by 7.
× I will have got to go home 7.
have to の否定は
not have to です。これは 必要がない という意味になり、してはいけない、と
いう意味にはなりません。
形の上でも、意味の上でも、普通どおりの否定形にすればいいのです。
なぜこのようなことになるのでしょうか。
その前に must も have to も = be obliged
to と言うことを頭に入れておいて
下さい。
すると、 You must not go. = You are obliged
not to go. となります。
これは、正確には文否定ではありません。
意味は、「行かないことが、義務である。」となって結果的に「行ってはいけない。」
となったにすぎないのです。
これに対して、
You don't have to go. = You are not obliged
to go.
で、文否定です。 「行くことは義務ではない。」すなわち、行かなくても良い、と
言うことになります。
このことを考えれば、意味の上で、must の否定は don't
have to が適していると
言うことがわかります。
また、両者が与える感じの相違は、次のように説明されます。
You must go.= You are boliged to go by
me.
話者たる私が自分の考えで相手に義務を課してしているような感じを与える。
You have to go.= You are obliged to go
by circumustances.
話者たる自分が言っているのではなく、周囲の状況がそう言わせている、そういう
感じが出る。
どちらがきつくてどちらがソフトな言い方かは、これで分かると思います。
must have done−− must が 〜なければならない、と言う意味ではこれは、多分、
しなければならなかった、しておくべきだった、の意味となるはずであるが、この形は
まず、出てくることはありません。
この場合は、should have done を用いて、〜するべきだった、とする方が一般的だと
思います。
ところが、このページの最初で、must は〜しなければならない と言う意味では未来に属すると断って
おきましたが、覚えていますか?
must have done は will have done 「〜し(終わっ)ているでしょう」
などと同じように未来に関して、
「〜していなければならない」「〜しおわっていなければならない」の意味で使われることがあります。
わかりにくいかと思うので、例文を載せておきます。
If you want to go out , you must have
finished your homework by five.
出掛けたいなら、5時までには宿題を終わらせておかなけらばいけませんよ。
要するに、〜しなければならない の意味で must
を使うときは、意味上未来の事に関してしか使えない
と覚えておけばいいわけです。
ただし、次の推量では、それが逆になります。
2 推量(断定的な推量) 〜に違いない、〜のはずだ
ある状況から、推量して必然性を表す。 従って、一般的に推量用法であることが
わかるような、付加的説明を必要とするのが普通です。
You must be tired after a long jouney.
Since you have had no meals for a whole
day , you must be hungry.
How big that elephant is ! It must weigh
a ton.
She was in bed all through the day. She
must have been ill.
I called him a few times yesterday but
every time there was no answer.
He must have gone somewhere.
Oh,there comes a noisy sound. My son must
be listening music in his room.
上の例でわかるように、must を 〜に違いない、〜のはずだ の意味で使う場合、
be と共に用いられていることが多いですね。
しかし、次のような場合もありえます。
She must be kind to old pleople.
1 彼女は年寄に親切にしなければいけない。 強制、義務、必要などの
must
2 彼女は年寄にせんせつに違いない。 推量の must
二つの意味が考えられます。これは、最初に断ったように、どちらの用法かわかるよ
うな文や状況が必要になってきます。
ところで、「〜しなければならない」と「〜に違いない」の二つは、一見して全く意味
が違うように見えます。
しかし、次の例を考えてみてください。
1 あれだけ、多くの人を引き付ける絵を描くなんて、相当有名な画家じゃなけらばな
らないでしょう。
2 あれだけ、多くの人を引き付ける絵を描くなんて、相当有名な画家に違いないでし
ょう。
1 何? 体重計が壊れたって? 200キロまで大丈夫なんだよ。
あれが壊れるには、よっぽど大きな相撲取りじゃなければいけないよ。
2 何? 体重計が壊れたって? 200キロまで大丈夫なんだよ。
あれが壊れるには、よっぽど大きな相撲取りだったに違いない。
1と2は、意味が全く同じだと思いませんか? なければならない=違いない、はずだ
になっているでしょう? これは、使われている動詞が、状態動詞か動作動詞かで
決まります。
もう一つ、
1 何? 東大に一発で受かるんだって? そうとう勉強しなければならないよ。
2 何? 東大に一発で受かるんだって? そうとう勉強するはずだよね。
さて、どうでしょうか? おかしいとは思いませんか?
