艦船写真の写し方(ポートレート)
ポートレート
ちと番外なのだが、機会が有ったのでまとめておきたい。
私は通常、分割測光を使用しているのだが、ポートレート撮影の場合は、人物の顔の部分のスポット測光がよいらしい。
そして、この部分の値に対して+1の露出補正をかけるとベストらしい。
これを簡単に行うには、半押しシャッターによるAEAFロック機能が便利である。
また、絞りは開放に近いほうが、背景がボケて人物が引き立つ。
ポートレートは、基本的に背景は「目障りにならない彩り」である。
モデルさんの目線を向けてもらうのがホントらしいのだが、うまく外れているのも趣がある。半端によそを向いているのは意味がないが。
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人物撮影でのNGに、ギロチン、目刺し、串刺しというものがある。
ギロチン、すなわち、首のところに水平線なりが入ることで、あたかも首を切っているように写る。
目刺し、同様に、両目に水平に線が入るもの。
串刺し、頭の真上に棒状の物が映り込むもの。
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逆に、キャッチライトといって、目の瞳に、輝く光を得るものがある。
ストロボの補助光や、レフ板などで光を作り出す物だ。
アップ
全身、膝上、ウエストアップ、バストアップ、と撮影する部分によっても印象は変わる。
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アイレベル
カメラの位置、すなわち目線と水平の場合と、低い位置から見上げる感じ、高い位置から見下ろす感じでも印象は変る。
ここで、調子に乗って低い位置からのアングルを狙うと、注意される場合もある。
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カメラアングル
広角系レンズでは、上から見下ろす感じだと、足が短く写る。
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真正面よりも、斜めを向くほうがスマートに見える。
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ストロボを使用する場合は、影にも注意が必要だ。
背景が十分離れている場合は問題ないが、背後の壁にできる影はうっとうしい。
レンズと被写体の線に対して、ストロボの位置関係で反対側に影が出るため、一般に横位置では影響が少ない。
また、ディフューザーを使用することにより、光を拡散して弱めるため、影が薄くなって目立たなくなる。
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レフ版を使おう。
ストロボでは直接的な光だが、レフ版を使うと、全体的に光を集める感じになる。
下の例は、フォトエキスポ2004のものだが、(中央)レフ版全開では1/30、(右)半開では1/25と、光量もアップする。
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簡易な事例として、白い紙でも、かなりな反射考量が得られる。
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左/自然光、右/左側にレフ版
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測光モード
左から、分割測光(1/125)、中央部重点測光(1/100)、スポット測光(1/80)。
ASA200, f4, +0.7,
モデルさんの顔に対して、AEAFロックし、ストロボ1/16とした。
この例では、背景が明るいため、人物が暗くなりがちである。
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以下の例は、分割測光を使用している
フォトエキスポ2003の撮影会の為、室内の方は照明装置がついており、足下に固定のレフ板がある。屋外の方は、一応スタッフが持つレフ板も当てられている。
従って、ストロボを使用せずに撮影できる条件となっている。
モデルさんはさまざまなポーズをとってくれるし、衣装替があったりと、全てのカットを押さえていると、フィルムが何本あっても足りないくらいだ。
自分のポジションを固定してモデルさんの動きを追うのと、モデルさんの動きに合わせて自分の位地を変えるのと、写したい好みによってさまざまだろう。
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全身にこだわらず、アップの方が歯切れもよい。
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せっかくの洋上撮影なら、背景を生かしたい物。
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以上がアングルの参考で、以下は撮影データの比較中心である。
肌色というのは、実に難しく、1段狂うと白く飛んでしまうのはデジカメだからであろうか。
ネガフィルムのラチュードは+/-5.0といわれ、黒が-5.0、グレーが0.0、肌色が+1.0、白が+5.0らしい。リバーサルの場合のラチュードは+3.0/-2.0らしい。
しかし、プリントの際、上下差5段しか再現できないそうで、黒く潰れる部分、白く飛ぶ部分が発生するのは致し方ないらしい。
ポートレートの場合、人物中心なので、背景はあまり考慮する必要がなく、この例の室内撮影のダーク系のカーテンや壁は、ただの背景であり、色や模様は別に再現されなくてもよいわけである。
と言うところで、分割測光を使うと、必要としない広い範囲の背景の部分も計測値に含まれる為、自ずと人物の肌色にリスクが加わる。
ただ、着ている物が、白もしくは暗い色だと、多少考慮しておきたいところだが、いずれにせよ背景は後回しで差し支えなさそうだ。
絞り1段の差で、白く飛んでしまう。
ASA400 M f8 1/30 +Flash(1/16)、f5.6 1/30 +Flash(1/16)
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被写体がライト(直接照明)に近いと、白く飛んでしまう。
ASA400 M f5.6 1/30
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被写体がライト(直接照明)側か、影の側かでも1段以上の差になる。
ASA400 M f5.6 1/30
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ASA400 M f5.6 1/45 +Flash(1/16)
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設定を間違えて、M f4 1/30 のまま写したので、飛んでしまった。
ASA400 M f4 1/30
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ASA400 A+1.0 f4 1/100、1/80、1/50、1/40
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同程度の照明なのだが、背景の濃淡の差により、分割測光では1.5段の差が出る。
