大島沖で座礁の自動車運搬船が炎上

26日午前5時30分ごろ、伊豆諸島・大島(東京都大島町)の波浮港沖で、座礁したままとなっていた自動車運搬船「ファル ヨーロッパ」(5万6800トン、バハマ船籍)から火が出ているのを、付近を航行中の貨物船が見つけ、118番通報した。
第3管区海上保安本部(横浜)では、ヘリコプター1機、巡視船など3隻を出動させたが、付近は浅瀬のため船舶は近づけず、消火活動は難航している。

第3管区海上保安本部などによると、同船は先月1日夜、台風21号の影響で座礁。
船には新車と中古車が計約3560台、重機が約130台積まれたままになっている。
船内には約1300キロ・リットルの重油が残っていたため、油の抜き取り作業が行われ、大半の油が抜き取られたが、台風の影響による高波で今月20日以降、作業は中断されていた。
同船は、座礁した当日(10月1日)に横浜港を出港、輸出用の車を積みジャマイカへ向かうところだった。

第3管区海上保安本部によると、強風で破損した船体が触れることで起きる摩擦熱で出火した可能性もあるという。
また、船の非常用電源のショートや作業に伴う失火も考えられることから、同本部では20日以前の作業で使用した照明用発電機など電気系統や火の気の始末も調べる。

火災の原因は、今後の捜査となるが、傾斜した船内に登載中の車両より、バッテリー液などが漏れ出し、化学変化、または、電気系統によるショートなども考えられる。

現場は低気圧の影響で高い波が押し寄せ、「へ」の字形に折れ曲がった船体から激しい炎と黒煙があがり、大量の油を含んで真っ黒になった波が海岸線にうち寄せている。
現場近くの16世帯28人が波浮港老人福祉館に自主避難した。
警視庁大島署によると、座礁船から小さな爆発音が聞こえていることから、船内に積んである車両のガソリンにも引火しているとみられる。

奇しくも、本日のサンケイ新聞朝刊に、座礁中の本船が、報じられた矢先であった。
25日昼の撮影と言うこの状況では、船体は完全に座礁しているものの、傾斜は僅かで、船体も完全のようだ。
しかし、本日の消火作業中の光景では、船体は折れ、傾斜も相当となっている。
一晩のうちに、波で押し上げられ、引き潮により船体に過重がかかり、損壊したのだろうか。

目下、海上保安庁と、海上災害防止センターより、消防機能を備えた船艇が出動し、消火にあたっている。
当初、夜を徹して消火にあたる予定とされていたが、海上の状況が悪く、一旦中断された。
付近は浅瀬で、放水と言う操船がデリケートな作業においては、やむを得ない措置である。


118番通報
海上における事案に迅速に対応する為、警察の110番、消防・救急の119番にならって、制定された。
基本的に、最寄りの海上保安部などに繋がる。


海上災害防止センター
油の排出・船舶火災などの海上災害が発生した際、海上保安庁長官の指示または船舶所有者等の委託を受けて全国の契約防災措置実施者により油防除、消火などを実施する団体。
このほかに、訓練や、防災の為の教育指導なども業務とされている。
大型消防船をはじめ、オイルフェンス展張船などを保有し、全国に配備している。


現場で対応中(もしくは急行中)と思われる船艇


海上保安庁

巡視船 PM89 たかとり (PM89 たかとり型) 横須賀
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巡視船 PM89 たかとり型

巡視艇 PC22 はまぐも (PC22はまぐも型) 横浜
p1886009.
巡視艇 PC22 はまぐも型

消防船 FL01 ひりゅう (FL01ひりゅう型) 東京
R0003031. p1886006.
消防船 FL01 ひりゅう型

巡視艇 PC51 よど (PC51 よど型) 鹿島
p2193027. p2193032.
巡視艇 PC51 よど型

海上災害防止センター

消防船 きよたき

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新規作成日:2002年11月26日/最終更新日:2002年11月26日