2 の「はず」の用法が間違っています。もっとも日本語の場合このように言うことが
ありうるかも知れませんが、よく考えるとちょっとおかしいですね。
このように「〜しなければならない」と「〜にちがいない」を同じような意味に使って
も良い場合と悪い場合があります。これは、英語の must
も同じなのです。
何故、このようなことが起こるのでしょうか。
〜なはずである、〜に違いない、は断定的推量です。断定的推量は現在ある事あるいは
過去の事に対して言えることです。事実が確定していなければ、断定はできません。
ちょっと分かりにくいかも知れませんが、現在状態が認識できるもの、および過去の事。柄で事実が存在して
いて、認識出来るもの、これらに対して断定的推量が可能なわけです。
これが、must の特徴です。
だから、〜に違いない、はずだ、の must は be
動詞と用いられることが多くなりま
す。be 動詞の文(第二文型)は状態を表す文です。be
動詞は状態を表す動詞です。
状態は今ある状態ですから、認識できますから、断定的推量が出来ます。
同様に、住む、知っている、目方がある、なども状態を表す動詞です。その証拠に普通は
これらの動詞は進行形はできないでしょう?
これら自分の意志で、動作を行なったり、止めたり出来ないも状態を表す動詞ですから
断定的推量に使えます。
進行形も現在行なわれている動作ですから、これは、状態を表す動詞でなくても認識
出来ます。だから、must を断定的推量の意味として使うことが出来ます。
過去形も同様です。
ただし、例えば live の場合、「住む」と言う意味では、動作を表す動詞で、意志で
動作を行なったり、止めたりできる動詞です。
しかし、「住んでいる」と言う意味では、状態を表す動詞です。
だから、「住む」という意味では must live
は「住まなければいけない」の意味にな
ります。
「住んでいる」と言う意味では、must live は「住んでいるはずだ」の意味になります
このように、二つの意味を持つ動詞は、からなず、どちらかの用法の意味かわかっても
らうためには、それとわかる説明や前後関係がなければなりません。
参考 be 動詞も、「〜です。=を意味する」と「〜になる、become
の意味 」の二つが
あります。
〜しなければならない、は意味の上では未来を意味しています。だから、過去:もう
済んでしまっていることに対して「〜しなければならない」はそぐわないですね。
それを言っても意味がないわけです。
さて、このへんでまとめてみましょう。
must 1 : 動作を表す動詞に付くと 〜しなければならない 意味上は未来
したがって、must have done でも未来で、〜し終わっていなければならない となります。
must 2 :状態を表す動詞、進行形 及び 過去を表す動詞と共に 〜なはず、〜違いない
の意味で使われます。進行形及び過去の場合は状態の動詞である必要は
ありません ここで、進行形とは must
+ be ing のことです。
ここで、過去を表す動詞とは must
+ have done のことで、〜したはず となります。
この場合、自分がそう断定的推量をしていると言うだけで、実際に行われたかどうかは問題では
ありません。
must は推量の意味では may と同様 疑問文には使えません。
推量の have to
推量に使われる have to は主にアメリカ英語です。have
got to の形で用いられる事
が多いですが、、will have got to のように助動詞と共に用いることは出来ません。
また、推量の意味では must より意味が強くなります。
これも、分かりやすく下にまとめてみましょう。
have to : 〜しなければならない、という意味では、must
よりソフトです。
〜なはず、〜に違いない、の意味では must
より意味が強いです。
強さ加減が逆転するので注意してください。
: 〜のはず、〜に違いない、の意味では be
動詞と結びつくことが多
い。
: どちらの意味でも、have to
は have を過去 未来 に出来るが、
have got to は助動詞と共に用いることはできません。
You have to be kidding. = You've got to
be kidding.
There's a phone call. It has to be Jammy.
He told me he would give me a ring today.
There had to be some reason for her mistake.
推量の意味での must の 否定は can't であって、must
not ではありません。
He must be kind. 彼は親切に違いない。
この文を否定にすると、前の「しなければならない」のところでも、説明したとおり、
文否定ではなく否定語を含んだ肯定文になります。
また、断定的推量は be certain と同義です。これらの二つのことを考慮して、
She must be kind. = It is certain that
she is kind. となります。
She must not be kind. では、not は 文否定ではないでの、 kind
を否定する
ことになります。すなわち、
It is certain that she is not kind, なのです。これは、「彼女が親切でないことは
たしかだ。」となります。
一方、cannot を使うと、これは、可能性ですから、その文否定は
be impossible で言いかえられます。
She cannot be kind. = It is impossible
that she is kind. となるわけです。
これは、「あり得ない」ということで、「〜なはずがない」と言う事になります。
しかしながら、
「彼女は親切でないことは確かだ。」 と 「彼女は親切であるはずがない。」 とは
殆ど同じことではないか、という疑問が残ります。
確かに、must not = cannot のように同義で使用されることがあるそうです。
今後どうなるか、みものですね。