ASA500 A+1.0 f5.6 1/50、1/20
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ASA500 A+1.0 f5.6 1/40、ASA400 M f4 1/30
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衣装の白が、飛ぶか再現されるかの差。
ASA400 A+1.0 f4 1/45、1/60、1/125、1/160
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ASA200 A+1.0 f5.6 1/5、1/40 +Flash(1/16)
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ASA200 A+1.0 f5.6 1/15、1/60 +Flash(1/16)
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ASA400 A+1.0 f8 1/125
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逆光補正でストロボを使用。
日中シンクロモードとも言うらしい。
既に十分な明るさの場合、ストロボ同調の為シャッター速度が低く押さえられると(1/60〜1/180)、白飛びの原因となる。
ASA400 A+1.0 f8 1/400、1/180 +Flash(1/16)
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ASA200 A+1.0 f5.6 1/640、1/180 +Flash(1/16)
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ASA200 A+1.0 f5.6 1/250、1/180 +Flash(1/16)
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ASA200 A+1.0 f5.6 1/125 +Flash(1/16)、M f5.6 1/40 +Flash(1/16)
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ちなみに、モデルさんは、奥村 瀬里香 さん、日向 由美 さん、香月 彩 さん、大沢 安希 さん、桝本 奈生 さん、滝沢 かずみ さん、宮西ななこ さんである。
以下は、フォトエキスポ2003 会場内の物。
結果的に、ASA400 A+1.0 f5.6 (=1/30前後) +Flash(1/16) が好ましい値だろうか。
天井が高い会場のような場所では、ストロボは必須であろう。
この場合、フル発光ではなく、ディフューザーをかけることが好ましいらしい。
簡単な物は、トレーシングペーパーなどで発光面を覆えばよいのだが、いくつかのパターンを試してみる必要が有ろう。
私の場合は、+Flash(1/16)として、フル発光ではなく、1/16の出力の補助光モードを使っている。
Nikon 601, 801 などの時は、TTL調光モードが使えたのだが、Nikon D100と、現有使用機材の組み合わせでは、D-TTL調光モードは使用できないので、苦労する。
舞台照明がある場合。
ASA400 M f8 1/30 +Flash(1/16)
ASA800 M f8 1/30 +Flash(1/16)
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舞台照明がない場合。
ASA400 M f8 1/30 +Flash(1/16)
ASA800 M f8 1/30 +Flash(1/16)
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ASA800 M f8 1/30 +Flash(1/16)
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ASA800 A+1.0 f8 1/30 +Flash(1/16)
ASA800 M f5.6 1/50 +Flash(1/16)
ASA500 M f5.0 1/30 +Flash(1/16)
ASA400 A+1.0 f4.0 1/40 +Flash(1/16)
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ASA800 A+1.0 f8 1/30 +Flash(1/16)
ASA800 M f5.6 1/50 +Flash(1/16)
ASA400 A+1.0 f4.0 1/50 +Flash(1/16)
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ASA400 A+1.0 f5.0 1/40 +Flash(1/16)
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イベント撮影での注意。
モデル撮影会の場合は諸注意は各主催者より通知される。
イベント会場などでは以下の点を考慮しよう。
もともと撮影が可能なイベントと、撮影禁止のイベントがある。
本来、一般の企業展示会であれば、人を写しに来るのではなく、展示内容を見に来るべきものなのだ。
展示内容によっては、企業秘密上、撮影に非常に敏感だったりする。
「コンパニオンさんを写すならいいだろう」と言う発想自体、本末転倒であることを念頭におく必要がある。
イベントコンパニオンさんにも、撮影側にとって概ね2通りの配置がある。(撮影禁止会場でない前提)
1.ステージなど、ある程度撮影を前提とした配置。
2.展示解説や、配り物などの配置。
1.の場合はあまり問題は無いのだが、2.の場合は本来の仕事に影響がでないように注意が必要だ。
写す側はちょっとのつもりでも、周りには多大な迷惑となる場合がある。
構図を考え、カメラを操作し、背景のタイミングを計ると、分単位は必要だろう。
アップを撮るだけなら至近距離でよいのだが、全身を写そうとすると距離が必要だ。
最近の女性は背が高いうえ、デジカメの画角は狭いとすれば、より距離を開ける必要がでる。
が、もともとの配置が、一般のお客様に接する配置であるから、人通りは多いはずだ。
ここでカメラを構えるのは迷惑というもの。
少なくとも通路を横切る方向は避けたいものだ。
一人が長くカメラを構えることにより、カメラが集まってきて壁が出来てくると、企業ブースにとってもまったくの迷惑となる。
結果、撮影禁止に結びつく。
また、本人との不用意な長話も、本来の業務に触る。
イベントコンパニオンさんにも肖像権がある。
個人の肖像権と共に、契約条件にもよる。
すなわち、企業側のイメージや、代理店などの権利である。
従って、撮影禁止とされる場合も多い。
また、撮影者間でのトラブルも抑えよう。
カメラの前を横切るな。写した後個人的に長話をするな。
一般客なら仕方がないが、立場が変わればお互い様だ。
一人が長時間構えているのも迷惑だ。
人のカメラの前に立ちふさがって撮影する馬鹿がいる。
塞がれた方は、塞いだ奴に文句を言って喧嘩になる。
お互いに撮影するものなら、少しはお互いの気配りをしよう。
自分がされて迷惑なことはしないものだ。
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新規作成日:2003年3月22日/最終更新日:2010年1月10日