機雷
機雷
機械水雷。
海中に設置され、航行する艦船に被害を及ぼすもの。
また、その潜在により、艦船の行動を制約せしめるもの。
初期のものは触角を備え、触角に触れると爆発するものだった。
以後発展を遂げ、航行する艦船を(水圧、磁気、推進音 などで)感知し、爆発するものになっている。
最新のものはキャプターと言う、魚雷複合のもので、海底で待ち受け、艦船を感知すると、魚雷として向かって行く物もある。
最近のものはこのセンサーの寿命(電池寿命)が兵器の寿命となっている。
また、掃海から逃れる為、最初の何回かの感知を無視するカウント型もできていて、対応が難しい。
更に最新のものでは、目標となる艦船の音響特性をインプットされていて、一致しないと作動せず、すなわち、掃海音源の多様化も求められている。
機雷の効能
効果を長時間持続する待ち受け兵器
船舶の水線下攻撃による破壊効果
隠密兵器としての心理効果(抑止効果)
製造単価が安く、費用対効果が極めて大
小型、軽便であり、柔軟に使用可能
待ち受け開始時期や目標選択の諸調定が可能
他兵種との協同による縦深配備、累積効果
彼我の戦略、戦術への影響(政治的側面)
機雷の種類
管制機雷と独立機雷に大別される。
管制機雷は、敷設後、遠隔操作で制御する
独立機雷は、敷設後、待受・作動を継続
敷設手段により、水上艦船用機雷、航空機雷、潜水艦用機雷
敷設状態により、浮遊機雷、係維機雷、沈底機雷、水際機雷
発火方式により、視発機雷、触発機雷、感応機雷
触発機雷は、触角機雷、水中線機雷、スナグライン機雷、慣性機雷
感応機雷は、磁気機雷、音響機雷、水圧機雷、サイズミック機雷、海水電流機雷、複合機雷
にも分類できる。
感応方式により、磁気、パッシブ音響、アクティブ音響、サイズミック及び水圧、海水電流
走行機能により、上昇機雷、ホーミング機雷、自走機雷
上昇機雷は、艦船を感知したときに上昇
ホーミング機雷は、艦船を感知したときに追尾
自走機雷は、水中を自走し、着底、待受
歴史
1549 明の水底雷(記述)
1585 オランダが小舟に火薬を満載し放流(アントワープの戦い)
1776 米国ブッシュネルの浮遊機雷(米国独立戦争)
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1797-1810 米国フルトンの係維機雷(フランス革命)
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1829 米国コルトの管制機雷
1854 プロシアで最初の触角機雷(クリミヤ戦争)
1857 島津藩の水雷実験
1868 ドイツ・ヘルツ式触角
1914-1918 イギリスで最初の水中線機雷(第一次世界大戦)
1914-1918 ドイツで最初の沈底式磁気機雷(第一次世界大戦)
1939-1945 ドイツで最初の水圧磁気機雷(第二次世界大戦)
最近の機雷の趨勢
・機雷缶体の無反響化
GRP缶体、音響的に透明
無反響コーティング
・ステルス形状、音波の乱反射
・自己埋没型、海底埋没による音響探知不能化
・IC化、目標識別の多様化
- 上昇機雷
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- 沈底機雷
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- 磁気機雷
鋼製船体の持つ磁気に反応するタイプ。
掃海艇が木造などとされるのは、これに対するもの。
沈底機雷として一般的。
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磁気機雷の感応原理
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- 音響機雷
スクリュー音や、エンジンの発する音に反応するタイプ。
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- 係維機雷
海底に置かれた錘にからケーブルで水深を調整されて敷設されているもの。
機雷に船体が接触する衝撃に反応する。
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- 浮遊機雷
海上を漂流するタイプ。一部には、係維機雷のケーブルが切れて流されたものもある。
機雷に船体が接触する衝撃に反応する。
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- 水圧感応式機雷
艦船が航行する場合の水圧の変化に反応するタイプ。
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水圧機雷の感応原理
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- 連繋機雷
浮遊機雷を索で繋ぎ、艦船の航路前方に配置し、接触させるもの。
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- 追尾機雷 キャプター
海底に敷設され、艦船が航行する際の、スクリュー音や、エンジンの発する音(或いは船体の磁気)を感知し、ホーミング魚雷となって、船体を破壊するタイプ。
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機雷
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航空機敷設機雷
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水際地雷
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ステルス機雷
MANTA
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BUNNY
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機雷の敷設
港湾防御
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赤枠: 管制機雷
青●: 対潜機雷
港湾封鎖
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赤●: キャプター
青●: 誘導魚雷
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⇒ 海上自衛隊の対機雷戦の系譜
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新規作成日:2005年8月16日/最終更新日:2006年11月28日